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浅田均 ·日本維新の会・教育無償化を実現する会

参議院本会議(2024-02-02)での発言

第213回国会 ·第第4号号 ·7,968字
○浅田均君 日本維新の会、浅田均です。  教育無償化を実現する会との統一会派を代表して、総理に質問いたします。  初めに、能登半島地震で犠牲になられた方々と御遺族に謹んでお悔やみを申し上げます。また、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。  被災地で救助、復旧に尽力されている自衛隊、警察、消防、自治体など、関係の皆様に深く敬意を表し、感謝申し上げます。  羽田空港で被災地へ飛び立つ直前に衝突事故で命を落とされた海上保安庁職員の御冥福をお祈りいたします。  あわせて、在日米軍による物資輸送等の支援をしていただいたアメリカや、市民から寄附金を募っていただいている台湾を始め、世界各国、地域政府、関係機関の御厚意に深く感謝申し上げます。  さて、今回の震災において、被災者が将来に向けて希望を持てる復興策と生活再建支援策が待たれていますが、そもそも補正予算を組まなかったのはなぜでしょうか。総理、理由をお答えください。  現在、国の被災者生活再建支援金制度による支援額は、改正された二十年前に比べ建築資材などの高騰により不十分であり、生活再建の呼び水として拡充は不可欠です。我が会派は、一月二十六日に、立憲民主党、国民民主党とともに被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案を衆議院に提出いたしましたが、総理は賛同していただけますか。  また、能登地域の交通環境を考慮すれば、自動車は生活必需品と言えます。地震や津波でなくした自動車の再取得のための支援も必要だと思いますが、併せて総理の見解を伺います。  災害対応においても、デジタル技術の導入など、デジタルトランスフォーメーション、DX化が求められています。  マイナ保険証の普及促進は被災者支援のための重要課題です。  特に災害時においては、処方箋がなくても必要な薬を受け取れることを始め、被災地における疾患の症状や必要な薬などの情報が迅速に把握でき、医療支援がスムーズに行えることが期待できます。防災DXとも呼ぶべき災害対応デジタル化の核になり得るマイナ保険証の普及をどのように進めていくのか、具体的にお示しください。  文科省所管の防災科研が昨年七月に二〇二三年基準の地震動予測地図を公表しました。この地図によると、千葉県から紀伊半島、四国にかけての太平洋岸が二六%以上一〇〇%以下の紫色に塗られているのに対し、能登半島は黄色に薄い黄色が点在しているように見えます。薄い黄色は確率論的地震動予測はゼロから〇・一%、黄色は〇・一から三%です。耐震化率が低かった等報道されていますが、こういう地図を見せられたら耐震補強のインセンティブは下がると思われます。  総理はこのような地震動予測地図はこれからも必要であるとお考えですか。今後は、災害に対する人、物、金は、予測から即応体制の確立強化にシフトさせるべきと考えますが、見解をお聞かせください。  次に、地方制度改革について質問します。  能登半島地震の発災当日深夜、大阪市消防局を始め多くの消防が石川県に派遣され、人命救出に大きな役割を果たしました。その迅速な活動に敬意を表したいと思います。  しかし、消防局では体制や規模に限界があることは事実です。今後、西日本の大規模災害に対する危機対応を強化するために、東京消防庁と並びの規模や装備を持つ大阪消防庁を設置し、双方で日本全国をカバーする危機対応体制を考えていますが、総理の見解をお示しください。  また、能登半島地震では、水道、電気、通信、道路などのライフラインの遮断を防ぐことはできませんでした。首都直下型地震への備えを一層加速すべきです。  総理は首都のバックアップ機能をどのように考えていますか。関西圏に副首都を構築し、政府機能の維持を図るべきではないですか。  副首都の構築にとどまらず、東京と大阪の二極型国家を経由して多極分散型の国家を実現し、リスク分散と同時に地域の課題に地域が自主的かつ創造的に関与できるようにすることは、災害対応を始め広域行政課題への取組のみならず、日本経済を牽引するエンジンを増やすことにつながります。  総理を本部長とする道州制特別区域推進本部は長く実質休眠状態ですが、地域主権型道州制を実現することの必要性についてどうお考えですか。認識をお聞かせください。  一方で、国家の自立という理念の実現には、基礎自治体レベルで自立できる地方制度を確立することが欠かせません。