○古賀之士君 私は、ただいま可決されました脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会・教育無償化を実現する会及び国民民主党・新緑風会の各派並びに各派に属しない議員平山佐知子君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一 我が国が、パリ協定の一・五度目標と整合的に二〇五〇年カーボンニュートラルを実現するために、既に確立された技術をもって低廉なコストでその達成に貢献できるとされる再生可能エネルギー等の導入や省エネルギー化の取組を更に強化するとともに、本法に基づく支援措置については、エネルギーの安定供給と脱炭素化の両立、国民負担の過度な増大に留意しながら適切に進めること。
二 低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する各種施策については、省エネルギー化や再生可能エネルギーの普及拡大等の推進を前提として、電化では代替が困難な分野への活用に優先的に取り組むこととし、GX経済移行債をもって行われる他の脱炭素の施策を含めた総合的な効果等を適時分析し、その評価に基づいて投資対象の拡大又は縮小を含めた見直しを的確に行うこと。
三 脱炭素成長型経済構造への円滑な移行において、我が国のエネルギー自給率の向上や経済安全保障の観点からも重要となる国内における低炭素水素等のサプライチェーン構築を着実に進めるとともに、国際競争力確保の観点から、徹底したコスト削減が図られるよう、必要な措置を講ずること。
四 低炭素水素等に関する技術や製品をいかした我が国の産業振興や、国際競争力強化に向けては、世界の脱炭素政策、とりわけ欧州で炭素国境調整措置が整備されつつある現状に鑑み、各種産業に係る国際的なルール形成や国際標準化において、我が国が主導権を握ることができるよう施策を戦略的に実施するとともに、低炭素水素等の生産過程における脱炭素化を図る取組を推進すること。
五 我が国が持つ低炭素水素等の製造、輸送、貯蔵、活用その他の脱炭素技術について、特に二酸化炭素排出量が多い技術や設備を多く有する国々における産業やエネルギーの脱炭素化への国際貢献も視野に、その質を更に高めるよう取り組むこと。
六 低炭素水素等を活用するための施策が長期にわたって必要となることを踏まえ、事業者が予見可能性を持って事業に取り組むことができるよう、GX経済移行債の先行投資支援を始めとした資金調達や、GX価値の向上、GX製品市場の拡大等を通じてコスト回収を可能とする制度措置を講じ、必要な人材の確保及び育成、技術基盤の強化、低炭素水素等が利活用される機会と分野の拡充等に向けた事業環境の整備を進めること。
七 低炭素水素等のサプライチェーンの構築における地方公共団体の果たす役割の重要性に鑑み、地方公共団体における地域のグランドデザイン作成を支援するとともに、地域産業や、利用者の視点に立ったエネルギーインフラの整備等の取組が着実に進むよう必要な措置を講ずること。
八 低炭素水素等の基準については、本法成立後速やかに設定し、公表するとともに、将来的には、国際的なルールの動向を踏まえて、低炭素水素等の生産時のみならず、利用までのライフサイクル全体の二酸化炭素排出量を評価することを検討すること。また、基準の見直しや支援の在り方の検討に当たっては、水素等の更なる低炭素化・脱炭素化が進むよう配慮すること。
九 GX経済移行債の先行投資支援を活用した価格差に着目した支援及び拠点整備支援などの政府による財政支援は、将来的に事業者が自立することを前提とし、事業者が予見可能性を持って確実に事業に取り組むことができるよう必要となる条件や評価項目・方法等の詳細を明確に定めるとともに、カーボンニュートラルを加速する制度設計とすること。また、支援の実施に当たっては、多額の国費を活用して行われる事業であることや国民負担、国際競争力への影響、炭素リーケージの可能性、負担と受益の公平性等を踏まえ、その施策の進捗状況や費用対効果について定期的に評価及び分析を行い、投資対象も含め必要に応じた柔軟な見直しを行うこと。
十 水素の特性による漏えいや爆発の危険性に鑑み、その製造から輸送・貯蔵・利用・取扱い等における安全性を確保するとともに、保安体制の充実を始め製造保安責任者等への指導、教育の充実、保安に関する技術基準の整備の検討など、安全性向上のための取組を確実かつ早期に進めること。また、事業者による安全対策や周辺住民への影響等について、地域住民とのリスクコミュニケーションが適切に図られるよう取り組むとともに、水素等の物性や取扱い等に関する情報発信等を進めること。
十一 低炭素水素等の供給を促進するため水素等供給事業者に求める自主的な取組を促すための措置については、事業者が取り組むべき基準を明確に定めるとともに、その運用に当たっては、事業者に過度な負担とならないよう十分留意すること。
十二 本法に基づく支援措置の実施に向けての制度設計に当たっては、学識経験者や有識者、産業界、労働界等から広く意見を聴き、その意見を尊重するとともに、意思決定過程の透明性を確保すること。
十三 低炭素水素等の利用を促進するため、国民に対して低炭素水素等に関する適切かつ具体的で分かりやすい情報が提供されるよう、必要な措置を講ずること。
十四 政府は、毎年、低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する施策の実施状況に関する客観的調査を行い、その結果をエネルギーに関する年次報告の中で国会に報告するとともに、公表しなければならないこと。また、国内及び諸外国における低炭素水素等の供給及び利用の状況、技術の進捗その他諸課題について適時調査を行い、分析し公表すること。
十五 低炭素水素等の供給及び利用の状況その他の事情が著しく変動したときは、速やかに低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する施策について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
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