SEISAKU DB トップ
SEISAKU DB
内田智也 ·有限会社内田農場代表取締役

衆議院農林水産委員会(2024-04-17)での発言

第213回国会 ·第第10号号 ·4,706字
○内田智也君 こんにちは。本日は、お招きありがとうございます。  熊本県阿蘇市から参りました、農業生産法人有限会社内田農場の代表取締役、内田智也と申します。本日はよろしくお願いいたします。  私は、先生方と違って、難しい話はちょっと分かりませんので、農業をしている立場から、やっていること、また、その中で課題、要望というふうにお伝えできればなと思っております。  私は、大学を卒業して、先代になります父親が会社を、農場を法人化しておりましたので、就農という形ではなくて、履歴書を持っておやじに入社をさせていただきました。所在地は熊本県阿蘇市内牧、今、TSMCの進出、JASMの進出で大変にぎわっております、坂本大臣のお膝元、菊陽町、大津町から約三十キロ、山に登りまして、阿蘇カルデラ、阿蘇神社があるところでございます。今は台湾、韓国からのインバウンドのお客様が大変多く訪れておりまして、阿蘇の人口よりも多いんじゃないかと思うようなところで農業をしております。  設立は、今期で二十九期目を迎えましたけれども、先代である父親がその前は養豚を高校から営んでおりまして、水害で豚舎が全部流されて、再建を考えていたところ、今後、阿蘇市の農地を誰が担っていくのか、高齢化する中で誰が受皿となっていくのかというものを考えまして、養豚業から土地利用型の農業に転換したと聞いております。  資本金は五百九十万となっておりますが、半分以下の四九%をアグリビジネス投資育成会社から投資をいただいております。  事業内容としまして、経営、賃借を含めまして、約七十ヘクタールの阿蘇の圃場で、米の生産、販売、大豆、麦の契約栽培、そして今、非常に注目されております餌用子実トウモロコシの栽培にチャレンジしております。そして、阿蘇の農家様の農作業のお手伝い、農作業受委託、そして、冬場は、自分たちの圃場を、業者ではなく自分たちで行う暗渠排水事業であったり、農業土木というものを弊社で事業として行っております。  すごくすばらしい経営をしているわけではないんですけれども、特色としまして、阿蘇の風土を生かした耕畜連携による有機物循環農業の確立ということで、米作り、農産物の我々のテーマ、哲学としまして、阿蘇で、阿蘇のものを使って、阿蘇の人でお米を作るということを掲げておりますので、阿蘇にたくさん、畜産、酪農も盛んでございますので、我々から出る稲わら、もみ殻等の粗飼料を畜産農家さんに回して、そこから出る完熟した堆肥を全圃場に還元してあげるという耕畜連携の有機物循環農法を先代より長くしておるおかげで、昨今の肥料、農薬の高騰に対しましてもそこまで大きく影響を受けずに、阿蘇の地の利を生かした米作りをさせていただいております。  そして、先ほど申しました、国庫事業による圃場の大区画整備ではなく、自社の機械を用いた、自社の圃場整備拡大を自社で行っております。お客様から約三百筆の圃場を今お預かりしておるんですけれども、もちろん了解を得て畦畔を一本、二本抜かせていただいて、今、約半分の百四十筆まで圃場を集約、大区画化をさせていただいております。その中でも、先ほど申しました、やはり中山間地の問題であったりとか、阿蘇は湖の下にあった地区なので非常にぬかる湿田が多くございますので、なかなか条件的に難しい圃場はあります。  そしてもう一つは、圃場管理のスマート化。三百筆圃場がございますと、新しく入った社員ではなくても、我々でも、どこに何を作付して、誰がいつ何を作業したのかというものが分からなくなってきておりますので、昨今、最近多い圃場管理システム等を用いまして、タブレット端末一つで、どこで誰が何を作業しているか、また、お客様に対して、トレーサビリティーとして何をいつ施用しましたというものが分かるシステムを導入している。  そして、栽培管理のスマート化として、以前はベンチャーであったりとかアメリカ・アップル社と田んぼ一枚一枚にセンサーをつけておったんですけれども、見栄えはいいんですけれども、余り土地利用型との親和性がよくないので、今は、全農さんが取り扱っていますBASF社の人工衛星から圃場管理ができるザルビオというシステムを使いながら、上から、面で、圃場の地力のばらつきあたりを確認しながら作業に取り組んでおります。  やはりこういったスマート農機、スマート農業というものは、見栄えはよいですけれども、さっきから申している、いい機械であっても一〇〇%使っていけていない実態がございますので、まずはしっかり圃場を集積して圃場を大きくすること、そうすることで、そういったロボティクスだったり自動運転だったりとか、センサーというものが生きてくるのかなと思います。  スマート農業というのは、若い人の機械、機器だけではなくて、我々のおやじたち世代の高齢者であっても力仕事を負担なく快適に作業できること、そして、八尋さんがおっしゃいましたけれども、障害を持った方でも我々と一緒に米作りができるような世の中にするためのデバイスだと思っておりますので、目的になってしまっているのが非常に残念だなと思いますので、あくまで手段としてスマート農機の導入を、入れることを我々も肝に銘じております。  そしてもう一つ、我々の特徴でもございます受注生産販売方式を取り入れたお米の多品種栽培と作期分散です。  