○参考人(牧原出君) 私は、東日本大震災のときは仙台におりましたので、東北地方のいろいろな復興を見ました。おっしゃるように、当時も、どれだけやはり津波で被害を受けた地域を復興するときに集約するかということでやはり問題になり、いろいろな手続の中でそれを進めていったわけですが、やはり当時見ていても、非常に市町村の首長さんや職員の方々が、地域コミュニティーの人と、もうかなり厳しい批判も浴びたりしながら、その集約をどうするか、あるいは移転をどうするかということを進めていったことを非常に覚えております。
ですので、支援は非常に重要ですけれども、やはりまずどういう意思をその地域が地域として集約できるかということがあり、その意思がどれだけ、どれだけその意思を尊重するために公助が、公助の支援ができるかという、その二つを兼ね合わせながらやはり復興は進んでいくと思いますので、全てがその住民の意思どおり通るということでは必ずしもやはりない。東日本大震災でもそうではないわけですね。
ただ、そこ、何がどういうふうな方向に行きたいかということをなかなか決めにくい、そういう集落に対して、やはりこれは行政が、先ほども言いましたけど、アドバイスをしたりしながら考えていく必要がある、その行政の担当者はその地域の情報がよく分かっている人がやはり望ましいということになるんだと思います。そういう意味で、やはりこの共助の在り方が問われているんじゃないでしょうか。
東日本大震災のときに私が非常に感じ入ったことは、そのいろいろアーカイブを作っていくわけですけど、自助と公助のアーカイブというのは比較的そういう資料は作りやすい、だけど、何が共助かということを考えていくと、共助のいろいろなドキュメントとか資料というのはなかなか残せないし、それが共助だと認めにくいという話を聞きました。
ただ、実はやはりここが一番ポイントでありまして、特に今のような限界集落についてどう議論するかということは、やはりその共助の問題だと思います。外部から、コストが高い、掛かるから移転すればいいというようなことではないだろうと。しかし、そこでなかなか維持しにくいこともあるだろうということも、まあ地域によってはあると思います。しかし、それをもし維持するのであれば、やはりこれは自治の力というのはどうしても必要なので、その自治の力をしっかり持っていただくしかない。ただ、それを自分たちだけでやるのか、例えばNPOとか外からいろいろなそのサポートがないのか、先ほど人羅参考人のおっしゃった関係人口ですけど、そういうものを呼び込んで頑張っているところもあるわけですよね。ですので、ここは難しいんですけど、限界集落に見えても非常に頑張れるところもあれば難しいところもあるということだと思います。
そして最後に、やはり今回、能登半島沖地震でいろいろ言われている、その高齢化率が四〇%、五〇%になった場合どうかということは、実は、ただ、東日本大震災のときはまだ余りそこまで議論になっていなかったんですね。これから、まあ人口減と言いましたけれども、十年以上掛かって、地域でそういうところが、つまり人口、高齢化率がぐっと上がる地域が増えてそういう集落が増えてくると思います。これに対してどういう支援ができるか、復興の道を描けるかというのは、実は必ずしもこれまで経験したことがないことで、今回、能登半島沖地震でも問われていると思いますし、今後起こるであろう大災害において、そういうその高齢化率が非常に高いコミュニティーをどうするかということ、これは恐らく大きな政策課題になると思います。
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