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寺田静 ·各派に属しない議員

参議院農林水産委員会(2024-03-21)での発言

第213回国会 ·第第2号号 ·3,347字
○寺田静君 秋田県の寺田と申します。  冒頭、坂本大臣の御就任、お祝い申し上げます。  そして、昨年から熊の指定管理鳥獣への指定をお願いしてまいりましたけれども、指定に向けてこの間御尽力をいただきました農水省の皆様、政務の皆様、とりわけ鈴木副大臣には、お隣の山形の被害も大きかったということもあって、心に掛けていただいたものと深く感謝をしております。この熊の出没、人身事故が昨年全国一であった秋田県も、これで熊対策、使える予算が増えるということで安堵をしております。  県の熊対策専門官からもお話を聞いてまいりました。北海道で熊対策に携わった後に東北で初めてこの熊対策専門官として秋田に来られた方でありますけれども、この熊対策をする中で秋田の印象を聞いたところ、もちろん農業被害の現場では収入に直結をするということもあって、とにかく早く捕まえてくれと言われることもあるけれども、でも、秋田はこの熊に悩まされながらも熊のことを悪く言う人がいないというのが印象深いと言われました。この近藤さんは、この専門官、近藤さんとおっしゃる女性ですけれども、被害があった現場に駆け付けると、そこで言われることは、熊は何もしなければかわいいと、山にさえいてくれればと、私たちの生活もあるから駆除は仕方がないけれども、でも熊にも生活があるんだよなと。襲われた人でさえも、走って逃げていくお尻がかわいかったとか、この熊との絶妙な距離感を持っているのが秋田の人たちだというふうに教えていただきました。  昨年、駆除が続いて全国からたくさんの御批判の電話が県庁や市町村に来ましたけれども、この指定管理鳥獣になることで、生息数や生息地の調査、熊との共生、すみ分けのために、この対策のためにも予算を使うことができると、非常に有り難いことだというふうに思っております。  さて、大臣への質問は初めてになりますので、私から少し、私自身の問題意識を共有させていただくために、この少子高齢化のトップランナーであり、農業が基幹産業である秋田県の実情をお伝えをしながら、大臣の農政に懸ける思い、これからの農家や農村の姿、そして、先ほど来質問が続いております食料自給のこの在り方などについてお伺いをしていきたいというふうに思います。  農水の委員になって一年半がたちますけれども、これで大臣が三人目となります。坂本大臣には御責任はないわけですけれども、そのたびにこの秋田の実情などをお伝えしながらというところが、ずっと農水の委員でいらっしゃる議員の方々に申し訳ない思いがありまして、是非大臣には長くお務めをいただきたいというふうに思っております。  さて、日本全国に先駆けて高齢化が進む秋田県ですけれども、既に高齢者も減り始めております。毎月千人以上の人口減少が続いて、昨年一年間でおよそ一万六千四百人減っています。毎年、町が一つなくなるほどの規模の人口減少の勢いです。私の両親も含めてですけれども、これからは団塊の世代がこの健康寿命が厳しくなっていくと、人生を閉じていくというタイミングに重なることもあって、この流れは残念ながら加速をすると指摘をされています。  農業従事者の多くがここ五年から十年ぐらいで離農してしまうと、県全体で非常に強い危機感を持っております。新規就農者、もちろん増えてはおりますけれども、団塊の世代の農業従事者のリタイア、このボリュームを埋められるものでは到底ありません。  この大規模化とスマート農業というところは是非進めてほしいというふうにも思いますけれども、県民としては、どうしてもそれにそぐわないこの中山間地、条件不利地というところがやはり取り残されるのではないかというところを非常に心配をしているところです。  冒頭にもお話をさせていただいたところでもありますけれども、その原因の一つであるのも熊のことがあると思っています。  熊の出没通報件数、秋田は昨年突出して多くて、冬に入っても冬眠をせずにいる熊もあって、昨年から今年一月末までの出没件数は三千六百七十八件でした。もちろん、これは警察などに通報があった件数ですので、畑を見に行けば熊を見るのはもう連日のことだとか、あるいは、見かけたときは運転中であったということで通報しない、できない人もたくさんおられるということを考えれば、この目撃件数というのは途方もない数になるだろうというふうに思っております。  出没目撃件数ももちろんですけれども、今年一月末までの人身事故も七十件、お隣の横沢さんの岩手県でも五十件ほど、この両県の県境にいるということもあって、この二つの県で双璧を成しておりますけれども、事故や出没件数はこの秋田が全国一というふうになっています。  どうして熊が増えていると感じるのかと。それは、熊の数が必ずしも増えているわけではないということもこの専門官の方から教えていただきました。では、体感として熊が増えていると感じるのはどうしてなのかと。それは、やっぱり熊が人間の生活圏側に生息圏を拡大をしてきているからだというふうに言われました。  当然ながら、この農業被害も深刻になっています。農業従事者の方々も、農作業中にふと振り向いたら後ろに熊がいたと、大きな声を出したら山の方に走って逃げたというふうにおっしゃる方もありました。こうした山が近い場所、効率も悪く、作業にも危険が伴うということもあって、また、作っても熊にやられてしまうということもあります。程なくこうしたところは耕作放棄地となる可能性が高いだろうというふうに心配をしています。  そうなりますと、山と人里との緩衝地帯が更に減って、人里に熊の生息域が更に拡大をしてくるだろうというふうに思っています。この大規模化とスマート化で人手が掛からなくなるということはすばらしいことではありますけれども、少ない人手で回せると、イコール人の往来がますます減って、すなわちこうした緩衝地帯を手入れをする人もいなくなるのではないかということを心配をしております。  横沢委員への御答弁の中で、大臣は、集団化できるところは自ら規模拡大も頑張ってくれというようなお話をされていたかと思います。ただ、事業継承した若手農家の方からお話を聞いても、やっぱりやれるところは既にやっているのではないかなというふうにも感じるんです。  集落の中で、高齢だからもう作業が無理だといって農地を引き受けてくれないかと言われることがもう次々とあると。でも、やっぱり限度があるんだと。田植や稲刈りなどのこの忙しい時期は集中をしているので、人手が必要になります。米農家だと、年間を通して人手が要るわけでもないので、人を雇うことがどうしても難しいと。まして冬場は数か月雪に覆われますので、仕事が全くなくなってしまうと。自分だけだったら仕事がある他の作物を扱う農業法人や除雪などを手伝ってやり過ごせるけれども、社員を雇えば、契約や保険の関係でそういうわけにもいかないんだと。以前はそれなりにまだ集落に人がいたから、ちょっとそんな時期だけ手を貸してくれと言えば頼める人もいたけれども、今はそうした人手がもうどこにもないと。手持ちの農業機械でやれるものの精いっぱいを引き受けているから、これ以上やるんだったら追加購入も必要だし、その分の小屋も広げないといけないと。今ある機械の更新だって必要なんだから、そういうお金のことを考えても、これ以上農地を引き受けることなんてやっぱりできないんだというふうに言われました。  ただ、その一方で、周辺の農地が荒れれば自分のところにも影響があるんだと。本当に苦しいと。やっぱりどうしてもこの二十年、三十年後の農村集落の姿というのが描けないんだというふうに言われました。  衆議院の質疑の中で国全体のお話をされていて、それは国会なので当然のことではありますけれども、今日は、この例えば東北、この秋田のようなところ、農業が基幹産業である東北の一自治体の集落がこれからどうなっていくのかというところ、この大臣の思い描く姿をお伺いできればというふうに思います。

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