○中谷一馬君 立憲民主党の中谷一馬です。
会派を代表して質問いたします。(拍手)
立憲民主党は、誰一人取り残されないデジタル社会というビジョンを掲げ、デジタル政策を推進するに当たっては、政府による国民の監視手段にしない、個人情報保護の徹底、セキュリティーの確保、利便性の向上、苦手な人も含め誰も取り残さず、使わない人が不利にならないという五原則の下、DXを進めます。
デジタル社会形成は、理想を突き詰めれば、自動的にあらゆるものの生産とサービスの提供がなされる社会につながり、様々な分野においてその発展が期待されます。
技術革新も速いスピード感で進展しており、みずほ銀行の産業調査では、二十六年後の二〇五〇年にはスマートフォンやパソコンを使っている人がゼロ%、いなくなると想定され、デジタル機能を搭載したスマートコンタクトレンズなどの新しい技術が主流になると報告されています。
コペルニクスが、天動説が主流の時期に地動説を唱えたときのように、物事の見方、価値観が百八十度転換するエポックメイキングは、いつの時代にも訪れます。こうした時代において、私たち未来をつくる政治家の役割は、無知の知、知らないことに気づき、日々の研さんを怠らず、十年後、二十年後はどういう時代かを推察しながら未来のスタンダードを構想し、国民が明日はもっとよりよくなると実感できる政策を実践することです。
そこで、まず伺いますが、二〇三〇年代、二〇四〇年代の近未来はどういったデジタル社会が形成されているという構想を持った上で、二〇二〇年代の今におけるデジタル政策を講じているのか、お示しください。
さて、ベースレジストリーの整備に関しては、社会活動の様々な場面で活用できる基盤となるデータベースを作成することが求められており、EBPMを推進する土台としても期待されていますが、政府は、国民からの信頼に足り得るベースレジストリーの整備をどのように行うのか、また、データの品質の確保に関し、政府が迅速かつ重点的に講ずべき施策を具体的にはどのように講じて運用を行うのか、見解をお示しください。
次に、スマートフォン用電子証明書のiPhoneへの搭載などについて伺います。
日本における現状のスマートフォンの個人保有割合は七七・三%。メイン利用率は、iPhoneが五〇%、アンドロイドが四九・七%です。すなわち、現時点で電子証明書をスマホ搭載できるのはアンドロイドの端末のみであり、メイン利用の半数を占めるiPhoneユーザーが利用できません。改善を進めるべきであると進言を続けていますが、政府からは、調整をしている、お待ちいただきたい旨の答弁が繰り返されるばかりで、いまだ実現には至りません。
そこで伺いますが、スマートフォン用電子証明書のiPhone搭載に関する交渉はいつから始めていますか。また、実現しない状況は、一体どういう理由からですか。
さらに、本改正案が成立した際には一年以内にカード代替電磁的記録のスマホ搭載が始まりますが、開始と同時にiPhoneユーザーも電子証明書、カード代替電磁的記録のスマホ搭載ができる状況となるのか、アンドロイドユーザーとの格差が生まれるのか、明確にお示しください。
そして、二〇二六年に導入予定の次期マイナンバーカードの発行時にも間に合わない可能性があり得るのか、明快にお答えください。
そして、マイナンバーカード機能のスマホ搭載や次期マイナンバーカードへの切替えに当たっては、利用する各機関及び利用者への影響を考えなければなりません。
医療機関など各利用機関等のカードリーダーで、カードサイズなら入るが、スマートフォンサイズだと入らない読み取り機はありますか。また、入るが、スマートフォンだと読み取れない機器はありますか。さらに、読み取りが困難になる場合、外づけのカードリーダーを設置する必要などが生じると考えますが、いかがですか。
それに加え、次期マイナンバーカードの新暗号に対応したソフトウェアの提供なども必要になりますが、政府は、これらの課題に対して、各利用機関等への継続的な支援策を具体的にはどのように講じ、どの程度の予算感を見据えているのか、詳細をお示しください。
次に、ジェンダーニュートラルなデータの管理と身元証明書の発行について伺います。
本改正案では、次期マイナンバーカードの導入に当たり、マイナンバーカードの電磁的記録事項として性別は残りますが、券面記載事項から性別を削除する方針とのことで、率直に評価します。
一方で、現在の住民基本台帳に登録されている性別は、男性、女性のツーパターンで管理されています。
しかしながら、アメリカでは、運転免許証などの身分証で性別欄の表示を、男性、女性のほかに、トランスジェンダーを表すXとする公共機関が増えていますし、ノンバイナリージェンダーの考え方を取り入れているカナダ、デンマーク、ドイツなど多くの国では、パスポート上にXの表記が可能です。世界的にも、データベースアプリケーションなどの情報システムでは、人の性別表記について、国際規格ISO5218が定められており、一は男性、二は女性、九は適用なし、〇は不明とし、性の多様性を当たり前に包容しています。
