○大島委員 立憲民主党、大島です。
私の意見であり、会派を代表しての意見ではありません。
米国による対ウクライナ追加支援は、二〇二三年十月十九日に大統領が六百十億ドルを含む一括予算を議会に要求してから六か月後の二〇二四年四月二十三日夜にようやく決まりました。
米国大統領は、閣僚、最高裁判所判事等の指名、任命権、条約の締結権、連邦議会の上下院を通過した法案の拒否権のほか、米軍の最高司令官としての指揮権を持っています。
ところが、大統領には、予算関連法案を含めて、法案を提出する権限はありません。法案提出権限は連邦議会の上下両院議員だけにしかなく、大統領は、年次教書演説を通して、上下両院議員に大統領の方針に沿った法案を提出するように促すことができるだけなのです。法案の拒否権も、上下両院が三分の二の多数で再可決、再度可決した場合、覆されてしまいます。また、条約の批准や閣僚、最高裁判所判事等の任命に当たり、上院の助言と承認を得る必要があります。
それでも、米国大統領は最高司令官として世界最強の米軍を自由に動かせる指揮権を持っていることから、他国からは強い指導者と映るのでしょう。
一方、我が国はどうでしょうか。一九九四年の政治改革で、小選挙区制と、政党運営を国費によって賄う政党助成金制度が導入されたことによって、候補者の公認権と党の資金の配分権が派閥や労働組合から党執行部に移りました。会社もそうですが、金と人事を握ることが組織を掌握する要諦です。特に政権与党の場合、党執行部のトップが首相なので、党、つまり与党議員に対して強いリーダーシップを発揮できるようになりました。
次が、二〇〇一年に官邸に直属する内閣府が設置されたことです。内閣府には、複数の省庁が関係する問題に対して、各省庁よりも一段高い立場から政策の企画立案、総合調整を行うという権限が与えられました。その目的であった、いわゆる縦割り行政の弊害は確かに緩和されたものの、一方で、首相官邸による政治主導も実質的により強化されたのです。
最後が、二〇一四年に内閣官房に内閣人事局が設けられたことです。従来は実質的に各府省内でその幹部の人事を決めていましたが、首相官邸が省庁の幹部人事を直接動かせるようになりました。内閣人事局の設置は、日本政治における静かな革命とも言われています。
日本の首相の権限の強さは、米国大統領以上と思えます。もっとも、ここまでならば、政治主導という点で肯定されるでしょう。日進月歩で先端技術が発展し、国際環境も大きく変わってきた今日においては、政治が迅速に意思決定をしていくことは当然でもあります。
しかし、首相の権限が強くなったからこそ、政府を監視し、国民の権利を守る議会としての権能強化も必要になってきたと言えます。一連の政治改革で強くなった首相の権力を牽制するために、首相の解散権を制限することも必要ではないかと思うのです。
衆議院では、内閣不信任決議案が可決されると、首相は解散か内閣総辞職のどちらかを選ぶことになります。この場合の解散は、首相の恣意的な判断での解散ではありません。
ところが、現実には、憲法七条で、内閣の助言と承認により天皇が行う国事行為の一つとして、衆議院を解散することができます。この規定を見直して、衆議院の自律解散という考え方が成り立ち得るのではないかと考えます。衆議院議員の一定割合、例えば三分の二あるいは過半数の賛成で自律的に解散できる制度を導入するということです。
首相の解散権を限定して、衆議院自らが解散権を持つことは、立法府と行政府との関係を質的に変化させます。立法府の権能が強化され、政府への監視機能が強まり、国民の権利を守ることにつながると考えます。
衆議院自らが解散権を持つことは、立法府と行政府との関係を質的に変化させます。
以上です。ありがとうございました。
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