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長友慎治 ·国民民主党・無所属クラブ

衆議院農林水産委員会(2024-05-29)での発言

第213回国会 ·第第18号号 ·3,196字
○長友委員 ありがとうございます。  農業の担い手を育てる役割を持っているはずの農業の教育現場で、実績として今答弁いただいたとおりになっているんですが、果たして狙いどおりの就農率なのかというところが私は問題になってくるんじゃないかというふうに思います。  ある就職活動支援を行う企業のウェブサイトに、東京農業大学の教授のインタビュー記事が掲載されています。東京農業大学生物産業学部自然資源経営学科の小川繁幸准教授がインタビューに答えて、このようにお話をされているんですね。  これは二〇二三年に公開された記事になりますけれども、このように話されています。  かつて農業系のキャリアといえば、農家になるかJAのような農業団体に就職する人が多かったと思いますが、今はその選択肢はかなり広がっています。それは農業の領域が多様化していることも要因の一つかと思います。なお、農業の総合大学として自負している本学、東京農業大学のことですけれども、研究分野も多岐にわたり、学生の就職先の業界も多様です。その結果、今や農業分野への就職率は全体の五・二%で、うち昨年度の就農者は全体の三%。そのほとんどが企業内で農業関連の職に就いた人で、農家として就農した人は僅か〇・二%でした。  このように明確に答えていらっしゃいます。  その原因を分析されているんです。  今の学生はほとんどが非農家出身です。かつて東京農業大学の学生は農家の後継ぎが多かったかもしれませんが、昨今は、高齢化や人口減少で地域が疲弊し、地方の農業は厳しい状況に置かれています。そのような中で、農家は自らの子供に農業をやってほしくないと思っているのではないでしょうか。それゆえ、農家の後継ぎが農家になるという傾向は少なくなってきているのではないかと思います。  私自身、元々は兼業農家の後継ぎでしたが、父が農家にはならない方がいいよと言っていたことを思い出します。結果的に、私が高校生のときに父と母は離農することになり、私も大学進学を考える頃には非農家出身でした。  こういうふうに小川先生が答えていらっしゃって、さらに、こういうことをおっしゃっています。  東京農業大学の学生は、どんなモチベーションで入学してくるのか。  農家の子供が農業系以外の進路を選択する傾向にある一方、非農家の学生たちは、自然との関わりに関心があり、田舎暮らしができる、家畜と触れ合えるなど、農業に対して漠然としたよいイメージを持って入学してきます。また、Z世代と言われる今の学生たちは、自然との共存や持続可能な社会を重視する価値観が根づいており、社会貢献意識が非常に高いのが特徴です。食を支えている農業が社会的に大切だという認識も強くあります。そのため、担い手不足を何とかしたい、地域を活性化したいなど、それぞれの課題感と解決に向けたアプローチの方向性を定めて学科を選択しています。  ゆえに、今の学生は農業に対して関心があり、問題意識もある。しかし、学生たちの多くは、自分が農家になって主体的にその課題を解決したいわけではありません。農家が大変だという現実を知っているからでしょうか、農業を応援する立場を選択する学生が多いように思います。  こういうふうに答えているんですね。  就農希望の学生はいないのかということを質問したところ、こういう答えが出ています。  中には初めから就農を希望している学生も僅かにいますが、農家になるために必要なことは卒業までに学べるかというと、カリキュラム上、難しいのが現実です。大学では、作物の生産に関わる点だけ見ても、土壌学や作物学など専門領域が細分化されています。専門分野については詳しいけれども、野菜を一から育てることはできない、育て方が分からないという学生がほとんどです。  ほとんどですと言い切っていらっしゃいます。  研究してきたことを生かせる仕事に就こうとすると、農業系といっても農家ではなく、土壌学や作物学であれば、学生のキャリアビジョンとしては、肥料会社や育苗会社など、企業への就職が現実的になるのです。  また、昨今は、直販や六次産業化、多角経営など、農業の在り方も多様化しています。農家には、作物生産のプロフェッショナルとしてだけでなく、ゼネラリストでありアントレプレナーとしての資質も求められる時代になってきました。栽培に関する理系的な知識にとどまらず、経営や販売など文系的な知識まで幅広く学ぶ必要があります。しかし、今の大学では入学時点で文系か理系かを選択しなければならず、それらを網羅的に学ぶことが難しい仕組みになっています。  東京農業大学は、「人物を畑に還す」ということを理念に掲げて、農業人材や地域社会の担い手を育て、地域に還元することを目指してきました。各県にある農業高校も、元々は同様の目的でつくられたものですが、残念ながら、現在、多くの学校がその機能を果たせていません。  現場の先生として、はっきりと認識を持っていらっしゃるんですね。  では、農業高校はどのような状況にあるんですかという質問に対して、こう答えていらっしゃいます。  農業高校においては、高校の先生方にお話をお伺いすると、そもそも農業に関心のある生徒が半分に満たず、就農希望者に至っては毎年一人か二人というのが現実だそうです。時代の流れの中で、農業だけでは学生が集まらなくなり、食や環境など関連する領域へと間口を広げた結果、本来の農業高校のミッションは薄れてしまいました。少子化によって総合高校と統合する学校も増え、農業科としての授業時間が削られているという現状もあります。現在の農業高校の多くは、農業を教えるというより、農業というツールを使って子供たちを成長させることを目的にしています。教育としてはすばらしいのですが、それでは農家の育成、輩出にはつながりません。  学生が農家としてのキャリアを描く上でも、就農希望者が農地取得や経営計画作りなど学校ではカバーし切れない実務的なことを学ぶ上でも、地域の先輩農家に教育者としての役割を担ってもらう必要があると考えています。人、金、物が集まりづらい地方で、どのようにビジネスとして農業を営んでいくのか、自らモデルとなって新規就農者を導いていける農家を増やしていかなければいけません。  こういうふうに答えていただいているわけですけれども、現場の先生たちの実感ですよ。これが現場のリアルなんだと思うんですけれども、農業高校がそういう現状であるということなんですね。  こうもお話をされているんですね。  起業家、アントレプレナーとしての農家を育てるには、最低五年はかかると考えています。習得すべき領域も幅広く、大学だけでは完結しません。高校、大学、地域の農家などが垣根を超えて連携しながら、キャリア教育から実務教育まで、人材を育てる長期的な支援の仕組みをつくっていくことが大切なのではないでしょうか。  つまり、既存の農業高校では農家を輩出できませんよ、農業大学でも、東京農業大学がそうなんですから、農家を輩出することはできませんというふうに先生がおっしゃっているんですね。  では、どうすればいいのかということになってくるんですね。  私は、この委員会で、高専の生徒さんたちが農業の課題解決に頑張っていただいているという話を、実例を紹介させていただきました。  理系の高専はたくさんあるんですが、農業の高等専門学校、高専をつくれば就農率が上がるんじゃないか、そういう可能性が期待できるんじゃないかというふうに考えてみるわけですが、農業の高専をつくるということはこれまで検討されたことがあるのか、農水省に伺います。

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