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佐藤正久 ·自由民主党

参議院憲法審査会(2024-05-08)での発言

第213回国会 ·第第2号号 ·2,279字
○佐藤正久君 自由民主党の佐藤正久です。  我が会派としましては、これまで、自衛隊の明記、緊急事態対応、合区の解消と地方公共団体、教育の充実の四項目を憲法改正の優先的な検討項目として申し上げてきたところでありますが、本日は特に、緊急事態への対処を考える上で、参議院の緊急集会について述べさせていただきます。  首都直下地震や南海トラフ地震などの大規模自然災害の発生等を想定した対応が急がれる中、憲法により参議院に与えられている重要な権能の一つである緊急集会について解釈が分かれている論点に関して、参議院としての考えを明確にする必要があります。同時に、内閣から求められたときに緊急集会を速やかに開会し、その役割を万全に果たすことができるよう、参議院として早急に議論を深めるべきとも考えます。  これまでも我が会派から、参議院の緊急集会は衆議院議員不存在の場合に緊急の必要が発生したとき、総選挙により衆議院議員が選出され国会が召集されるまでの間、できる限り民主政治を徹底しながら、両院同時活動原則の例外として、暫定的な処理を可能とする制度であると理解した上で論点についての考え方を申し述べてきたところでありますが、その観点から、衆議院議員の任期満了時については総選挙が予定され、かつ一時的な衆議院議員の不存在という意味では解散と変わりはないことから、内閣の求めに応じて参議院の緊急集会を開き得ると改めて申し上げます。  参議院の緊急集会の期間については、緊急集会が両院同時活動原則の例外であることからすれば、憲法五十四条一項に衆議院議員の総選挙は解散の日から四十日以内、国会召集はその選挙の日から三十日以内と規定されているので、七十日を超えていつまでもということは想定できないと考えますが、この期間は大規模自然災害等による被害と影響を抑えるために極めて大切な時期となりますし、衆議院議員の不存在を解消する選挙の実施の上でも重要ですから、参議院の緊急集会の責務は非常に重いことを認識すべきと考えます。  参議院の緊急集会において議員が発議できる議案の範囲につきましては、一時的な衆議院議員の不存在時に民主的統制を維持させるという趣旨や、衆議院の同意がない場合の緊急集会によりとられた措置の執行の考慮すれば、内閣が示した案件に関連し、かつその施行のために特別会の召集を待つことができない程度の即時に対応すべきものに限られるものの、その範囲内で広く認めてはどうかと考えます。  過去、参議院の緊急集会は二度開催されていますが、大規模自然災害や有事のときではなく、平時におけるものです。例えば、東日本大震災時は、予定されていた期日で統一地方選挙を適正に行うことが困難となりましたが、国会開会中のため、発災直後、内閣から被災地の議会議員や首長の選挙期日を延期する法案が提出され、国会審議を経て採決されたものの、衆議院解散時に選挙が実施困難となれば、同様の法案の審議するため、内閣は参議院に緊急集会を求めることは考えられます。  また、災害対策基本法では、災害緊急事態に際し国の経済の秩序を維持し、及び公共の福祉を確保するため緊急の必要がある場合において、衆議院が解散中、かつ参議院の緊急集会を待ついとまがないときは、法が定めた事項について必要な措置をとるため緊急政令を制定するとともに、制定後直ちに参議院に緊急集会を求めることとなります。  緊急政令は、一、物資の配給、譲渡制限等、二、物価等の統制、三、金融モラトリアム、四、海外支援の受入れに必要な措置に限定されているため、例えば大規模災害時の義援金差押禁止や確定申告の納税期間延長等、緊急政令で処置し得ない法律を参議院で定めることも想定されます。  そこで、大規模自然災害等発生時に備えて参議院では何をすべきか、早急に検討を始めなければならないと考えます。内閣からの請求日は、法規に定めはないものの、過去の例では少なくとも集会の期日の三日前ですし、大規模自然災害等の場合、様々な困難は想定できるものの、これよりも長い期日を要するわけにはいかないと考えます。本院が内閣の求めを受けて僅かな日数で緊急集会を動かすために、各議員への通知、議事堂が使用できない場合の代替場所の確保と伝達等、法制面や実効性の観点から検討すべき事項を洗い出す必要があると考えます。  まずは、参議院の緊急集会に関わる手続にのっとって、大規模自然災害等が発生したときに、いかに遅滞なく総議員の三分の一の定足数を満たし、内閣から提出された案件を審議できるかなどについて、あらゆる事態を想定しながらシミュレーションを通して確認してみる必要があるのではないかと考えます。  その際、内閣が首都直下地震対策特別措置法第五条第一項の規定に基づき閣議決定している行政中枢機能の維持に係る緊急対策実施計画、いわゆる首都直下地震BCPについても参議院としての検討を進めるべきと考えます。  内閣のBCPには、緊急災害対策本部の設置場所として総理官邸が使用できないとなれば、順に、内閣府合同庁舎、防衛省中央指揮所、立川広域防災基地に変更されることなどがあらかじめ定められています。一方、参議院は、緊急時を意識したBCPを現時点では有していません。そこで、この作成に向けて、参議院の憲法審査会で参議院事務局等から説明を受けることから始め、論点の洗い出しを行ってはどうかと考えます。  以上、意見を申し述べました。  ありがとうございました。

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