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小池晃 ·日本共産党

参議院本会議(2024-03-08)での発言

第213回国会 ·第第6号号 ·2,989字
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。  会派を代表して、所得税法等の一部改正案について財務大臣に質問します。  法案に入る前に、自民党議員による裏金問題について聞きます。  昨日の朝日新聞にこのような投書が載りました。「まじめに確定申告の準備をしている多くの国民と、派閥から受け取った裏金の使い先の説明もせず、責任も取らずに議席に平然と座っている議員。その間には、誠実さの差があまりにもありすぎる。 国民は、生真面目に納税義務を果たしている。その使用を委ねられている国会議員が、お金にルーズであってはならない。」。  大臣は、この声にどう答えますか。  自民党の調査では、パーティー収入の一部を政治資金収支報告書に記載せずに裏金化していた議員は八十五名、申告した不記載分は五年間だけで五億七千九百四十九万円に上ります。全国商工団体連合会の試算では、これらを雑所得とし、所得控除を適用せず、追徴税額に対する重加算税四〇%を適用すると、課税額の合計は少なくとも一億三千五百三十三万円になります。世論調査では九割以上が税務調査を求めていますが、大臣は今日も税務行政の中立性を盾に背を向けています。しかし、調査すらしなければ、税務行政の中立性がますます疑われるのではありませんか。お答えください。  もちろん税金払って済む話ではありません。裏金作りがいつから行われてきたのか、何のために使ったのかなど、徹底的な真相解明の上に、企業・団体献金の全面禁止が必要だと申し上げておきます。  岸田政権は、来年度税制改正の最優先課題は物価上昇を上回る賃上げだとしています。そこで、今回、赤字などで賃上げ分の控除ができない中小企業が五年間繰り越して控除できる制度が導入されます。しかし、ゼロゼロ融資の本格返済とインボイスによる新たな負担なども加わり、中小企業の賃上げの見通しは極めて厳しい状況です。東京商工リサーチによれば、賃上げが昨年を超えそうなのは全体の一割強にすぎない一方、昨年を下回りそうは全体の四割近くに上ります。  大臣は、現時点で赤字経営に苦しんでいる中小企業が、五年先に減税されるかもしれないからと賃上げに踏み切れるとお考えですか。  そもそも中小企業の多数は赤字であり、与党税制大綱も、賃上げに向けた税制措置のインセンティブが必ずしも効かないと認めています。税制措置が効かないと認めるのであれば、赤字企業も含めて中小企業への直接支援に踏み切るべきではありませんか。  多くの中小企業にとりわけ重くのしかかっているのが社会保険料の負担です。滞納を理由に資産が差し押さえられた企業は今年度上半期で過去最高となり、関連する倒産も増えています。日本の雇用全体の七割を支える中小企業が従業員を維持していくためにも、効果の見込めない賃上げ減税に投入する財源を社会保険料の負担軽減のために振り向けるべきではないでしょうか。答弁を求めます。  我が党は、大企業の内部留保への時限的課税で中小企業支援を進めることを提案してまいりましたが、大臣は二重課税に当たると背を向けてきました。しかし、政府も認めているように、二重課税を禁止する法令は存在いたしません。  与党税調も、内部留保が名目GDPに匹敵するほど積み上がった問題を指摘し、法人税改革は意図した成果を上げてこなかったとしています。行き過ぎた法人税減税が巨額の内部留保を生んだのですから、その活用のための時限的な課税を真剣に検討するべきではありませんか。  今回改正の目玉政策とされる所得税の定額減税は、世論調査が示すように国民の大半が評価していません。その理由は一体どこにあるとお考えですか。一回限りで、その後には増税が控えていると見透かされているからではありませんか。  物価高対策ならば迅速な支援が必要ですが、定額減税は多大な時間とコストが掛かります。月々の給与の源泉徴収から減税分を控除する仕組みのため、低所得で税金が少ない人ほど控除し切れず、減税に時間が掛かります。控除し切れない分を給付で補う仕組みにより膨大な実務が発生し、自治体への重い負担となります。全く非効率ではありませんか。  減税するなら消費税です。物価高対策、内需拡大の決定打となります。消費税の導入以来、三十六年間で消費税収の累計額は五百三十九兆円です。一方、その間の法人税の減収額の累計は三百十八兆円、所得税、住民税の減収は二百九十五兆円、合計で六百兆円を超える減収です。消費税が大企業と富裕層減税の穴埋めになってきたことは冷厳たる事実です。これを断ち切り、消費拡大の好循環をつくり出すためにも、消費税の減税に踏み出すべきではありませんか。  税制改正の大綱では、英国、イタリアと共同開発する戦闘機のために輸入する部品の消費税の免除がうたわれていますが、これを突破口にして軍需産業全体に消費税の免除を拡大するつもりですか。共同開発そのものが憲法から見ても断じて許されるものではありませんが、国民には消費税の重い負担を負わせながら軍需産業には免税など、理解が得られると思いますか。お答えください。  インボイス制度導入による税収増は平年度ベースで千七百三十億円に上り、例えば所得百五十万円の方に十三万円もの過酷な税負担となります。インボイス制度を考えるフリーランスの会の緊急アンケートでも、物価高で生活が立ち行かない中での増税で命の危機を感じるなど悲痛な声が寄せられています。こうした声にどう答えますか。大臣は複数税率の下での適正な課税のためと繰り返しますが、ならば、消費税を五%に緊急減税し、複数税率をやめて、インボイスも廃止すべきではないでしょうか。  今回、電気自動車や半導体などの国内生産を進めるため、戦略分野国内生産促進税制が創設されますが、減税額約二千二百億円のほぼ全てが大企業向けです。例えば、電気自動車の普通車を一台造ると法人税が四十万円減税されるなど、大企業は特定商品をつくればつくるほど減税されます。知的財産からの利益への課税を軽減するイノベーションボックス税制も新たに導入されます。これも九六%が大企業向けです。与党大綱で近年の累次の法人税減税は失敗したと認めたにもかかわらず、なぜ新たな法人税の大幅減税に踏み込むのでしょうか。  先日、法人税の租税特別措置による減税の実態調査が公表されました。二〇二二年の研究開発減税総額は七千六百三十六億円、そのうち上位十社だけで一千八百八十九億円で、全体の四分の一を占めます。租税特別措置による減税が特定の大企業に偏っていることを認めますか。今回の新たな法人減税により更に大企業に減税措置が集中するのではありませんか。  国際社会は、法人税の減税競争に歯止めを掛けるため、法人税の最低税率を定めるなど、行き過ぎた減税に歯止めを掛けています。今回の新たな法人税大幅減税は、この世界の流れにも逆行するものであります。  与党税調も、今後、法人税率の引上げも含めた検討が必要としています。法人税は、行き過ぎた減税を見直し、応能負担原則に基づく増税こそ必要ではないでしょうか。  明確な答弁を求めて、質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕

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