○阿部(知)分科員 一例目の裁判が起こされたのが平成三十年であります。もう令和が六年になろうとしています。一刻一刻亡くなっていく命です。
この亡くなられた方、渡辺さんとおっしゃいますけれども、この方が優生手術、両側の睾丸を摘出されている手術ですが、本来これは優生手術の中でそうした適用という形には挙がっていないものでありますが、それを実施されました。元の御病気は何だったかというと、変形性の関節症、関節が悪くて少し足が御不自由だった。それをもって、この方は十歳過ぎに睾丸を摘出されました。意味もきっと分からなかったろうし、その後、自分の体の不調を抱えながら七十年近くを生きてこられて、そして、彼が残した言葉は、国は謝ってほしい、そしてきちんと国による賠償をしてほしい、自分がなぜそういう行為を受けたのか、本当に納得できないという言葉を残して亡くなっていかれました。
大臣には、次のページの、今年の二月に精神神経学会が出された優生保護法に関する声明というのを御覧になっていただきたいんですけれども、赤線が引いてございますが、これは、学会として被害者の方々に謝罪するということと、自らに問いかけて過ちを繰り返さないという表明であります。
実は、二〇一九年に一時金の支給が決まった後、医学会では、自らの行為を検証して、医学会の連合会、次いで産婦人科学会、そしてここにある、今年の二月に精神神経学会、大体関わった医師は産婦人科の医師か精神神経科の医師でありましたので、自らの行為を振り返り、アンケートを取り、こうした謝罪文を上げておられます。
私は、先ほど大臣が国としては謝罪の姿勢を示しているとおっしゃいましたが、残念ながら国としての明確な謝罪はなく、例えば、一時金支給は、立法府として関わった全て我々はという形でまとめられております。私は、真摯に、国が何をしたかを見直さないと、これからも我が国の中でいわゆる優生思想をどう反省していくかということが明確にされないと思います。大臣は、そのことの認識が、私は少し区別されていないんじゃないかなと思います。
例えば、ここに資料として上げさせていただいたのは、渡辺さんが手術を受けられた当時の状況であります。
開いて、ページの五枚目となってございますが、ここには、いわゆる四条、十二条と書かれていますが、四条は遺伝などを防止するため本人の同意なく行われた手術、十二条は遺伝でなくても精神疾患であればという形で増えた手術。見ていただきますと、大体一九五三年から五七年頃にピークがございます。
この頃、国は何をしたのかということで、引き続いて次のページを御覧になっていただけますか。ここには、厚生事務次官の通達がございます。簡単にまた赤を引いてございますが、もし手術を受ける方が嫌がられたりした場合には、身体の拘束、麻酔薬の施行又は欺罔、これはだますということですが、等の手段を用いることも許される場合があると解しても差し支えない、これが厚生労働事務次官の通達であります。
国として真摯に反省するとは、厚労省が出してきた通達そのものの中に大きな人権侵害があることを認めることであります。
もう一つ、続いて、下の資料は、実はこれは、一時金の支給の二十一条に伴って国が設置した、国立国会図書館と衆参の調査室に命じた約三年をかけた調査の中でも出てこなかった厚生労働省の資料でありますが、これは地方のいわゆる公文書を扱うところから出てきたものですが、これは各地方の実績数を挙げて競わせる、予算どおりにいっていないじゃないか、もっと頑張れという資料であります。
ここも赤線を引いてございますが、予算上の件数を下回っている実情であります、各府県ごとに実施件数を比較して、極めて不均衡であります、これで、要するに、不均衡を是正せよ、すなわち増やせよということになっております。繰り返しますが、この下の段の資料は、六花出版というところの本から持ってきました。
国の、物すごく立派な、そして私は、調査室、頑張られたと思うんですけれども、これだけの資料、いろいろな当時の文献も集めたこの資料の中にもまだ漏れがあって、この下の、地方から保存されているものというのは、ここには幾ら探しても出てまいりません。私は、国会図書館や調査室の労を多とする、本当に頑張っていただいた、でも、まだまだ出てきていないものがあるし、国としてしっかり調査する必要があると考えます。
大臣、国として謝罪の意を表しているとおっしゃいますが、例えば、欺罔というのはだますことです、それから、競ってもっとやりなさいという通達も出ていた、そういうことは御存じなかったと思うし、それは大臣のせいではないと思いますが、国自身が、そういう厚生労働省の行政としての見直しをしていないところからくると思うんです。
私が今日御紹介したようなことについて、たくさんしゃべって申し訳なかったけれども、どのようにお受け止めですか。
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これより委員長の互選を行います…
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