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中谷元 ·自由民主党・無所属の会

衆議院憲法審査会(2024-04-11)での発言

第213回国会 ·第第2号号 ·2,540字
○中谷(元)委員 おはようございます。  本日から国会で憲法議論の実質的な協議が開始されますが、これまでの議論の到達点につきまして述べてみます。  第一に、緊急事態条項、特に国会機能維持についてです。  我が国を取り巻く安全保障環境の緊迫化や、大地震、新型コロナの蔓延などを背景といたしまして、国民の間には、緊急事態においても国民の声が国政に届く仕組みをあらかじめ憲法に構築しておいてもらいたいとの世論が高まっており、この最重要課題に応えようとするのが、議員任期延長を始めとする国民の生命財産を守るための国会機能維持であります。  衆議院での議論は参議院の緊急集会を軽視しているのではないかとの誤解があるようですけれども、そのようなことは全くありません。現行の憲法の定める参議院の緊急集会は、あくまで衆議院解散による総選挙が実施される見通しがついているということが大前提になっているものでありまして、そのような場合には今後とも参議院の緊急集会で対応するということは当然のことであります。  これに対して、私たちが提案している任期延長というのは、衆議院の総選挙のみならず、参議院の通常選挙も含めまして、その実施が全国の広範な地域で困難であり、かつ、それが相当程度長期間に及ぶ場合の措置、つまり、参議院の緊急集会の規定すら想定していなかった憲法の空白にどう対応していくかという問題でございます。  また、議員任期延長はお手盛りだ、身分保持のための憲法改正だという声につきましても、これは任期延長が目的なのではなくて、あくまでも国会機能の維持が目的であります。緊急時においてこそ、被災者、国民の切実な思いを国政に反映しなければなりませんが、そのためには、二院制国会をフルに機能させる措置がこの国会機能維持策なのであります。  だからこそ、任期延長だけではなくて、閉会禁止、また解散禁止の措置も講じることとしておりまして、これらをセットにした緊急事態条項は十分に合理性が認められると識者からも評価をされております。  第二に、憲法における自衛隊の明記が必要であるということについてです。  有事という典型的な国家緊急の場合における実力組織について国家の基本法に定めておくことは世界各国憲法の常識でありまして、最近の国際情勢に鑑みましたら、その重要性はますます高まっております。  自民党は、平成三十年に自衛隊明記の条文イメージを発表いたしましたが、これは現行九条一項、二項を維持するものであり、自衛権の行使は必要最小限度という現在の解釈に全く変更はありません。  憲法に自衛隊を明記するということは多くの会派においてほぼ合意が形成されつつありますが、残る論点といたしましては、戦争放棄、戦力不保持を定める九条付近に規定をするのか、それとも、シビリアンコントロールの観点から七十三条の「内閣」の章に規定をするのか、いずれの主張にもそれぞれの思いがあることでありますが、目的は憲法に自衛隊を明記することでありまして、憲法改正という国家国民にとっての一大事業を成し遂げるには、自説にこだわるのではなくて、大同団結が必要であります。  いずれにしましても、違憲状態のままで自衛隊に任務を与えているように思う国民がいまだいる状態は早く解消すべきであります。諸外国の憲法改正をつぶさに見てこられた憲法調査会長の中山太郎先生は、多様な国民の基本法となる憲法だからこそ偉大なる妥協が必要だと言っておられることを改めて思い起こす次第でございます。  第三のテーマは、教育の充実についてです。  日本維新の会が既に平成二十八年に教育無償化の憲法改正案を発表されていますが、最大の課題は経済格差による教育格差でありまして、誰でも、能力や意欲、適性、個性に合った教育が受けられる環境を整備しなければなりません。自民党のたたき台素案におきましても、国は、各個人の経済的理由にかかわらず教育を受ける機会を確保できる教育環境の整備に努めなければならないとしております。  教育の格差の是正、子育て支援、またデジタル化など、教育立国を目指す我が国にとって喫緊の課題でありまして、今こそ国民の教育を受ける権利を実質化をし、そして、国の教育環境整備の責務を憲法に規定をして、教育立国を宣言する必要があると思います。また、私学助成を禁止しているかのように読まれる八十九条の改正も行う必要がありまして、今後、条文化に向けて議論を進めていければと思っております。  四番目のテーマは、デジタル時代の新しい人権についてであります。  昨年の理事会で立憲民主党の階幹事から、党の憲法調査会のワーキングチームの議論を踏まえて、国民投票法の問題とは切り離して、情報化時代の新しい人権として、自己情報コントロール権、情報アクセス権、情報環境権の三つのデジタル人権を議論しようという提案をいただきました。衆議院憲法審査会としても、山本龍彦慶応大学教授を参考人として招くなど、関心を持って取り組んできたところでありますが、立憲民主党側からの積極的な提案として懐広く受け止めておりまして、更に議論を深めてまいりたいと思います。  最後に、今後の議論の展開につきまして、各党の条文起草作業に向けて提案を申し上げます。  緊急時の国会機能の維持につきましては、いつでも条文起草作業に入っていけるところまで議論は進んでおります。そのほかにも、条文起草作業に入る一歩手前のところまで来ているテーマもあります。  この状況を踏まえまして、今後の審議のためには、幅広い会派間で憲法改正原案作成の協議を行う環境を早期に整備することを提案をいたします。もちろん反対の意見もお持ちの会派もあろうと思いますが、その場合でも、是非協議のテーブルに着いていただきまして、御意見を述べていただきたいと考えます。  憲法審査会におきましては、国民に開かれ、率直で、そして透明性のある丁寧な議論をしてまいりたいと思いますので、引き続き委員各位の御協力をお願い申し上げまして、自民党の意見発表といたします。  ありがとうございました。

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