○石垣のりこ君 私は、ただいま可決されました重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会・教育無償化を実現する会及び国民民主党・新緑風会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずるべきである。
一 重要経済安保情報の運用に当たっては、衆議院及び参議院の情報監視審査会からなされた指摘や改善事項を含め、特定秘密の運用の蓄積を踏まえ、情報保全の必要性と国民の知る権利のバランスに十分配慮すること。
二 本法の適用に当たっては、これを拡張して解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならず、国民の知る権利の保障に資する報道又は取材の自由に十分に配慮しなければならないこと。
三 同盟国・同志国との間で重要経済安保情報を含む機密情報の共有が円滑に進むよう、必要となる国際的な協力枠組みの構築の推進に努めること。また、大企業のみならず、中小企業やスタートアップ等が適合事業者として認定され、国際共同研究に参加すること等を通じて、我が国の産業競争力を維持、強化できるよう、官民の協力体制の構築や必要な支援を行うこと。
四 国際的な協力枠組みの中などの必要な場面において、外国政府等に本法に基づくクリアランス保有者であることを確認する仕組みの在り方について検討を行い、必要な措置を講ずること。
五 本法により創設される新たな制度の具体的な中身を国民に分かりやすくかつ正確に説明することを通じ、官民双方において、情報保全の重要性に対する理解が広く醸成されるよう努めること。
六 本法に基づく重要経済安保情報の指定・解除、適性評価の実施、適合事業者の認定等を行うに当たっては、指定される重要経済安保情報の総量及びその取扱業務の最適な規模をできるだけ具体化すること。また、各行政機関が行う重要経済安保情報の指定は、合理的で最小の範囲において行わなければならないこととするよう、独立公文書管理監等が適宜、検証や監察を行うこと。なお、独立公文書管理監の独立性を確保するために必要な方策について検討を行うこと。さらに、国会が監視機能を十分に果たすため、国会からの情報提供の求めに対しては誠実に応じること。
七 重要経済基盤、重要経済安保情報の範囲を明確にするとともに、恣意的な指定がなされないよう、指定の具体的な基準を運用基準で分かりやすく示すこと。加えて、運用基準に公益通報の通報対象事実その他の行政機関による法令違反の事実を指定し、又はその隠蔽を目的として、指定してはならないことを明記すること。また、技術革新等の経済安全保障分野における変化の速さ等に鑑み、情報の指定・解除を柔軟かつ機動的に行うため、行政機関の担当職員の技術に関するリテラシー向上に鋭意取り組むとともに、指定要件の充足性について随時見直しを行い、国民の知る権利が侵害されないよう留意すること。
八 重要経済安保情報に指定される前から民間事業者が保有していた情報については、その取扱いについて民間事業者が責任を問われないことを明確にし、広く周知すること。
九 適性評価を実施するに当たっては、対象者やその家族及び同居人のプライバシーが侵害されることのないよう十分に留意するとともに、収集した個人情報は厳重に管理すること。また、適性評価の結果等を重要経済安保情報の保護以外の目的のために用いてはならないという、目的外利用禁止規定の実効性を担保するため、禁止行為を運用基準で明記するとともに、禁止行為の遵守を行政機関と適合事業者との契約においても求める等、可能な限りの対策を講ずること。特に個人情報保護法との関係においては、個人情報保護委員会が適宜、監視・監督を行うこと。
十 民間事業者や適性評価対象者等への配慮として、適性評価における本人の真の同意、評価結果と理由の速やかな通知と苦情の申出の適切な処理を確保するための方策(契約への明記、十分な情報提供、通報・相談窓口の設置等)を検討し、運用基準等において必要な措置を講ずること。
十一 適性評価調査への不同意や評価結果を理由とする不合理な配置転換・解雇等の労働者への不利益な取扱いの防止のためには、事業者と重要経済安保情報の取扱いの業務に当たることが予定されている労働者との間の意思疎通が重要であることに鑑み、事業者の実情や事業の実態に応じた、労使間の協議も含めた適切な意思疎通が行われるようガイドラインを作成すること等を検討すること。
十二 適性評価を実施するに当たっては、対象者の弱みを握り情報を引き出す活動との関係についても十分留意しつつ、本法が定めた調査事項に基づき公正で実質的な調査を行うよう努めること。また、本法第十二条第二項第一号に規定される「重要経済基盤毀損活動との関係に関する事項」が何を指すのか可能な限り具体的な内容を明確化すること。加えて、調査事項に関係しない評価対象者の思想、信条及び信教並びに適法な政治活動、市民活動及び労働組合の活動について調査してはならないことや、調査の過程で調査事項に関係しない情報を取得した場合には、これを記録してはならないこと等を運用基準に明記すること。
十三 適性評価調査を行う内閣府や適性評価を行う各行政機関における実効的な体制整備を速やかに進めるとともに所要の予算を確保すること。また、評価結果を通知するまでの期間を可能な限り短縮化し、民間事業者の事業活動を阻害しないよう努めること。
十四 特定秘密保護制度を始めとする既存の情報保全の仕組みとの整合性、とりわけ、法人に対する両罰規定について見直すべき箇所がないか検討を行うこと。
十五 重要経済安保情報の漏えいや不正な取得を行った場合の罰則について、罰則の程度と抑止力のバランスを適宜検証し、本法施行後の状況を踏まえ、必要があれば速やかに見直しを検討すること。
十六 中小企業等が事業を継続するために適合事業者の基準を満たす必要が生じた際に、中小企業等にとっては必要な施設整備等のための負担が大きくなることが考えられるため、政府からの協力要請に応じて重要経済安保情報に触れることとなる場合等、経緯や実態も踏まえて、支援の在り方について合理的な範囲内で検討すること。
十七 適合事業者が重要経済安保情報を適切に保全できるよう、施設設備の基準等を作成・公表すること。また、「外国による所有、管理又は影響」(FOCI)を管理する制度の整備について検討した上で、適切な措置を講ずること。
十八 重要経済安保情報の指定を含む政府の政策決定プロセスに外国勢力等の不当な影響が及ぶことにより、国益を損なうことのないよう留意すること。
十九 本法の適用に当たっては、産業分野の公正な競争環境が毀損されることのないよう十分留意すること。
二十 民間事業者や独立行政法人が保有している情報であって国として経済安全保障の観点から保護が必要と考えられる最先端技術等について、民間事業者等が必要となる対応をとれるような環境を整えていけるよう、指針策定の妥当性も含め検討すること。
二十一 技術は我が国の自律性・不可欠性の重要な一部を構成するものであり、その流出防止は経済安全保障上喫緊の課題であることを念頭に置き、我が国の国際競争力の維持に支障を及ぼすこととなる国外流出を防ぐため、早急かつ徹底的に技術流出・技術管理対策の強化に取り組むこと。
二十二 経済安全保障に資するインテリジェンス能力を更に強化するため、政府全体における情報の収集・分析等に必要な体制を整備するとともに、関係省庁間における必要な情報の共有についても強化を図ること。また、本法の趣旨に鑑み、経済安全保障に資する情報について、民間を含む関係者への提供についても配意すること。
右決議する。
何とぞ委員各位の御賛同をいただけますようお願い申し上げます。
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