十年、二十年先の地方の人口減少を見据えると、地方の統治機構改革も先延ばしできない課題です。  そもそも市町村は、人口三百七十万人の政令指定都市である神奈川県横浜市から人口百六十人を下回る東京都青ケ島村まで、多様な人口、環境を持ち、事務負担や財政上の能力も全く異なりながら、二元代表制と同一の地方財政制度の上で、地方自治法に規定された枠内で事務を実施しています。  翻って、海外に目を向ければ、建国当初からの自治の伝統を持つ米国では、自治体の執政制度に複数の型があり、合併や新設も行われています。警察と消防以外の行政サービスを民間に全て委託した例すらあります。  人口減少が続く日本においても、多様な自治制度を整備すべきではないですか。同時に、基礎自治体の住民サービスを持続可能なものにするためには市町村合併は不可避と考えますが、併せてお考えを伺います。  次に、自民党の裏金について質問いたします。  自民党の政治と金の問題をめぐっては、派閥の政治資金パーティーのパーティー券をノルマ以上に販売した議員が派閥からキックバックを受け取り、それを政策活動費とかたって裏金化した例が相次いで発覚しました。  現行の税法上、政治資金パーティーの収益は政治資金として非課税であり、これ自体が議員特権となっています。このまま非課税扱いとすることは納得できないという声が多いですが、どのように受け止めておられますか。  幾ら政治資金パーティーの収益が非課税とはいえ、政治資金収支報告書に記載していないのであれば政治資金ではなく、その収入は雑収入であり、民間であれば無申告による脱税にほかならないと考えますが、どう認識されていますか。併せて自民党総裁として答弁を求めます。  次に、成長戦略について質問いたします。  私たちが目指す方向は、小さな行政機構と大きな民間経済です。そのために、民営化と規制改革を徹底し、成長の果実が分配され、循環する経済の確立が必要です。  昨年十二月十三日に発表された資産運用立国実現プランでは、資産運用業の改革に資する施策として金融・資産運用特区を創設するとしています。  しかしながら、国際金融都市の競争相手となる欧米各国と比べ、我が国には課題が山積しています。その一つが競争の不足です。  米欧各国では、国内で多数の金融市場がしのぎを削り、世界の投資家のニーズに沿えるよう多様な金融商品を提供しています。これに対し、日本の市場は事実上、日本取引所グループの寡占状態です。競争原理が働かない環境下では世界と伍していくことはできません。  取引所に対して過度に規制する状況を速やかに是正して、世界に評価されるよう金融市場を早期に育てていくべきだと考えますが、見解を伺います。  次に、同一価値労働同一賃金について質問します。  これまでの終身雇用や年功賃金を特徴とする日本型雇用慣行は、もはや社会の潮流に乗り遅れた遺物でしかありません。一人一人の豊かさの実現のためにも、日本経済の成長発展のためにも、今こそアウトプットベースの評価である同一価値労働同一賃金を掛け声だけでなく実社会で実現し、結果を出した人には立場によらず相応の評価をすることで民間経済の力を引き出す必要があると考えます。総理のお考えをお聞かせください。  日本経済を持続的に成長させていくために鍵となるのは、イノベーションと人材です。そして、その両方を担うのが大学です。ところが、日本の大学の競争力は低く、これが日本経済全体の停滞を招いてきた重大要因だと考えますが、総理はどのように認識されていますか。  問題は、まともな経営をしていない大学が生き残れる仕組みになっていることだと考えます。大学が優れた教育や研究を競い合い、切磋琢磨する環境にするためには、どのような改革が必要だとお考えですか。  総理がライドシェアの解禁を唱えたのを受けて政府の検討がなされましたが、タクシー会社の人材確保を少し容易にする措置のみで、真にライドシェアと呼ぶに値しない結論しか出ておりません。供給と成長の原動力にすべく、タクシー業界以外からも新規参入可能な仕組みの導入と新法制定が必須です。タクシー不足危機が不可避な来年四月開幕の大阪・関西万博をにらめば、助走期間を踏まえて年内に本格解禁への法整備をなすべきだと思料しますが、総理のお考えを伺います。  次に、農業改革について伺います。  総理は施政方針演説で、地域の成長へとつなげていくべく農政を抜本的に見直すと述べました。農業を成長産業にするという目標は私どもも共有しておりますが、具体策では大きく懸け離れていると言わざるを得ません。  第一に、政府は米消費の減少を理由に水田から畑地への転換を進めようとしていますが、これは形を変えた生産調整、減反政策にほかなりません。