衆議院予算委員会(2024-03-01)での発言
第213回国会
·第第15号号
·1,729字
○齋藤(健)国務大臣 まず、私の冊子について言及していただきまして、感謝を申し上げたいと思います。
ただ、この冊子は、真剣には書きましたが、一議員のときに天真らんまんに書いたものでありまして、今、経産大臣として御答弁するには一定の制約があると思いますが、ただ、本質的なことはお話しできるのかなと思っています。
私は、日本の長い歴史を見た場合に、平時において改革をするという点におきましては、先手を打って思い切って改革をするというのがどうも弱くて、改革が後手に回ってしまうという特徴があるように思えてなりません。その理由については冊子をお読みいただくしかないんですが、私が経済産業省で若い頃に経験したことに一言触れたいと思います。
一九八〇年代から九〇年代半ば頃まで、経済的に台頭する日本を何とか抑え込みたいということで、アメリカは必死でありました。
一九八五年には、プラザ合意ということで、日本の経常収支の黒字を縮小するためにはもう為替介入しかないということで、大胆な為替介入によって一気に円高にして、経常収支の日本の黒字を、言葉は悪いですけれども、何とか痛めつけてやれというような印象で私は受け止めておりましたし、同じ一九八五年にヒューレット・パッカードのヤング会長がヤング・レポートというのを出しまして、この中では、いかに日本をやっつけるかということで、経済界、産業界が総力を挙げてレポートを作った。
それから、当時は、例えばMITというアカデミズムも、日本のトヨタの強みは何なんだ、どうしたらトヨタに勝てるんだということをアカデミズムまで真剣に検討して、それがどんどんどんどん日米交渉の中で我々はプレッシャーをかけられ続けるということを経験してまいりました。
その後、日本は逆の立場になって、今度は中国などの新興国の追い上げを受ける立場になったわけです。
この三十年間、私は、かつてのアメリカが感じて、政界や経済界やアカデミズムが必死の危機感を感じて、日本が総力を挙げてかつてのアメリカのように対峙してきたとはどうしても思えない。つまり、危機感がなかったわけではないんですが、それが微温的なものであったのではないか、だから物事は何事も思うようには進まなかった面があるのではないかと思います。
ただ、私も政治家でありますので、ではどうするかということでありますが、今、経済産業大臣という立場になりまして、国内経済に久方ぶりの上向きの潮目の変化、これが生まれています。私にできることは、この機に一気に進められるものは進めたいということに尽きます。
マクロ経済的には、まさに賃金と物価と成長の好循環を何としても実現したいということでありますし、産業政策的には、経済産業政策の新機軸と銘打って、急速な技術革新が進む中で、成長のエンジンとなり得るGXやDXを思い切って推進していきたいと思います。そして、将来、需要が激増すると思われる半導体分野につきましては、かつてない思い切った政策支援を行って、半導体産業にかつての栄光を取り戻したいと思っています。
また、企業構造の在り方まで議論していく必要があると思っていて、チャレンジ精神を発揮してイノベーションを担ってくれるスタートアップをもっと大きく育てていくには何が必要か、中堅企業については、今国会に提出している産業競争力強化法で初めて定義しますが、こうした成長志向の強い企業を後押ししていく方策は何なのかなど、これまでエコシステムが弱かったのではないかと思われる分野につきましても手を加えて、成長に貢献してもらいたいと思っています。
成長の牽引役、良質な雇用創出の担い手が育成されることで初めて、私は、前向きな形で個人の労働移動円滑化も進むし、企業の新陳代謝も進むと考えています。
話し始めると二時間ぐらいかかりますのでこの辺にしたいと思いますが、簡単なことではないですけれども、今がまさに三十年たって二学期が始まるということで正念場だと思っていますので、強い覚悟を持って取り組んでいきたいと思っていますので、藤田幹事長にも是非御協力いただきたいと思っています。