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佐野和夫 ·宮城県農業協同組合中央会代表理事会長

衆議院法務委員会(2024-05-14)での発言

第213回国会 ·第第18号号 ·3,472字
○佐野和夫君 JA宮城中央会の佐野でございます。  ちょっと喉を痛めておりますので、たまに聞きづらい点があろうかと思いますけれども、その点は御容赦願いたいと思います。  本日は、このような場で発言する機会をいただきまして、大変感謝を申し上げる次第であります。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  外国人技能実習制度及び特定技能制度については、本県の農業現場においても、技能実習制度では人材育成における国際貢献に資するとともに、特定技能制度では農業現場における一定の労働力の確保に資する等、両制度の趣旨、目的に沿った形で幅広く活用されているものと認識いたしております。  本県の外国人労働者数は、宮城労働局、外国人雇用状況の届出状況まとめ、今年の一月二十六日付のプレスリリースでは、五年十月末現在で一万六千五百八十六人、前年度と比較して一二・二%程度増加いたしております。うち農業における外国人材は二百四十三名と、他業種と比較すれば多くない状況です。耕種、畜産関連農業法人での活用が主であると認識いたしております。とりわけ本県は、稲作、畑作、畜産が盛んな県でありまして、これまで以上の制度活用への期待と、改正法による農業の発展可能性についても大いに期待しているところであります。  今般、政府・与党においては、技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議最終報告を踏まえ、両制度の見直しに係る政府方針が示され、現在、国会で法案審議がなされているものと承知しているところであります。  こうした中で、今回の制度見直しが、私どもの農業、持続的農業生産に資する制度として確立されるよう、期待を込めて意見を申し上げさせていただきます。  新たな制度全般については、初めに、全世界的に労働者不足の長期化する中、国際的課題である人権尊重、人身取引の防止、強制労働の防止に対応し、農業のみならず、外国人材から日本が選ばれる人材育成、労働市場として、政府、各業界団体が一体となり取り組むことが必要だと感じております。このため、新たな制度においても、最大限人権に配慮されるよう、制度設計や運用の徹底を行うことが必要であると感じているところであります。  技能実習制度の見直しについては、制度目的が変わりますが、外国人材のキャリア実態等を踏まえ、新たな制度目的である人材育成、確保を実現できる制度体系とすることが必要であると考えます。また、特定技能制度の見直しについては、外国人材が求めるキャリアアップを図りながら、農業労働力の確保に資する制度体系とすることが必要だと思われます。  このため、JAグループとしては、外国人材に選ばれる農業の職場をつくるために努力をいたしますが、我々の力のみでは解決できない課題が多くあります。よって、新たな制度においては、これまで同様、国、地方自治体が主体的な責任をしっかり果たし、受け入れる外国人材と地域住民が安心して共生できる総合的環境づくりを行っていただくことが重要だと思っております。  例えば、国、自治体の役割では、行政サービスの多言語化の促進をさせて、交通、生活インフラなど外国人材の生活利便性の向上に取り組む必要があります。また、受入れ側だけに任せられがちな近隣住民との交流の場を行政側が創設していただくことも、安全、安心な共生社会に結びつくものと思っております。是非ともよろしくお願いをいたします。  監理団体、送り出し機関については、監理団体の許可要件等の厳格化に当たっては、早期に具体的な要件を明らかにするなど、現場の不安払拭に努める必要があると思われます。  また、送り出し機関については、入国を希望する受入れ側が優良な送り出し機関を比較検討しやすいよう一覧等の公開を行っていただき、送り出し機関の運営についても、二国間協定に基づき、外国人材に不利益が生じないよう、新たな制度においても必要な措置を講じる必要があると思います。  今回の制度改正によって、現行制度に基づく外国人材や監理団体、受入れ機関等に新たな負担が生じるなどの不利益が生じないような配慮をお願いをいたします。  転職の在り方についてでございますけれども、やむを得ない転職については、受入れ機関の信用に関わるため、転職理由の範囲を明確化し、事実認定は厳格化する必要があると思います。  受入れ初期費用の分担については、不公平が生じないよう、基準の明確化や実効性について十分な配慮が必要だと思われます。  国、地方自治体については、外国人材の方に日本語能力の向上をしていただくことが重要でありますので、外国人材本人及び受入れ側関係者の日本語能力の向上等の取組に係る負担軽減などの配慮が必要だと思われます。特に、国若しくは地方自治体が外国人材に対して必要な経済的給付を行うなどして、多くの外国人材に入国チャンスが広がるよう、日本語能力の向上について配慮する必要があると思われます。  また、入国後の日本語講習については、個人の能力差や勤務形態等の違いのほか、農村地域からの認定日本語教育機関への通学が困難であることなどの事由を生じることから、Eラーニングや双方向性のあるウェブ研修など、多様な教育手法が認められる制度体系を整備する必要が重要だと思われます。  失踪者対策を強化するため、失踪者と関係者の厳罰化、不法就労や不法滞在した者及び不適切な行為を助長した者への厳罰化、悪質ブローカーを排除する仕組みの構築が必要だと思われます。  また、年金制度の見直し検討を行う際には、外国人材に支給される脱退一時金の在り方について検討する必要があります。外国人材の労働者としての権利性を高めることに結びついていくものと思っております。  地域間、産業間格差については、均衡ある地域発展のため、まずは地域間及び産業間格差に配慮した制度体系となることを切にお願いしたいと思います。  農業は季節性などの産業特性に特徴があるため、勤務、雇用体系の検討に当たっては、在籍出向、農作業請負、派遣形態などの受入れを可能とする必要があると思われます。  また、新たな制度導入に当たり、外国人材のキャリア形態及び受入れ側関係者の経営指針が判断できるよう、十分な周知を図れる移行期間を確保することが必要と思われます。  最後に、県内の農業法人からの意見、要望についてでございますけれども、今回のお話をいただいてから、受入れ実績のある県内一農業法人代表に、制度改正に係る意見、要望の聞き取りを行いました。  今回の改正内容は、外国人就労の現場実態に合った法改正になっているため、基本的には賛成との所感でありました。また、今後想定される現場課題、要望として三点をいただきました。  一点目が、外国人実習生を就農させるまでの初期費用の負担についてです。  就農させるまで渡航費用、研修費用等の初期費用が発生している関係から、短期間での転籍が発生した場合、費用負担は転籍前の受入れ者、農業法人のみが全額負担することになるのは不合理ではないかという課題であります。  監理団体、組合の機能強化や費用負担軽減についてです。  外国人材の日常管理やトラブルの回避、人材更新、短期派遣等の適切な対応を図るためには、監理団体、組合の多面的な機能発揮、品質向上、信頼確保が欠かせないことから、その機能強化が必須であり、加えて、団体への会費、組合費についての負担軽減を講じてほしいとの要望であります。  生活環境整備についての支援であります。  外国人材の本人意思によって短期転籍が可能となることから、賃金条件のよい職場、受入先への転籍が起こり、賃金水準の比較的低い地方部においては、結果的に人材確保が困難な状況の懸念が想定されます。例えば、本県から茨城とか群馬県への転籍が考えられるということであります。  安定した雇用人材を希望していることもあり、この賃金格差による転籍を抑制する手段としては、生活面における環境対応、住宅の確保、自転車の貸与などが有効と思料されることから、地方、中小規模法人向けの生活環境整備に係る支援をお願いしたいというものであります。加えて、行政のしっかりとした関与を期待しておられました。  以上、私からの説明であります。  以上、終わりにいたします。よろしくお願いを申し上げます。(拍手)

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