畑地化政策は中止し、平時において米を原料とする商品の開発と普及、高品質で高く売れる米への品種改良など、米の需要拡大に本腰を入れて取り組むことこそ不測の事態に際しても国民に主食を提供できる食料安保体制であると考えますが、見解をお示しください。  第二に、農業の効率化、高収益化に向けての農地の集約化です。農地バンクへの貸付けを更に推進することにより、本格的農業経営者への農地の集約を加速させることが必要です。農地バンク登録農地については、農家の負担金なしに全額公費で大区画化等の土地改良事業を実施するとともに、固定資産税の減免など登録推進のインセンティブを付与すべきと思いますが、見解を求めます。  第三に、企業等の農業への新規参入の促進です。法人農地取得を日本全国で推進するためにどのような政府のイニシアティブを取るのか、明確にお示しください。その際、外国資本や外国人による農地、森林、水源地などの土地取得の制限、農地転用の厳格化、自治体等による買戻し制度など、国民と農家が安心できる仕組みを創設することが必要だと思いますが、見解を伺います。  第四に、農協改革です。地域農協から金融部門の分離を促し、農協が農業者の所得向上を全力支援できるように、生産者の売る力、販路づくりをサポートする組織に変えていくべきではないですか。また、農家の選択の幅を広げるため、農協の独占禁止、同一地域内での第二農協の設立自由化に踏み出すべきとも考えますが、併せて所見を伺います。  金融政策について質問します。  今年から始まった新NISAでは制度の抜本的な拡充が図られ、利用者が増加するものと考えます。一方で、海外株を組み込む投資信託に人気が集まっており、円売りドル買いによる流出規模は二兆円に及ぶとする民間の試算もあります。  これらの円売りドル買いの動きは輸入物価の高騰を誘発し、消費の減少を通じて景気の減速原因となりかねません。金利ある世界が普通の世界です。そして、金利は成長率を上回る、金利が成長率を下回るのはあり得ないというのがピケティの意見でした。金利と成長率に関する総理のお考えを伺います。  また、貯蓄から投資の流れを推進することは金融機関の安定性を支える粘着性の預金が減少することにつながりますが、金融システムの安定性への影響をどのようにお考えですか。  年金改革について質問します。  今年は公的年金の財政検証を控えています。前回、令和元年の財政検証は、出生率が一・四四とバラ色の前提を基に、年金が健全であると結論付けました。しかし、出生数は毎年三%の減少を続け、令和四年は七十七万人にとどまりました。将来も出生率は一・三六までしか回復しない見通しです。  金融庁は、夫婦で年金のほかに二千万円の老後資金が必要であると公表しましたが、今年の検証で必要金額は更に膨らむでしょう。  正確でないデータを前提にした検証はごまかしであり、意味がありません。前回の検証をどのように反省されますか。今年の財政検証では、年金の実情をありのまま、率直に反映すべきではないですか。  賦課方式は世代間格差が大き過ぎて公平ではなく、積立方式に転換すべきです。いずれ転換する事態になるのであれば直ちに検討を始めるべきと考えますが、どのようにお考えでしょうか。  次に、医療制度改革について質問します。  医療と介護の改革で問題なのは、医療・介護報酬が公定であるため、経済状況に即した賃金設定にならないことです。  不適切に低い賃金は従事者のモチベーションにも影響します。笑顔で働くために、市場に合わせた仕組みにすべきです。医療・介護分野において、労働の対価は経済状況に応じて適切に反映させるべきではないですか。  医療、介護の報酬制度は、わざわざコストを掛けて政府が実現したい方向に誘導することをやめ、市場に合わせた仕組みに改めてしかるべきではないですか。併せて見解を伺います。  薬事行政にも改革のメスを入れる必要があります。  新型コロナのワクチン開発で後れを取ったことを踏まえ、日本の医薬品の開発力をいかに評価していますか。また、政府として新薬開発を具体的にどのようにサポートしていくお考えですか。  令和六年度診療報酬改定で薬価引下げが決まりました。薬価は平成二年以降引下げが続いています。低過ぎる薬価設定では製薬業界にとって日本市場の魅力がなくなり、日本に新薬の薬事申請をしなくなれば、海外で使われている薬が日本で使えるようになるまでの数年の時間が掛かるいわゆるドラッグラグへとつながります。  日本国民が最新医療を受けるために、日本が製薬業界にとって魅力ある市場であり続ける必要があり、そのために薬価制度を改革すべきと考えますが、見解を求めます。  次に、司法制度改革について質問します。  司法制度改革を前に進めなければなりません。  昭和四十一年に発生したいわゆる袴田事件の再審開始が決定されました。再審請求した袴田巌さんは現在八十七歳ですが、これまで四十年以上を死刑囚として過ごしてきました。