○古賀之士君 私は、ただいま可決されました二酸化炭素の貯留事業に関する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会・教育無償化を実現する会及び国民民主党・新緑風会の各派並びに各派に属しない議員平山佐知子君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
二酸化炭素の貯留事業に関する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一 政府は、二酸化炭素の分離回収、輸送、貯留に係る技術概要、CCSを導入する意義や必要性等について広く国民の理解を得るため、前面に立って丁寧に説明すること。その際、二酸化炭素の地下貯留に伴う国民の様々な懸念を払拭することに最大限努めること。
二 CCS事業を実施する地域の選定に当たっては、北海道苫小牧市等の先行地域の事例を参考にしつつ、地域住民や地方公共団体、利害関係者を始めとする幅広い国民の多様な意見を丁寧に聴取し、それらの意見を十分に踏まえるとともに、事業者に対し、こうした意見を十分に踏まえて事業を実施するよう求めること。あわせて、地域で活用できる交付金制度を含め、関連する産業や雇用の創出等に向けた支援の仕組みを検討すること。
三 CCS事業の特性として、分離回収、輸送、貯留に至るバリューチェーンの過程で多数の関係者が関与し、事業実施期間が長期にわたる上、地下の地質は不確実性を伴うことから、政府は、その実施に当たって、二酸化炭素が漏えいすることのないよう、公共の安全の確保と環境の保全に万全を期すこと。とりわけ、環境の保全の観点からは、鉱業法や環境影響評価法等を参考にしながら、必要な対応を検討すること。その際、最新の科学的な知見に基づき、事業者の負担にも十分配慮するよう努めること。
四 政府は、CCS事業の実施に当たって、労働団体等の意見も十分に踏まえ、労働者の安全の確保に万全を期すこと。
五 貯留事業者によるモニタリングの内容や項目、貯留事業者から独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構に貯留事業場の管理業務を移管する際の要件や期間等については、透明性を確保しつつ、最新の科学的な知見に基づいて定めること。
六 鉄鋼等の脱炭素化が難しい事業分野において、グリーントランスフォーメーションの推進が図られるよう、当該事業分野におけるCCS事業の支援に努めるとともに、こうした支援と並行して、既に確立された技術をもって低廉なコストで二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に貢献できるとされる再生可能エネルギー等の導入や省エネルギー化の取組を更に強化すること。
七 民間事業者によるCCS事業への積極的な参入を促すため、過度な規制が事業推進の阻害要因とならないよう留意しつつ、分離回収に係る保安措置等の事業規制の在り方を含め、ビジネスモデル構築に向けた環境整備の検討を加速すること。また、事業者が投資回収の予見性を確保できるよう、予算措置や税制措置、カーボンプライシング制度の在り方など、経済的な支援措置や制度的措置を早期に明確化すること。その際、政府による財政支援措置は、CCS事業を将来的に民間事業として自立させ、二〇五〇年カーボンニュートラル実現への道のりを加速できる制度設計とすること。
八 CCS事業に係る費用の低減と安全性の確保を両立し、CCS事業の活用可能性を高めるため、直接空気回収技術を含む二酸化炭素の分離回収や液化二酸化炭素輸送船等に係る技術開発の取組を強化すること。また、CCSを含めた脱炭素技術の研究開発の状況など、CCS事業を巡る状況が著しく変化したときは、速やかにCCS事業に関する施策について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずること。加えて、分離回収に係る技術は、CCSに限らず、カーボンリサイクルの実施の前提となる共通技術であることから、当該技術の研究開発の積極的な推進により、カーボンリサイクルに係る新たな産業分野の育成にも努めること。
九 CCS事業に関して、様々な専門的知見を有する人材を育成する取組を強化するとともに、貯留適地の調査や貯留事業場の管理業務を担う独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構の体制強化に取り組むこと。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
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