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尾身朝子 ·自由民主党・無所属の会

衆議院文部科学委員会(2024-05-15)での発言

第213回国会 ·第第6号号 ·1,216字
○尾身委員 おはようございます。自由民主党の尾身朝子です。  本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。  今から三十八年前、昭和六十一年、私は大学を卒業し、社会に出ました。その当時は、博士といえば、大学に残り、研究生活に一生をささげる人という考え方が一般的であり、特別な一握りの学者というイメージでした。  それから四十年近くが経過した現在、博士号はもはや特別なものではなく、あたかもパスポートのように必須のものとなっています。これは学究の場のみならず、企業活動においても、海外では企業のCTOは博士号取得が当たり前であり、CEOですら博士を持たずしては会議の場などで対等に渡り合えないと聞いています。  私自身も様々な国際会議に参加しましたが、毎回、名刺交換の際に、博士号を持っていないことに気後れしていました。また、国際機関の役員に日本人が応募したとしても、博士号がないことにより書類選考ではじかれてしまう事例があると聞いています。  博士号を授与した教育機関ごとに内容に濃淡があることは承知していますが、どこで取得しても博士号は博士号、持っていること自体に意味があるのです。国際社会においてパスポートとも言えるこの博士号を持っていないことで引け目を感じるのは、私たちの世代で終わりにしたいと考えています。  私は、機会を捉えて、研究所の研究者など、様々な科学技術分野の皆様と意見交換をしています。その中で、なぜ博士課程に進まなかったのかとの問いに対して、博士号取得後のキャリアの先が見えない、メリットが感じられないなどの答えが多く聞かれました。また、海外の研究者と博士の数を増やすにはどうしたらよいかについて議論すると、彼らは、博士課程に進むことを仕事と捉え、そのサポート方法を考えなければ数は増えないと断言しました。これからは、学部卒業時の進路選択の一つとして、他の選択肢と同様な条件で博士課程が存在すること、これが必要なのです。  第六期科学技術・イノベーション基本計画には、二〇二五年度までに、生活費相当額を受給する博士後期課程学生を従来の三倍に増加することが挙げられています。しかしながら、生活費相当額とは、実際には月額十五万円程度にしかすぎません。また、人数的にも、従来の三倍といいながら、受給対象の博士後期課程学生総在籍者数約七万五千人のうち、たった三分の一弱をカバーするにすぎません。これで果たして学部卒業生が安心して研究生活に入る決断の後押しができるのでしょうか。  もちろん、博士課程修了後のキャリアパスも同様です。多様なキャリアパス構築に向けて、産学官協働の取組を加速する必要があると考えます。  ここで、文科省に伺います。  文科省として、博士課程に進む学生たちが不安なく研究者の道を選ぶことができるように将来の展望を示すこと、これについて文科省の取組をお聞かせください。

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