○山本太郎君 この最終兵器であるゲートモニター、導入を促された自治体からは、そんなもの使えるのかとの疑問が噴出しております。
避難退域時検査は新しい制度です。当然ながら、車両用ゲートモニターは実際の事故時に使われたこともない。それにかかわらず、国は、原子力規制庁、当時は、これを使えば迅速な検査が可能であるかのようにアピールをしてきました。
原子力規制庁が初めて自治体担当者にゲートモニターの導入を指示したのは、二〇一四年四月の自治体担当者との会議、道府県連絡会議。ここで原子力規制庁は、ゲート型モニターを使い、検査を効率的に行うように指示しました。自治体の側からすれば、えたいの知れない設備をいきなり導入するよう指示されたことになります。この指示に対して、各道府県から異論、不安が噴出。その当時のやり取りは、ジャーナリスト日野行介氏が請求して開示させた同会議の議事録によって明らかになりました。
資料三。ゲート型モニターは四万カウントをきちんと測れるというようなものにはとても見えなかった、石川県。いわゆる解説的なもの、マニュアル、手引は出てこないのか、福井県。資料四。これらの指摘に対して、原子力規制庁は、ゲートモニターの具体的な仕様は確認していないと認めています。
同年七月の道府県連絡会議でも、検査対象人数が不明で使いようがないと検査の前提に突っ込みが入ります。対象が避難住民全員とか一部の住民でいいのか、そういうことが示されないと必要な人員や資機材もはっきり分からない、鹿児島県。これについて規制庁は、検査対象者の範囲については検討するかも含めて持ち帰りたいなどと回答。入れろと言っているのに、そんなことも検討されていないんですね。設備の性能も、どれだけの数の住民を検査するかも不明のまま見切り発車で導入が進められたことが分かります。
これら自治体からの指摘を受け、原子力規制庁は急ぎで検査マニュアルを作成、二〇一五年三月三十一日に発表。これ、川内原発再稼働に間に合わせるために急いで作ったものなんですね。内容もいいかげんです。
資料五。例えば、同マニュアルでは、車両用ゲートモニターを使用して検査ができるのは検査場所の環境に有意な汚染がない場合のみとされている。原子力災害が起こったとき、検査場所が汚染されていない、そんなことなど実際にはあり得ません。汚染されていたら使えない検査方法を持ち出すのは意味が不明です。このように、的確な汚染状況把握の要であるはずのゲートモニターが、災害時にちゃんと使えるのかどうか分からないまま避難計画に組み込まれていたという事実です。
資料六。そして、二〇一五年、川内原発、二〇一六年、伊方原発、高浜原発、二〇一八年、玄海原発、大飯原発、二〇二一年、美浜原発と、各地で避難計画の了承と原発再稼働が続きました。原発事故時、ゲートモニターがどこにどれだけ設置されるのか、これが機能するかも分からないまま、いいかげんな避難計画しかない状態で原発を動かしているんですね。そんなもん、住民の安全なんか二の次に決まっているだろうと考えなきゃ、こんなことできないんですよ。このように、各地で原発再稼働が進む中、ついにゲートモニターの検知能力にも疑問符が付きました。
資料の七。二〇二一年三月、日本原子力研究開発機構、JAEAは、内閣府委託で車両用ゲートモニターの性能試験を実施した結果を発表。ワイパー部分とタイヤ部分を同時に正確に測定することは困難と結論付けました。かいつまんで言えば、このゲートモニターで車を検査すると、タイヤの汚染レベルは分かるんだけど、車の正面の部分の汚染は分からないんだよね、だから正面部分は手作業で測定しなきゃいけないんだということが分かったということです。
そして、基準値とされる四万cpm以下の汚染でも検知をして、汚染ありのシグナルが出されるということも問題となりました。これって、より低いレベルの汚染も検知できるんだから、的確な汚染把握のためには本来はいいはずなんですよね。でも、それでは除染する車が増えてしまうと、迅速化にならないということが問題になった。
