○舩後靖彦君 れいわ新選組、舩後靖彦でございます。本日もよろしくお願いいたします。
国会議員となり、障害のあるお子さんの高校受験に関わるようになってから、三月は私にとってうれしくもあり、つらい時期でもあります。今年は千葉県と静岡県の脳性麻痺のお子さんの高校受験に関わりました。千葉県の受験生については、衆議院文部科学委員会で田嶋議員が質問されていましたので、大臣も御記憶のことと存じます。
この受験生は、障害ゆえに筆記に時間が掛かるため、合理的配慮として一・五倍の受験時間延長を申請しましたが、一・三倍しか認められず、相談されてきました。理由は、一・五倍の延長は前例がないこと、二教科でヒアリングの試験があり、ほかの生徒が二教科目の試験を受ける際に問題が全館放送で流れるので、この受験生が事前に問題を聞いてしまうということでした。
合理的配慮は個々の障害に応じて個別に検討されるもので、前例のあるなしでなく、本人にとって必要かどうかで判断されるべきです。この受験生の場合、中学校で試行錯誤を繰り返し、学校側が一・五倍の時間延長が妥当として学校の試験をやってきた実績があります。また、ヒアリング試験については、この受験生の一教科目の試験開始時間を早める、二教科目のヒアリングの問題が流れている間、ヘッドホンを付けて聞こえなくするなど、対応方法はあります。一・五倍延長を断る理由にはなりません。結果的に、千葉県教委が一・五倍の受験時間延長を認め、この受験生は合格しました。
もう一人の静岡県の受験生は、昨年、市立高校一次募集、二次募集とも定員内不合格で浪人、今年は県立高校を受験しました。この受験生は、脳性麻痺による四肢麻痺、言語障害、知的障害があります。昨年の受験では、介助者による問題の読み上げ、解答の代筆、一・五倍の時間延長は認められました。しかし、言葉で意思を伝えるのが難しく、記述式では時間延長しても解答欄を埋めることはできません。そこで、選択肢での解答に変更を求めましたが、市教委、県教委から、ほかの受験生との公平性を確保するため認められないと回答があり、相談がありました。
障害のない受験生であれば、選択肢の解答と記述式の解答では明らかに不公平です。しかし、この受験生の場合、解答方法を選択肢に変えなければ、ほかの受験生と平等、公平に受験に参加することはできません。私は、話合いにも参加、東京都では一九八七年に選択肢への変更が行われており、ほかの自治体でも同様の合理的配慮事例があることを説明しましたが、対応は変わりませんでした。
今年は、早くから県教委と合理的配慮について協議を重ねました。その結果、ほかの障害のない受験生と平等に学力検査の土俵に上がるために解答方法の変更は必要なことを理解いただき、全問選択肢への変更が認められました。また、受験の際の介助者も、本人とコミュニケーションが取れる慣れている人ということで、卒業した中学校から派遣され、現在通所している事業所のヘルパーの同席も認められました。
ようやく学力検査に臨める体制が整いましたが、実際の受験で大きな問題が起きてしまいました。県教委から派遣された試験監督が受験生の意思表示、介助者とのコミュニケーション方法を理解できず、受験生が選択肢のカードを取捨選択する方法が認められなかったのです。
受験生は、脳性麻痺の不随意運動があり、カードが何枚もあると集中して見ることができません。そのため、受験生が選んだカード以外は介助者が一旦脇によけ、選んだカードでいいのか介助者が確認する、ほかのカードから選び直すことを受験生が求めたら残りのカードを一枚ずつ確認するという取捨選択方法をしてきました。しかし、監督者は、よけたカードを元に戻し、全てのカードを並べた状態で選ぶよう指示しました。そのため、障害のない受験生がやっている取捨選択プロセスが認められず、本人の意思を生かす形での解答ができませんでした。
静岡県教委は、丁寧に本人、保護者と協議を重ね、受験生と介助者との間でどのように意思確認、意思疎通を図るか検討してきました。しかし、実際の受験会場でシミュレーションをする機会は一回しかなく、県教委から派遣される監督者は不在でした。昨年の記述式の試験に立ち会っていたので問題ないと県教委は判断したようですが、選択肢のカードを選ぶときの受験生と介助者との意思確認、コミュニケーションのやり方を見ていなかったことが今回の事態を招いた大きな原因と言えます。
千葉県、静岡県での合理的配慮提供の問題に関わり、私はいろいろ考えさせられました。私の要望に応え、文科省は二〇二二年十二月、高等学校入学者選抜における受検上の配慮に関する参考資料を作成し、基本的な考え方や配慮事例を取りまとめました。そこには、配慮の提供においては、円滑かつ適正に配慮を実施できるよう、事前に当日の対応者が当日と同じ環境でシミュレーションなどを行うことが例示されています。
静岡県の受験生に対する対応は、手続的にも、また試験監督の在り方としても適切でなかったと考えますが、大臣、いかがですか。
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