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安宅建樹 ·石川県商工会議所連合会会頭

衆議院予算委員会(2024-02-21)での発言

第213回国会 ·第第12号号 ·3,888字
○安宅建樹君 石川県商工会議所連合会の安宅でございます。  衆議院予算委員会地方公聴会において、発言の機会をいただきました。本当にありがとうございます。  一月一日に発生した地震により被災されました多くの中小零細企業の皆さんの声を御参加の国会議員の先生方にお伝えし、一日も早い復旧復興ができますよう御支援をお願いいたしたいと思います。  そこで、まず第一点としましては、被災地域の産業の現状について少しお話をさせていただきます。  能登は、輪島塗に代表される伝統工芸、能登杜氏により受け継がれた酒造り、和倉温泉や朝市に代表される観光産業、さらには世界農業遺産、能登里山里海で知られる農業、漁業、またそれを基盤とする食品関連産業が営まれておりまして、過疎が進む地域ではありますが、伝統と自然に恵まれた心豊かな土地であります。  一次産業以外の業種について現状を申し上げますと、甚大な被害を受けた輪島市では、観光の名所である朝市通りにおいて、広範囲に及ぶ火災が発生しました。壊滅的な被害が発生したところでございます。発災から一か月半が過ぎまして、輪島朝市の灯を消してはいけないということで、金沢に避難している方々の一部の組合員が立ち上がりまして、金沢市の漁港地域の人々と連携して、イベント形式の朝市を開催するというような計画も進んでおります。  また、世界に誇る伝統工芸輪島塗につきましても、朝市の火災によりまして輪島漆器商業協同組合の十三社が焼失するなど、工房、設備、木地、漆など原材料の破損により、事業継続が極めて難しい状況にあります。しかしながら、最近では、若手が中心になりまして、事業再建のための支援金募集あるいはクラウドファンディングというものを立ち上げて、復活に向けて少しずつ取組が進んでおるところでございます。  また、奥能登の酒造メーカー十一社は、全ての酒蔵や店舗が全壊、半壊の被害を受けておりまして、今期の酒造りは厳しいと聞いておりますし、来年以降も非常に厳しいことだということを聞いております。そういう中でも、一部被害を逃れた蔵の酒の商品化、あるいは金沢の酒造メーカーが協力して新商品を出したいというような動きも出ておるところでございます。  また、本県観光の拠点であります和倉温泉は、本当に全館が被災しておりまして、私も現場を見てきましたけれども、なかなか建物の被災状況というのは厳しいものがあります。今ほど杉野会頭からもいろいろお話がありました。本当に、和倉温泉は能登振興にとって不可欠なものであるということは、みんなが認識していることだと思います。そのためには巨額の資金が必要なことは明らかでありまして、特段の支援が必要だと思います。地元自治体だけではなくて、ここは国が中心になって強力な支援をお願いしないと、和倉温泉の復興はあり得ないというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  また、杉野さんもそうですけれども、食品製造業も能登の大変重要な基幹産業でございます。製造ラインの損壊、断水の影響も非常に大きいところでございます。また、食品関係は、大手に加えて、小さい企業もたくさんございます。そういう企業が大きな雇用を創出している、雇用にとっては非常に重要な産業であります。そういうことによりまして、早期の再開が望まれているということでございます。  また、七尾市の一本杉商店街を始めとしました各市町には、住民の生活を支える商店街が存在します。その多くが被災し、全壊、半壊も少なくありません。住民が安心して生活できるよう、生活インフラとしての商店街の復活は不可欠であります。力強い支援をお願いしたいと思います。  以上が一点目の能登地域の主な産業の現状でありますが、いずれにしましても、全ての産業、商売が大きな被害を受け、大変厳しい状況にあります。なりわいと雇用をどう立て直すか、立て直すことができるのか、そういう非常に岐路に立った正念場の今状況だというふうに御認識をいただきたいというふうに思います。  二点目は、被災事業者への支援についてでございます。  国においては、早々に被災者の生活となりわい支援パッケージをお示しをいただきました。特に事業再生に関しての、なりわい再生支援補助金等、手厚い支援メニューを御用意いただきました。一刻も早くこの支援を、被災事業者に届くように願っておりまして、商工会議所も今、国、県、全国の商工会議所と連携しまして、近々、能登空港を中心にした、あそこに相談拠点も設ける予定でございますけれども、そういうことで、被災事業者の補助申請が円滑に進むように、全力を挙げてサポートしております。  