以前は、私が入社した頃は、地域のライスセンターも担っておりますので、朝五時頃、おやじともみすりをして、日中、稲刈りに行って、また帰ってもみすりをするという仕事を毎日続けておりましたけれども、人を雇う中、また、若い人が入ってくる産業の中で、なかなかこれでは難しいということで、いろいろな作物への転換も考えましたけれども、阿蘇地区というのは年間約三千ミリの大雨が降るところでございますので、なかなか水稲以外の作付が難しい。  その中で、高冷地を生かしたコシヒカリの栽培が盛んであったんですけれども、我々は、自社の品種は、九月中に収穫する品種じゃなくて、十月、十一月まで延ばすことで、お客様の受入れもできる、そして機械の稼働率、そして気候による作期分散をしようということで、現在は、水稲約十五品種、リスクも多いんですけれども、米しかありませんので、米でどうやって飯を食うかということで、稼働率を高く、長くするような経営にしております。  以前は、大手牛丼チェーン、大手コンビニさんと業務用米の取引をしておったんですけれども、やはり市場価格であったりとか、契約栽培という名の向こうの言い値、相場というものがございますので、これは私じゃなくてもいいなということで、自分にしかできない、阿蘇でしか作れないお米を我々は作りたいなということで、現在は、日本、海外も含めまして、三十社の日本酒の蔵元さんと醸造用玄米、酒米の取引を、約九割、行っております。  そしてもう一つ、お米は非常に時間がかかる、非常に大変というイメージも持たれがちですけれども、多くなる耕作面積を受ける中で、やはり田植だけではなかなか先々立ち行かないなということで、直播、種もみをそのまま田んぼにまく、麦と同じような栽培方法、乾いた田んぼに種を直接まく乾田直播という畑作技術を取り入れまして、田植が五月連休から始まるのであれば、三月、そしてまた今頃の時期に作期分散として種もみを田んぼにまいておくという方式を取り入れております。  その中で、私ども至らない経営者はたくさん課題を抱えておるんですけれども、経営的な課題に関しては改善を繰り返すしかないと思っております。ただ、なかなか我々の努力だけでは解決できない課題というものに農地という問題がございます。  弊社は、現在、約百数名の地権者と農地の賃借契約を結んでおります。農地中間管理機構、農地バンクというものを通して、地主さんと我々が直接やるのではなくて、間に第三者機関、農地中間管理機構を通して事務的な支払い、契約等を結んでおりますし、それが令和七年以降、国も全面移行というふうになっておりますが、半分近く、四〇%は農業委員会を通す契約であったりとか相対の契約になっております。  当然、全面移行させたいんですけれども、農地の相続が行われていないケースが非常に多くて、苦戦を強いられております。それはやはり、地主さんがこちらにいらっしゃって、生きている場合は、印鑑であったりとか相続の問題もクリアしてまた賃借契約は結べるんですが、我々のお借りしている地権者さんの半分以上は、もうこちらに、阿蘇地区にいらっしゃらない方が多かったり、また、その御子息をたどっていっても、じいさん、ひいじいさんの名前のまま、山林、田畑、相続されていないケースが多いので、宙ぶらりんというか、我々がそれを全部事務的な、印鑑をもらいに行くのも非常に困難ですので、なかなか借りたくても借りられないというケースと、もう一つは、賃料の交渉です。  農地中間管理機構は、事務的な手続はしていただけるんですけれども、一番我々がしていただきたい、地権者さんとの賃料であったり条件の交渉は一切行いませんので、我々も、物件に対してお金を支払うという形でいっておりますので、条件が悪い圃場であったりとか先代から借りている非常に高額な賃借料の部分を交渉に参るんですけれども、下げてくれといって、喜んで下げてくれる地権者さんはいらっしゃらないので、そこの地域的な関係性であったりとか今まで行ってきた取引をまた見直すというのは、なかなか我々個人の努力では難しく感じております。  以上のことから、相続されていない農地や、また相対での賃料交渉など、非常に我々のような受け手に過大な労力がかかっておりまして、本来であれば行うべき生産管理活動になかなか専念できていない現状がございます。  要望としましては、管理機構に人員、今、阿蘇市でも、約五千五百ヘクタールを一人の事務員さんで管理機構は担っておりますので、非常に膨大な仕事量であったり、先ほど申した賃料交渉にしても、権限等がございませんので、なかなか直接管理機構から交渉を持ちかけるのが難しい。そして、地権者がどんどん減少している中で、全国でも、地域の用水路など、共同作業等が非常に困難になってきております。  我々のような受け手になる耕作者に全て負担が行かないよう、そういった中で、業者さんに委託する仕組みだったりとか予算をお願いしたいですし、五年水張りが決まりましたけれども、農地も、水を張ることを前提とすることではなく、地域性であったりとか取引による経営判断で作物を選択できるよう、農地も農業者によってカスタマイズが求められていると思います。  国庫事業で行うような用水、パイプラインを前提とした大規模な圃場整備を我々はお願いしたいわけではなくて、自社で施工できるようなちっちゃい圃場整備にも御支援をいただきたいなと思っております。  やはり我々のような土地利用型経営も、水田だけではなく、何筆も何筆も合筆して、少し勾配をつけたりとか、畑作に転換している農家も非常に多くあります。  昨今、危機感や悲壮感が叫ばれる農業界ですが、やはり我々の子供たちが夢を持って志す、わくわくするような産業にしていきたいと思いますので、今後とも御指導、御支援のほど、よろしくお願いいたします。  以上です。

