○国務大臣(坂本哲志君) 池畑浩太朗議員への答弁の前に、先ほどの江藤拓議員への農業における環境との両立の答弁について、答弁漏れがございましたので、追加で答弁させていただきます。
国内外において地球温暖化が進行する中、農林漁業、食品産業においても環境への負荷の低減を図ることは、待ったなしの重要な政策課題となっています。
このため、食料、農林水産業の生産力向上と持続性の両立に向けて、令和三年五月に、みどりの食料システム戦略を策定いたしました。また、今般の食料・農業・農村基本法の改正においても、食料供給が環境に負荷を与えている側面にも着目し、環境と調和の取れた食料システムの確立を柱として位置づけているところです。
これを実現するため、我が省では、みどりの食料システム戦略推進交付金を措置し、戦略の実現に必要な技術の開発、普及を推進するとともに、産地の環境負荷低減の取組を支援しているほか、生産段階の温室効果ガス削減の努力を分かりやすく表示する見える化の取組、販売収入も期待できるJクレジット制度の活用を進めているところです。
さらに、農林水産省の全ての補助事業等に対して、最低限行うべき環境負荷低減の取組の実践を義務化するクロスコンプライアンスを導入し、農林水産、食料事業者等の取組を促してまいります。
引き続き、環境と調和の取れた持続的な食料システムの実現に向け、関係者の理解と共同を得ながら、農林水産省一丸となって取り組んでまいります。
池畑浩太朗議員の御質問にお答えをいたします。
農業者、団体の役割についてのお尋ねがありました。
食料・農業・農村基本法改正案では、農業者や食品産業の事業者が基本理念の実現に主体的に取り組むよう努めると規定しており、これらの者が構成する団体についても基本理念の実現に主体的に取り組むこととなることから、その行う農業者、食品産業の事業者のための活動が、基本理念の実現に重要な役割を果たすものであることに鑑み、これらの活動に積極的に取り組むよう努めると規定しているところです。
農協については、農業者の団体であることから、前述の改正案の団体の規定が適用されるとともに、農協法において「農業所得の増大に最大限の配慮をしなければならない。」と規定されていることから、農産物の実需者への直接販売などの有利販売や輸出に向けた取組、生産資材の一括購入による有利調達や農業機械の機能の絞り込みによる価格の値下げなど、連合会とも連携しつつ、農業者の所得向上を図る自己改革の取組を実践していると承知しています。
政府としては、引き続き、農協の自己改革を後押ししていきたいと考えております。
基本法における新第二十六条の狙いについてのお尋ねがありました。
今後、我が国全体の人口減少に伴い、農業者の急速な減少が見込まれています。
こうした状況の中で、食料の安定供給を図るためには、担い手が農業生産の相当部分を担う望ましい農業構造の確立に向け、担い手である効率的かつ安定的な農業経営の育成、確保が必要であるとの考えに変わりはなく、現行基本法第二十一条は、改正案の第二十六条第一項としてそのまま維持しております。
今後とも、担い手が主体性と創意工夫を発揮した経営を展開できるよう、担い手への農地集積、集約化を進めつつ、経営所得安定対策、収入保険、出資や融資、税制などを通じた重点的な支援を通じ、担い手の育成、確保に取り組んでまいります。
一方で、担い手だけでは管理ができない農地が出てきている中で、担い手以外の多様な農業者に農地の保全管理を適切に行っていただく重要性が増しているところです。
このため、担い手以外の多様な農業者が地域における協議に基づき農地の保全を行っていく役割を、新第二十六条第二項に新たに位置づけたところです。
こうした取組を総合的に講ずることにより、農地の確保を図ってまいります。
不測の事態における措置についてのお尋ねがありました。
我が国の食料安全保障上のリスクが高まる中、食料供給が大幅に減少し、国民生活、国民経済への影響が生じる事態に備えるため、食料供給困難事態対策法案を今国会に提出したところです。
食料供給が大幅に不足する要因として、気候変動に伴う不作等による供給減少が挙げられますが、このような事態は数か月前から予測可能であり、供給不足の兆候を察知した早期の段階から供給確保のための対策を行うことが必要です。
このため、本法案において、兆候を察知した段階から政府対策本部を立ち上げ、予想される供給不足を解消するため、まずは事業者の自主的な取組を推進するよう、出荷、販売業者に対しては、買占めや売惜しみなどを行わないよう、在庫を計画的に市場に供給すること、輸入業者に対しては、既存の取引先との交渉や輸入先の多角化により必要な輸入量を確保すること、供給不足の解消時期が予見できない場合には、生産者に対して早期に国内生産を増やすことなどを要請するとともに、政府といたしましても、これらが円滑に推進するよう、必要な財政措置を講じていきたいと考えております。
次に、国産小麦の生産拡大についてのお尋ねがありました。
現在の食料・農業・農村基本計画において、小麦の生産努力目標として、令和十二年に生産量百八万トンを掲げています。
この目標に向けて、生産面では、基盤整備による汎用化、畑地化の推進と併せ、作付の団地化やブロックローテーション、スマート技術等の営農技術、新たな品種の開発導入、流通面では、安心して生産拡大していただけるよう、ストックセンターの整備など民間による調整保管機能の充実、消費面では、国産小麦を使った新商品の開発やマッチング、原材料切替え等に伴う機械、設備の導入等、生産から流通、消費に至るまで、一貫した支援に取り組んできました。
この結果、既に、令和三年産、五年産では、令和十二年度の目標を上回る百十万トンの生産を実現しており、作付面積についても、近年、堅調に増加しております。
我が国の食料安全保障の強化のためには、輸入依存度の高い小麦の更なる生産拡大など、国内の農業生産の増大を図っていくことが不可欠です。今国会で改正案が成立した暁には、これを踏まえて策定される次期基本計画で、これまでの生産状況を踏まえて、小麦の作付面積拡大に係る意欲的な目標を設定し、小麦の増産を図っていく考えです。
次に、日本産米、米加工品の輸出促進についてのお尋ねがありました。
日本産米の輸出に加え、付加価値のあるパック御飯や日本酒、米菓といった米加工品についても、米の輸出促進団体を中心としたオール・ジャパンでのプロモーション等を進めてきた結果、米やパック御飯、日本酒、米菓等の輸出額は、最近四年間で倍増しています。
さらに、日本産米の魅力をより効果的に訴求する観点から、エンタメの活用も有効であると考えており、例えば、現地メディアやインフルエンサーを呼んだ輸出事業者による日本産米PRイベントの支援を行うとともに、輸出促進団体による現地レストラン検索アプリ等を活用した日本産米使用店のPRも行われました。
引き続き、日本産米、米加工品の輸出拡大に向け、しっかりと取り組んでまいります。(拍手)
〔議長退席、副議長着席〕
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