この研究結果を受けて、内閣府は、二〇二一年四月二十七日、自治体に導入させるための交付金を一時停止。現状の機器ではごく軽微な汚染でも発報する可能性が指摘されたと。つまり、このままだと低い汚染でも検知してしまうから、国の交付金は出さないということの決定をしたんですよね。最強兵器として導入を促してきたゲートモニターが使えないことになり、避難退域時検査が成り立たないことが露呈しました。
それでも政府はつじつま合わせに躍起になります。基準値どおりのレベルを検知できるとお墨付きを与えるために小手先の調整を続けるんですね。特に、主要モデルの一つである千代田テクノル製ガンマ・ポールを使えるようにするための小手先、この裏技がすごい。
資料八。本来立てて、立てて使うはずのポール型のモニターを横に寝かせてしまえば、検知の精度が低くなるから低い汚染はスルーできるという、内閣府は、原子力安全協会にゲートモニターの使い方のマニュアルを作らせて、横置きにすれば使えるとのロジックを正当化しました。
資料九。二〇二一年十一月発表の報告書では、ポール型のモニターの測定器、このポールを寝かせることで四万cpm基準での判定は可能と結論付けた。そして、使えるようになったから、翌年の二〇二二年にはまた交付金出して自治体に導入を促すようになったんですね。むちゃくちゃじゃないですか、こんなの。
横に置くから感度低くなって大丈夫、これで進められた再稼働って普通じゃないですよね。常軌逸していますよ。いや、これを、この体温計は高温だけを測れるものにするから、三十八度まで温めた後にお使いくださいみたいな。これ、例えが合っているかどうか分かりません。余りにもむちゃくちゃ過ぎて、類似の例え見付けるの大変ですよ。
さらに、ゲートモニターで測定できるのはタイヤ部のみという問題が残ります。車両前面のワイパー部は表面汚染測定器、サーベイメーターを用いて手作業で測定するといいます。手作業で測定することで時間が掛かってしまう。そして、人員も手作業の分必要になる。これ、各自治体からも、円滑な避難の妨げになるから手作業なしで済むようにしてほしいという声が上がりました。しかし、それに対して内閣府は有効な解決策を示せていないと。
資料十。二〇二二年十月、原子力発電関係団体協議会担当課長会議では、検査の順番を変えて、タイヤ部より先にワイパー部を検査するようにという指示をしました。ゲートモニター前で順番待ちをしている車両のワイパー部分を先に測っていけば時間短縮になると。これでも結局手作業による測定は残って、時間が掛かるということには変わりはありません。
資料十一。二〇二二年一月の説明会では、大型バス、大型バスについては基準値どおりに測定できないという問題も指摘されて、大型バスは手作業で測ることも検討課題となった。当初から懸念されていた汚染状況下では使えないという問題も残っています。
資料十二。二〇二二年五月、内閣府の手引では、車両用ゲートモニターが機能するバックグラウンド線量率は、日立製で毎時〇・三三マイクロシーベルト、〇・三三マイクロ、千代田テクノル製で毎時〇・四五マイクロシーベルトまでとされた。これ、皆さん御存じのとおり、バックグラウンド線量って、これ、測定しようとしている放射線以外の放射線の話ですよね。もちろん自然の放射線も含まれます。
これ、一例としてなんですけれど、福島の第一原発事故時は、県をまたいだ栃木県、この栃木県でも毎時一・三一八マイクロシーベルトがバックグラウンド線量として観測されています。それを考えると、この前提ってもうでたらめに近いですよね。
現在の車両用ゲートモニターの上限値〇・四五では、東電原発事故と同じように放射線量上がれば全く機能しないということ、使える代物ではないということなんですね。こんな設備前提の避難計画では住民の安全守れない、当たり前の話ですよね、これ。
大臣、これ実際には的確な汚染把握のためには使えないゲートモニターを国の交付金を支給して自治体に導入させる意図って、これ何だと思われます。
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