冤罪であるならば、これほどむごいことはありません。  再審の手続を定める刑事訴訟法の第四編は、明治時代に作られた規定をほぼそのまま引き継いだものです。戦前は確定した判決は変えないという法的安定性が真実の発見よりも優先されていましたが、現代においての再審は冤罪被害者の救済のための制度として位置付けられています。  直ちに明治時代の刑事訴訟法を改正し、戦後の民主主義と人権尊重の時代にふさわしい冤罪救済の再審制度を確立すべきではありませんか。  再審申請から再審開始まで数十年という異常な年月が掛かっている一番の原因は、検察が即時抗告、特別抗告を繰り返すことにあります。仮に不当な申請であっても、その真相は法廷で明らかにすべきであり、検察が再審を阻む理由にはなりません。  日本弁護士連合会は検察の不服申立てを禁止すべきだと主張していますが、不服申立てによって再審開始がいたずらに遅延することのないように、再審に関しての検察による抗告を制限すべきだと考えますが、認識を伺います。  政治家の不正など、巨悪を告発する組織として国民の検察への期待は大きいものがありますが、検察そのものも国家権力である以上、国民による監視、規制が必要です。近年目立つのは、立件前の捜査情報が検察からマスコミ等にリークされていると思われることです。これは、司法の大原則である推定無罪をないがしろにするものです。  検察からの情報リークは守秘義務に反し、国家公務員法違反の疑いがあります。厳しく監督し、是正すべきではないですか。  夫婦の離婚後の子の親権について、現行民法では父母のどちらか一方しか認めない単独親権となっており、実の子供に会うことができないとの訴えや、別居親が同居親から子供を無理やり連れ去ってしまう実子誘拐とも呼ばれる悲劇が全国で起きています。離婚後も両親共に我が子に関われるように、民法に共同親権の規定を取り入れてほしいとの要望が多くあります。  DVや虐待などの場合を除き、離婚後も父母が共に子の養育に責任を負うべきことを民法に明記する改正が必要だと思いますが、見解を求めます。  次に、NHK改革について伺います。  報道によると、政府は放送法の改正を検討しているとのことですが、NHKは民放各社と比較して予算が高い水準で推移しており、過大な受信料負担につながっています。組織を合理化し、抜本的な改革を行う必要があります。  日本維新の会は、令和四年に衆議院に提出した日本放送協会改革推進法案で、NHKは公共部門のみ担い、民間部門は民営化し、国民負担を軽減するよう求めています。我々の主張を取り入れ、真に国民から信頼される公共放送となるようNHKを再建すべきではないですか。所見を伺います。  最後に、外交、安保関係について質問いたします。  総理は、政治の安定こそが外交政策とおっしゃっています。政治と金の問題の余波で日本の政治が内向きであり続ければ、中国やロシア、北朝鮮といった周辺の専制主義国家が核をかざして一層傍若無人に振る舞いかねません。  防衛力の抜本的強化によってそれら諸国への抑止力、対処力を高めるとともに、毅然とした外交姿勢で隙を見せないという覚悟をお示しください。  昨年十月から始まったイスラエルとハマスの軍事衝突について、日本政府は、発端となったハマスによるテロ攻撃と以前から続くイスラエルの東エルサレム、ヨルダン川西岸での入植活動については、国際法違反としています。  イスラエルの反撃について、日本政府は自衛権として認めていますが、イスラエルが深刻な人道危機を引き起こしているガザ地区での過剰な軍事攻撃について、国際法違反とは明言しません。明らかにダブルスタンダードであり、アラブ諸国はこの日本の姿勢に不満を募らせていると聞いております。  総理、無辜の住民の犠牲も問わないイスラエルのガザへの非情な攻撃が自衛権の範囲と言えるのですか。明らかに国際法違反ではないですか。認識をお示しください。  報道によると、自民党副総裁である麻生元総理が先月、訪問先の米国ワシントンで、台湾有事について、日本の存立危機事態だと日本政府が判断する可能性が極めて大きいと述べ、日本は中国の台湾侵攻時に集団的自衛権を発動する可能性が高いという考えも示されました。  政府は、中国が主張する一つの中国の原則について十分理解し尊重するという立場を取っていますが、麻生元総理の見解と政府の方向性にそごはないですか。仮定のこととして逃げるのではなく、トップとして真摯にお答えいただきたいと思います。  以上で私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕

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