○礒崎哲史君 大臣、詳しくありがとうございます。
今大臣にお話をいただいたその流れ、私も同じ思いを持っているんですが、もう少し、ちょっと一つの産業を例に、実際の過去の動きと照らし合わせて少し検証をしてみたいと思います。
お手元に資料をお配りをしました。自動車産業の視点でもって、今大臣がお話しいただいたものをちょっと振り返ってみたいと思うんですけれども、今大臣がおっしゃられた、まず、コストカット型経済になってしまったその理由としては、グローバル化とコストの安い地域ですね、その地域のグローバルマーケット、そのお話がありました。まさにバブル崩壊からそういった流れということでありました。まさに、一九九〇年ぐらいを見ていただければ、そのポイントになろうかと思います。まさに、自動車産業においてもそこがターニングポイントに一つ実はなっています。
九〇年から以降、まさに、国でいえば中国ですね、中国がグローバルマーケットに参入をしてきた。当時中国は世界の工場と言われ、圧倒的な人件費の安さから、安いものを大量に生産し、世界に送り出すことができるということから、世界がそこを注目をしていくことになり、日本も当然その波にのまれていくんですが、私、ポイントは実はそこの手前にあると思っていまして、八〇年代です。
八〇年代にポイントがあると思っていまして、ここのグラフには何も書いていないんですが、一個、皆さんに御覧、ちょっと注目いただきたいのは、紫色の輸出台数のところなんです。右肩上がりで来ていた輸出台数が、八〇年代にぱたっと止まります。山を迎えるんです。大臣がにこにこされております。もう分かっていただけたと思います。何が起きたのかというと、ここは日米貿易摩擦です。日米貿易摩擦によって、日本は最終的には自動車の自主規制を、輸出の自主規制を引くことによって、輸出台数はここで残念ながら頭打ちになるという判断を、これは政府あるいは産業としてすることになりました。
ただ、その後、日本国内そのものはバブル期を迎えましたので、そこで止まったとしても、国内生産は、海外が厳しくなっても国内でカバーできたんですね。ということで、結果的には国内の生産台数は右肩上がりで上昇することもできましたし、国内販売も右肩上がりになったということで、海外の厳しい状況を国内が実はカバーしてくれたんです。
ところが、その後、バブル景気がはじけたことによって、それががた落ちになっていく。そこで、先ほど大臣がおっしゃっていただきました、新興国、コスト競争力のある地域がグローバルマーケットに参入をしてきたということで、自動車産業は当然、輸出はアメリカ市場に輸出ができませんから現地生産に当然踏み込んでいくということで、この海外生産台数の青がここから右肩上がりで物すごい成長をしていくと、こういう経緯をたどったということであります。
そこで、コストカット型経済になったのは、この緑色の生産台数ですね、一千三百四十九万台を生産する能力を企業が抱えていたんです、国内に。それだけの工場設備と人員を抱えていました。なので、この人たち、あるいはこの工場を潰すわけにはいかないわけです。辞めさせるわけにもいかないんです。じゃ、この人たちを、現状、レベルを維持するためにはどうしたらいいかというと、コストが安い国とコストで競争するしかなくなったということで、ここからコストカット型経済に行かざるを得なくなった、追い込まれたというのが私の認識であります。
そこから、じゃ、どうするかというと、なかなか苦しい状況になるんですけれども、そこで、先ほど政府の関係のところで市場環境整備ということでお話をされたんですが、このコスト競争からもう抜け出せなくなった状況の中で、安いコストで生産できるような体制づくりと言うとちょっとおかしいんですけれども、例えばそこから柔軟な生産が対応できるようなということで、実は派遣労働者が生産工場で働けるような形で適用を拡大したりということで、そういう波に一気に乗っていく。ですから、そこから右肩上がりになっていくことがだんだん難しくなっていく。
当然、先ほど、コストを下げることで利益を確保するというふうに大臣おっしゃられたんですけれども、現場でやられていたことは乾いた雑巾絞ることでしたので、実は利益は増えないんですよね。生産量は確保できるんです。だから、設備も維持できるし雇用も維持できるんですけれども、残念ながら利益は上がらない。利益が上がらないから次なる投資はできない。当然、開発投資にもお金は回らない。ですから、新しいものが生み出せないということで、その後の十年、二十年が至ってしまったというのは私の認識でございます。
今、自動車産業の例で言いましたけれども、実はここに半導体ものっけてもいいというふうに思っています。半導体も、日米半導体協定というものが結ばれたのは八〇年代の後半ということです。半導体に関しては、特に大きな需要先でありました白物家電がほとんど生産、東南アジアとかに移していましたので、ですから、国内で幾ら半導体を作ったとしても、半導体を載っけるお客様は海外で生産している白物家電になっちゃうので、結果的には、半導体は海外で作った方が需要、マーケットにも近いし、最終的にはお客様に近いということで、半導体も国内生産から海外に行っちゃうという、これもだから全く同じ構図だというふうに思います。
ちょっと話が長くなりました。失礼しました。
大臣にちょっとお伺いしたいのは、そうすると、きっかけはやっぱり私は日米貿易摩擦であったり海外との関係性、あるいは海外とのそうした取引の状況というものが私は大きな影響があったのではないかなと思っています。とりわけ、日米で行いましたそういった覚書なりなんなりが、後々の国内の生産体制あるいは輸出の体制、さらには海外での生産体制に足かせをやっぱり掛けてしまったことになるのではないかなと私は思うんですけれども、ちょっとこの点、御所見ございましたらいただければ幸いです。
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