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高良鉄美 ·沖縄の風

参議院憲法審査会(2024-05-08)での発言

第213回国会 ·第第2号号 ·2,569字
○高良鉄美君 沖縄の風の高良鉄美です。  沖縄が復帰して来週で五十二年になります。憲法が適用されてからということです。その憲法は、まだ沖縄に適用されていると思いません。それをまず先に言いたいと思います。  政府は、所信や外交等において法の支配の語を多用していますが、今日は、法の支配や憲法原理の観点から、現状の憲法審査会の問題点について述べたいと思います。  まず、大本の法の支配からの問題点を言いたいと思います。憲法審査会が法の支配の語を誤った理解で使用し続けているということです。  法の支配は、専断的な国家権力の支配、つまり、人の支配を排し、全ての統治権力を憲法で拘束することによって国民の権利を保障することを目的とする立憲主義に基づく原理です。民主主義とも非常に関連をしています。法の支配の内容というのは、憲法の最高法規性の概念、権力によって侵されない個人の人権、法の内容、手続の公正を要求する適正手続、権力の恣意的行使をコントロールする裁判所の役割に対する尊重と、こういったものが挙げられますけれども、現状の憲法審査会の機能や位置付けが法の支配から問題となる点が多くあります。  まず、最高法規である憲法から見た現状の憲法審査会です。憲法の改正を目的に、常に言わば常任の調査、審査をする機関として位置付けられているということが憲法上可能なんですかということです。  憲法制定権力は国民にあり、国民から、人権保障のために必要な改正があれば、発議の信託を受けたものであって、憲法改正権力自体が元来国会にあるわけではありません。しかも、負託されたのはその一部にすぎず、国民の最終判断が憲法改正権発動の効果発生となることとなります。したがって、憲法審査会が憲法より上位にあるかのように、網羅的に憲法条文の改憲を模索することに従事しているということは憲法構造上いびつと言っていいと思います。  憲法九十六条の、国会が発議をしてから国民投票にかけると書いてあるのは憲法保障の一環なんです。そのときの国会の役割は、発議前の改憲案が国家権力の横暴や濫用を、あるいは人権侵害に及ぶのではないかということを、法の支配に基づく行動様式と良識でそれをきちんと議論するということの位置付けなんです。  だからこそ、違憲の疑いのある発議を抑えるという信頼を国会に置いているのが憲法保障なんです。現在、こういった位置付けと認識でこの審査会が動いていますか。  憲法九十九条では、総理を含む国務大臣、国会議員などに憲法尊重擁護義務があることを定めています。仮に憲法に違反する行為等を権力者が行ったり政府が憲法上の疑義のある改憲に走ったりした場合、権力分立、チェック・アンド・バランスの一翼を担う、これは国民の代表ですから、国の唯一の立法機関である国会が政府の行為が憲法に違反しないかを議論するところであり、そういう見識を持っていると憲法上みなされているのが国会なんです。  どうも現在の憲法審査会の動きはそうなってはいないのではないかと、主権者国民がしっかり見ていると思います。行政監視というのは国民の代表としての国会の役割だということで、行政と一緒にやることではないということですね。  法の支配の内容の一つにまた適正手続ということがあります。この国民主権に基づく主権者の改憲要望、あるいは国民から沸き上がった改憲なのかというのが問題になります。  審査会の在り方自体も問題です。現状の審査会は、国家権力による憲法改正事項の発掘をしているような様相に見えます。お試し改憲などとも言われて、憲法という最も重たい条文のどこをどう変えるのか、幾つも案を出し、明確でない中身です。通常の改憲の必要性が国民から沸き上がり、それに応えてのための合議体ですね、ほかの合議体を設置、議論するのが本来の筋かもしれません。国会ではなくて、別の合議体というのが海外ではあります。改憲したいという政治的信念の押売で、法の支配に反するだけでなく、典型的な立憲主義にも反するやり方であると思います。  そして、国家権力は、憲法違反をした場合、制裁が付いてきますでしょうか。ちなみに、憲法違反を明確、故意にですね、故意に侵した場合に、憲法裁判所に訴追し、大統領を罷免するという手続が憲法に書かれているドイツ基本法もあります。  憲法はどのような日本国家を目指しているか。これは明白に、平和国家、民主国家、人権保障国家です。この基本原理を確認し、立憲主義に基づく憲法審査会となっているんでしょうかと。立憲主義は、国民の基本的人権などを守るため、国家権力によって、国家権力を憲法によって制約することですけれども、国家権力が憲法の制約を緩めるための方法を常時模索しているこの形に異常に問題があると映っています。  国家権力担当者が負うのは憲法尊重擁護義務であって、擁護義務と同じように課されている国会議員は、擁護義務を同じように課されている国会議員は、憲法改正案を作る義務を負っているわけではありません。これは絶対憲法に書かれていないことです。勝手に憲法上の義務をつくり出しているというのが問題だと思います。  かつて、これは一九五三年ですけれども、防衛力増強を日本がしていることに対して、日本側は、とても難しいと、だから簡単に予算は付けられませんと言っています。この措置をとることに対して、法律的な制約というのが憲法だというふうにアメリカに述べています。今、そのような法律的制約あるいは法的制約というものをどんどんなくしていこうという、そういう方向に向かっているんではないかと思います。そして、断ったもう一つの理由が、自然災害が多く、その対策費用が掛かるから防衛費用は増やせませんと言ったわけですね。  そして、最後に、岸田首相が任期中に改憲を行う旨の発言をしたということですけれども、これは法の支配になっていますか。人が支配しているんじゃないですか、いつまでに憲法を変えなさい、変えましょうと。  そういうことは、法の支配の理解が不十分だということで、問題点はまだまだありますけれども、今の憲法審査会は違憲の問題がある、そこまで言っておきたいと思います。

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