そこで、支援制度は極めて厚いものになっているのでありますが、特別の場合を除きまして、相当の自己負担が必要になります。被災地域は、皆さん御存じのとおり、今出ておりますけれども、三回被災を受けておりまして、その間にコロナの被災も、コロナは被災と言いませんけれども、コロナ禍も影響を受けております。借入金の増加、売上げ減少等によりまして企業の体力は著しく低下しているというのが現状で、自己負担を求めるのは非常に厳しいという状況でございます。このまま自己負担が増えれば、廃業が増えていくということも大変危惧されておるところでございまして、支援内容の更なる充実と要件緩和をお願いしたいというふうに思います。  また、加えまして、既存債務につきまして、東日本大震災時と同等の債権買取り支援、こういうものによる二重債務問題の対策を強く要請いたしたいと思います。  また、度重なる災害によりまして被災事業者の心が折れかけているというのは、本当に、我々も数日前から相談を受けておりますけれども、非常に皆さん、そういう方が多いというのが現状でございます。我々商工会議所としては、全力でサポートして、何とか御商売を続けていただきたいという思いで伴走支援しておりますけれども、そういう中で、本当に申請時は様々な添付書類が求められて、大変申請するのに時間がかかったり、なかなかできなかったりという状況でございます。皆さん、津波、火災によって多くの会社の資料も失っているというようなことで、本当に申請にとって重い負担になることが予想されておりますので、是非、申請手続の簡素化もお願いしたいというふうに思います。  支援につきましては、以上でございます。  また、次は、三点目は、本県全体の観光関係の現状。  これも知事からもお話がありましたけれども、地震後は、能登はもとより、金沢、加賀温泉で多くの宿泊キャンセルが発生しております。人数は、今ちょっと時間がございませんので申し上げられませんけれども、二十万、三十万というキャンセルが生じておるところでございます。  また、発災以降、新年会など飲食を伴う会合が全て中止になるなど、外食をちゅうちょする雰囲気が広がっております。飲食店の打撃も相当大きいということでございます。  そういうことで、我々としましては、被害の少なかった金沢以南で何とか経済を回して、能登の復旧復興を後押ししていきたいというふうに考えておりまして、商工会議所もその先頭に立っていきたいというふうに思っておりますけれども、何か起爆剤が欲しい。是非、起爆剤になるようなものを御検討いただければというふうに思っております。  最後になりますけれども、復興について少し申し上げたいと思います。  今回の地震は、規模はさることながら、津波、火災、それから何回も地震を受けている、また、半島で発生している、過疎が進行している、大変、我が国の災害史上、極めてまれな、深刻な地震災害ではないかというふうに考えております。  そういうことでありますけれども、厳しい現状でありますけれども、また一方では、それに加えまして、希望の持てる復興に向けて、町づくりや産業再建などの重層的なビジョンを描くことが大切ではないかな、明るい未来を見せて皆様に元気を出してもらう、そういうことも必要なのではないかなというふうに思っております。  我々も主体性を持ってこの議論に参加していきたいと考えておりますけれども、是非、国の英知を結集して、この課題に取り組んでいただきたいと切に望んでおります。  被災地は、人口減少と高齢化が進む過疎地でありますけれども、歴史と伝統に根づいた文化が息づき、心豊かな日本の原風景が広がる地域であります。最近では、若い人々がUターン、Iターンによってこの地に住み、地域に溶け込んで生き生きと生活されている方も増えてきております。  珠洲市では、震災以前から、自動運転の実証実験、あるいは地域通貨やキャッシュレス決済などの取組が進められておりまして、これからの町の再生には、新しい技術を使って、高齢化社会が目指す安全で安心な住まいと便利な社会システムを備えた町づくりと、なりわいの確保を実現し、住んでみたいと思えるような理想の田舎づくりを理念にしてはどうかというふうに考えております。  復興は時間との闘いになると思います。インフラの復旧は最優先でございますけれども、なりわい、流通、教育など、同時並行的に様々な課題への取組が求められております。是非とも力強い御支援を心からお願い申し上げまして、意見陳述とさせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)

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