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江藤拓 ·自由民主党・無所属の会

衆議院本会議(2024-03-26)での発言

第213回国会 ·第第14号号 ·2,950字
○江藤拓君 自由民主党・無所属の会の江藤拓でございます。  ただいま議題となりました食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案につきまして、会派を代表して質問させていただきます。(拍手)  まず冒頭に、本年一月に発災いたしました能登半島地震におきまして犠牲になられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、被災された皆様方に心よりお見舞いを申し上げます。  さて、この度、制定されてから二十五年が経過した食料・農業・農村基本法を改正することとなりました。  坂本大臣から、なぜ、今、食料・農業・農村基本法の改正が必要かということについては御説明をいただきました。  これに加えて、私からも、近年激変する日本を取り巻く食料安全保障の環境の変化について申し上げれば、ロシアのウクライナ侵略の際には、小麦や肥料、飼料などの価格が高騰し、国民は多大な影響を受け、生産現場も窮地に追い込まれました。また、中国では、習近平国家主席の下で、中国十四億人のための茶わんは常に私たちの手でしっかりと握られているようにする、そう高らかに宣言されました。これは、今や世界一の農林水産物の純輸入国となった中国が食料自給率一〇〇%を目指すということを意味しているのであります。  先月行われましたWTO閣僚会議でも、農業分野では、各国の意見が激しく対立をし、しかも、多くの国で保護主義的な姿勢が目立ち、全く合意に至りませんでした。まさに、今や食料が戦略物資になったということが明確になったわけであります。  こうした現状を踏まえ、私が会長を務める自民党総合農林政策調査会の下に、食料安全保障に関する検討委員会を設置し、党総務会長であられる森山裕先生に委員長をお願いし、さらに、三つの分科会を設け、主要テーマについて徹底的に議論を行い、現場の皆様の御意見もしっかりと聞かせていただいた上で、約一年半かけて作り上げたのが今回の改正基本法案であります。  ただいま坂本大臣からは、基本法改正のポイントは大きく三つあると御説明をいただきました。  まず第一に、食料安全保障の抜本的な強化を図る。これは、今回の改正の中でも最も重要な点であります。  これまで不測時の対応でしか規定されていなかった食料安全保障という言葉を、基本法の基本理念としてしっかりと位置づけ、国内で生産できるものはできる限り国内で生産する、そういう方針を明確にしています。  さらに、国民の皆様に持続的な食料供給を可能とするためには、再生産を可能とする合理的な価格の形成がどうしても必要となってまいります。  この点において、消費者の役割として、食料の持続的な供給に資するものの選択を通じて食料の持続的な供給に寄与する旨もしっかりと条文に書き込まれていることは、高く評価することができます。しかしながら、合理的な価格形成を基本法の条文に書いたからといって、直ちにそれが実現できるわけではもちろんありません。  そこで、総理と農林水産大臣にお伺いをいたします。  まずは、食料安全保障の確立の必要性への御認識、そのためには欠かせない合理的な価格の形成についての御見解を伺わせていただきます。  第二に、環境と調和の取れた産業への転換を挙げられました。  世界に目を向ければ、カーボンニュートラル、生物多様性など、農業分野においても例外ではなく、環境への対応が求められています。  環境と調和を図っていく必要性について、基本法における基本理念にしっかりと位置づけられました。環境との両立を図る上で、新たな技術の開発や、施策の更なる充実強化が課題となってまいりますが、坂本農林水産大臣の御見解をお伺いいたします。  第三に、生産水準の維持発展と地域コミュニティーの維持を挙げられました。  二〇〇八年をピークに我が国の人口は減少の局面に転じ、各産業において人材の獲得競争が激化いたしております。  こうした中で、より多くの若者に農業の魅力を感じてもらえるよう、省力化に資するスマート技術の導入や地域の特産品のブランド化、拡大する海外市場も視野に入れた輸出の促進なども更に進める必要があります。そして、生産者の方々がやりがいと希望、夢を持って働ける農業、農村を実現していく必要があると考えております。  基本法、これはあくまでも理念法であります。この理念を実現するためには、次に食料・農業・農村基本計画をしっかりと策定し、それに基づく制度設計、そしてそれに必要な予算、これを確保することが不可欠と考えておりますが、総理の御見解を伺います。  今まさに、日本の農政は大転換が求められているのであります。  岸田内閣においては、国を守るための安全保障、経済安全保障などに力を注いでおられますが、食料の安全保障も極めて大きな柱であります。  一方で、基幹的農業従事者は、現在百十六万人でありますが、平均年齢は六十八歳を超え、二十年後には約三十万人にまで減少してしまうのではないか、そういうおそれが指摘されております。極めて厳しい現状です。  この現状を踏まえて、重ねて申し上げますが、食料自給率の向上や食料安全保障の実現のためには、しっかりとした予算、これを確保して、強い生産基盤を確立し、そして人材を確保することが欠かせないのであります。  私ごとではありますが、私の次男は、六月には農業生産法人での修業を終え、地域の担い手となるべく、今、就農に向けて準備を進めております。  更に申し上げれば、ようやくデフレからの完全脱却も視野に入ってまいりました。先週、日銀も金融政策を転換いたしましたし、春闘第一次回答でも、五・二八%の賃上げという回答を得るに至りました。  しかし、これは従業員千人以上の大企業に限ったものであり、七割の方々は中小企業に勤めておられるわけでありますから、まさにこれからが景気回復に向けた正念場であります。  国民の皆様が物価高を超える賃上げを実感することができなければ、先ほど来申し上げている食料の持続的な供給のために必要な合理的な価格の形成、これはなかなか難しいと言わざるを得ません。国民の皆様が、国産の農産物を買って農家を応援しよう、そう思っていただいても、家計にゆとりがなければ、輸入品など、より安いものを選択せざるを得ないというのが現実であります。  総理は、先週、日本商工会議所の通常総会で、中小企業の持続的な賃上げについて、政策を総動員して後押しをする、そう述べられました。ここで改めて、物価上昇を上回る賃上げの実現に向けての総理の御決意を伺います。  食料・農業・農村基本法は、我が国の食料、農業、農村施策の基本的な方針を定めるものであります。いわば、農政の憲法であります。激動する国際情勢、国内の変化を踏まえた、時代にふさわしい基本法とせねばなりません。  我々自由民主党は、時代の変化を踏まえた責任ある農政の実現にこれからも全力で取り組んでまいることをお約束し、私の質問とさせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)     〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕

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