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近藤昭一 ·立憲民主党・無所属

衆議院憲法審査会(2024-04-11)での発言

第213回国会 ·第第2号号 ·1,707字
○近藤(昭)委員 おはようございます。立憲民主党の近藤昭一でございます。  私からは、地方自治法改正案が閣議決定され、三月一日、国会に提出されました、このことについて申し述べたいと思います。  この法案については総務委員会でしっかりと議論されるものと思っておりますけれども、私は、憲法九十二条に定めた地方自治の保障の観点から、国会法百二条の六に規定されているこの審査会の目的のうち、日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制について広範かつ総合的に調査を行うことに関連した問題と考えて発言をさせていただくわけであります。  そもそも、日本国憲法に、大日本帝国憲法には定めのなかった地方自治の制度の規定を設け、これを保障した意義は、第一に、中央政府から独立した地方公共団体が地方の事務を処理することによって強大な中央政府の権限を抑制すること、第二に、地域の特性に応じて処理されるべき事務は、そこに居住し、生活する住民の意思に基づいて決定し、住民の権利を保障することと言われています。前者が地方自治の分権的側面を示す団体自治であり、後者が地方自治の民主主義的側面を示す住民自治であります。こうした意義をよりよく果たしていくために重要なことは、強大な中央政府と地方自治体が対等、平等な関係に立つことであります。  ところが、今回の地方自治法の改正案は、強大な中央政府の権限をより強大にし、中央政府と地方自治体との関係に上下関係を持ち込むことになるのではないかという危惧を抱かざるを得ません。  具体的に地方自治法改正案の条文を見ていきたいと思います。改正の中心は、第十四章、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態における国と地方公共団体との関係等の特例を新設することであります。二百五十二条の二十六の三から二百五十二条の二十六の十まででありますけれども、いずれも、大規模な災害、感染症の蔓延その他その及ぼす被害の程度においてこれらに類する国民の安全に重大な影響を及ぼす事態が発生し、又は発生するおそれがある場合に適用されるわけであります。  災害や感染症に限らず、その他に適用もされるものでありますけれども、適用される事由は無制限であります。戦争や内乱なども含まれるわけでありましょう。また、被害の程度が国民の安全に重大な影響を及ぼす事態というのは、一般抽象的で、恣意的運用の可能性が大であります。しかも、そのおそれがある場合、つまり、現実の被害が生じていなくても適用され、運用の恣意性は無制限に膨らむのではないでしょうか。  こうした恣意的運用の危険が大きい、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態に生じる法律効果は、国が地方公共団体に対し、必要な措置を講ずる指示ができる二百五十二条の二十六の四、五というものであります。この必要な措置の指示にも限定、制約がありません。  しかも、以上の第十四章の規定は現行法の特例として新設されるもので、新設される指示、ただし、これは法定事務に限られるわけであります、二百四十五の七であります、への地方公共団体の義務違反に基づいて代執行、これは二百四十五の八でありますが、のできる範囲も大きく広がるものではないでしょうか。  以上、見てまいりましたように、地方自治法改正案は、適用事由、要件、国に与える権限、いずれについても具体的、客観的な制約がなく、地方自治体に対する国の指示権を無制限に認めるもので、国と地方自治体の関係を大きく変容させ、憲法九十二条の地方自治権の保障を壊しかねない重大な問題をはらんでいます。また、立憲主義の見地からも到底容認できるものではありません。  玉城沖縄県知事は、代執行の乱発を招くものではないかと懸念を示し、元鳥取県知事の片山善博氏は、時代を逆行するものと断じ、日本弁護士連合会は、地方自治法改正案の原案となった答申に反対する立場から意見書を提出し、国の指示権を認める法改正案文の削除等を求める会長声明を発表しています。  第九十二条、地方自治体の本旨の原点に立ち返った真摯な調査と検討が必要だと思っております。  以上です。

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