○谷田川分科員 何で全面返還を目指しますと言ってくれないんですか。非常に残念です。
それで、私、二年前の国交委員会でも、外務省の担当者に来てもらって、悪の元凶というものが一つある、そういう指摘をしたんですよ。
それが、一九七二年の田中内閣のときに、横浜港のノースピアに向けて、当時はベトナム戦争で、ベトナム戦争で破損した戦車をアメリカ軍の在日米軍基地で修理して、それを横浜埠頭に運んだんですよ。それで、当時の横浜市長は飛鳥田一雄さんといって、社会党の委員長を後にやられた方ですけれども。
とにかく、あのときは、旧社会党の皆さんは、ベトナム戦争反対だ、日本はベトナム戦争に加担すべきじゃない、だから、何とか戦車をベトナムに送るのを阻止したいということで、道路交通法の制限施行令というのがあって、それは、重量をオーバーした場合には通っちゃいかぬとなっているわけですよ。ところが、あのとき、米軍の戦車は重量オーバーだといって、当時横浜市は、その橋を通っちゃいかぬということで、それで、それに勢いづいて市民団体なんかが詰めかけて、アメリカの進行を阻止したわけです。
当時、その直後の国会答弁を私は読んだんですよ。当時の外務大臣は大平正芳さん、防衛大臣が、当時は防衛庁長官ですけれども、増原さんという方。当時は、米軍が進むのを阻止されたときに、お二人は国会で、国内法があるんだから、米軍もしっかり国内法を遵守してもらいたい、そう答弁しているんですよ。
それに対してアメリカは非常に危機感を持って、その年の八月三十一日と九月一日のホノルルにおける日米首脳会談、田中総理のカウンターパートはニクソン大統領、そのときに強く言ったんですよ、とにかくこれを何とかしてくれないと困ると。
その結果が、その年の十月の十七日に閣議決定された。それは何かというと、それまでは道路交通法では、重量オーバーしても緊急車両は通ってもいいとなっていたんだけれども、しかし、緊急車両プラス、警察だとか消防の訓練だとか、あと米軍の車両もいい、それは法律の適用外にする、そういう閣議決定をしたんですよ。
これは後に、末浪靖司さんというジャーナリストが、アメリカ国立公文書館から、当時のいろいろな公文書をしっかり調べた結果、アメリカの圧力がこれもこれもかということであって、その結果、日本は基本的に米軍は国内法が適用されないと、当時の大河原北米局長がそういう答弁をしちゃったんですよ。
その前の答弁は、一九六〇年の安保条約改定をめぐる国会審議の政府答弁で、当時の高橋条約局長はこう言っているんですよね。米軍に対して日本の法令は原則として適用されると。ところが、残念ながら、一九七三年の大河原答弁をいまだに外務省は踏襲しているわけですよ。
私は二年前の国交委員会で、どうして百八十度変えるようなことをやったんだ、少なくとも高橋答弁と大河原答弁は全く違うことを言っているよと。原則適用されるのが一般国際法の真っ当な考えですよ。それに対して、大河原さんは、規定がなければ、原則何も規定がないところは適用されませんと百八十度違う答弁をしたわけですよ。そのときに外務省はすごいなと思ったのは、私はあのときに、これこそ牽強付会の答弁だ、自分の都合よく解釈する、そう言ったけれども。
少なくとも一般国民は、当時、どうもアメリカに屈してこういうことをやってしまったんだ、そう思っているわけですよ。それからずっと、あれはもう五十年以上前の話になっちゃうから、みんな忘れているけれども、それからどんどんどんどんそういう意識を持っていって、何かアメリカに従うのが当たり前だと、私は、独立国家としての気概を国民は持たなくなってしまったんじゃないか、それがやはり日米同盟に依存した結果だというふうに思わざるを得ないんだけれども。
大臣、一つ確認しますけれども、国の法令が適用されないのは軍人や軍属の規律や管理など軍隊の内部事項に関することであって、それ以外のことに関しては、条約や協定に特段の規定がない限り駐留先の国の法令が適用されるというのが一般国際法の原則であるということでよろしいですね。
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