本件について、二〇二一年三月二十四日の衆議院内閣委員会において私から国務大臣に伺わせていただいた際、データの標準は国際標準に準拠することが非常に重要、各施策を検討する中で関係省庁と連携していく必要があるテーマと述べられていたものの、検討は進んでいません。
日本においても、性別の在り方については、ジェンダーニュートラルな発想で国際標準を捉えたデータの管理と身元証明書の発行に関して、関係省庁横断的に課題を整理し、実行することの検討を含めた議論を行っていただけませんか。見解を伺います。
次に、健康保険証の在り方について伺います。
二〇二四年三月のマイナ保険証の利用率は五・四七%であり、普及が進んでおらず、ピーク時の二〇二三年四月の六・三〇%より約一ポイント低い状況です。
広く普及している今の健康保険証を無理に廃止してマイナ保険証に置き換えるという壮大な無駄を進めるよりも、健康保険証を残した方が効率的ですし、健康保険証を二〇二四年の十二月に廃止することにこだわる必要は全くありません。
政府が本来行うべき政策は、利便性、効率性の向上に資するUXに優れたソリューションを提供し、結果としてマイナ保険証を誰もが自然に欲しくなる仕組みを構築することであり、健康保険証を強行廃止することではありません。
立憲民主党は、健康保険証の廃止を延期する法案を昨年国会に提出しています。一度立ち止まることは決して恥ずかしいことではありません。この法案に御賛同いただき、デジタルとアナログを併用しつつ、丁寧にデジタル社会の形成を進めませんか。見解を伺います。
次に、避難時のマイナンバーカードの取扱いについて伺います。
二〇二四年一月の能登半島地震を受け、河野大臣は、避難時にマイナンバーカードを持つように呼びかけました。
一方で、災害発生時は荷物を持たず命を持って逃げろというのが原則であり、災害リスク学専門の東京女子大学の広瀬弘忠名誉教授は、マイナカードを捜している間に津波が襲ったらどうするのか、河野氏の呼びかけは災害の危険を理解しておらず、誤ったメッセージになりかねないと危険視しています。
実際に、能登半島地震の避難者から、逃げるのに必死でマイナンバーカードを持ち出すどころではなかったという声がありますが、これらの状況を踏まえても、河野大臣は当該呼びかけが適当であったと考えていますか。さらに、四月十七日には豊後水道を震源とする地震が発生しましたが、今後も、避難する際にはマイナンバーカードも一緒にと呼びかけを続けますか。
また、こうした呼びかけを行うことよりも先に、例えば、マイナンバーカードを紛失した者に対しては即日再交付できる体制を整備するなど、被災者のニーズに寄り添った仕組みを導入する方が大切ではありませんか。河野大臣の見解を伺います。
次に、インターネット投票について伺います。
現在、マイナンバーカードは人口の約七三・五%が持っており、デジタルインフラが整いつつあります。
私は、インターネット投票の実現を一つのライフワークとしており、三年前の二〇二一年には、筆頭提出者として衆議院にインターネット投票導入推進法案を提出いたしました。ネット投票は、今の投票制度に不自由を感じている多くの人たちの不便を解消できると確信をしており、速やかに実現すべきと考えています。
二〇二二年の参議院選挙の際に行われたネット投票に関するアンケートでは、各党が実現に賛成と答えており、反対表明はありませんでした。
そうした中、国会でネット投票に関する質問を行うと、お決まり文句で、各党各会派で議論との答弁が返ってまいりますが、ネット投票法案は、国民民主党とも日本維新の会とも共同提出をしてきた経緯がありますので、与党がやると言えば、明日からでも実施に向けた具体的な検討を進めることができます。
本件を先月河野大臣に伺った際、自民党の中でもしかるべきタイミングで議論が始まると思いますし、公明党の方にもお話をしているところでございますとの答弁がありましたが、具体的にまだその動きは見えてまいりません。
そして、残念ながら、現状は自民党がボトルネックとなり、政治と金の問題は、実態解明は不十分、処分は甘い、改革案はいまだ出てこないなど、多くの政治改革が進んでおりません。
そこで伺いますが、河野大臣は、先月開催された民主主義ユースフェスティバルで、今やっている国会は今年の六月まで会期がありますから、そこの間にしっかり議論をしてもらう、この通常国会が間に合わなければ、秋に臨時国会が行われるなら、そこで法改正をやるということも最速できると発言していますが、今年中にはインターネット投票に関する自民党内の合意形成が行われ、少なくとも二%の方しか投票できていない在外有権者の投票環境を改善する在外インターネット投票を可能とする法改正を実現できる見込みはありますか。国会の場でも明快に御答弁ください。
本日質問した内容を政府がはぐらかし、実現に至らぬ場合には、政権交代を実現して、真の政治改革、デジタル改革を皆様とともに進め、新時代を切り開くことをお約束申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣河野太郎君登壇〕
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