内田智也 の他の発言

2024-04-17 · 衆議院農林水産委員会
○内田智也君 私の周りでは、畜産にしても施設園芸にしても、非常にチャレンジングな経営をされている経営者が多いなと思います。  やはりお米に関しては、先代、地域がずっとやっていたこ…
2024-04-17 · 衆議院農林水産委員会
○内田智也君 鹿児島県もそうだと思うんですけれども、畜産であったり施設園芸の経営者というのは、非常に若い方が多いんですよ。今先生が言われた、六十何歳以上、そして日本の農業の問題点の…
2024-04-17 · 衆議院農林水産委員会
○内田智也君 私は、地域性があって、地域で手に入りやすい野菜があれば、それでいいかなと思います。  決してオーガニック給食等々に反対しているわけではないですけれども、まずは必要な…
2024-04-17 · 衆議院農林水産委員会
○内田智也君 おっしゃるとおりですね。  おっしゃるとおりですし、苦戦されている方というのは、やはり条件的不利、先ほど八尋社長が言われたとおり、ちっちゃい圃場、中山間地。我々のよ…
2024-04-17 · 衆議院農林水産委員会
○内田智也君 私も農業高校出身ですので。  そうですね、以前、先ほど話に出てきましたけれども、多収米もかなり多く手がけておりました。それは、なぜ多収米を植えたかというと、牛丼に合…
2024-04-17 · 衆議院農林水産委員会
○内田智也君 野間先生、大変言葉が悪くて申し訳ないですけれども、やはり旧民主党の戸別所得補償はいろいろと功罪があると思います。やはり本来集まるべき担い手に農地が集まらなかったり、ま…
2024-04-17 · 衆議院農林水産委員会
○内田智也君 やりたかったらやればいいし、やりたくなければいいんじゃないかなと思います。  うちも一人現場におりますけれども、八尋社長の言われるとおり、昔ほど米作りにおいても力仕…
2024-04-17 · 衆議院農林水産委員会
○内田智也君 これは難しい問題だと思います。  ただ、委員言われるとおり、なぜ稲作にここまでこだわるのかとは思います。だって、米は余っているので。もっと大豆であったりトウモロコシ…

API / MCP 利用

国立国会図書館 国会会議録 API を構造化

REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=内田智也
MCP: search_diet_speeches(speaker="内田智也")