○榛葉賀津也君 私は、国民民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました帰朝報告に対し、岸田総理に質問します。
総理、訪米お疲れさまでございました。訪米中、永田町では見たことのないような、満面の笑みをたたえた岸田総理を拝見いたしました。総理、是非日本の国会でもあの笑顔を我々にも向けてくださいますようお願い申し上げたいと思います。
日米の蜜月を強調した岸田総理とバイデン大統領でしたが、両首脳に共通するのは、まさに内憂外患です。お二人が蜜月ぶりをアピールすればするほど、総理は九月の、バイデン大統領は十一月の自国での審判が懸念事項であると両国民は感じています。
〔副議長退席、議長着席〕
今回の首脳会談では、姿こそありませんでしたが、陰の主役はトランプ前大統領でした。バイデン大統領の言動の一つ一つがトランプ氏を意識したものである一方、トランプ氏復帰をやゆする、もしトラ、まじトラ、ほぼトラなどという言葉がささやかれ、今ではトランプ当選確実の確トラなる言葉まで流れ始めました。
総理、二〇一六年アメリカ大統領選挙における右往左往はもう懲り懲りです。十分予測されるトランプ氏再登場に総理はどのように備えているのか、また、我が国にトランプ氏と気脈を通じる人物が存在するのか、お伺いします。
今回の首脳会談は、日米関係が従来の盾と矛の関係から、より盤石で自立したグローバルパートナーとなる節目になりました。米国を軸としたバイの同盟関係を重視するハブ・アンド・スポーク型同盟から、同盟国同士が関係を強化するネットワーク型同盟網へと変容したとも言えます。その背景には、日米共通の脅威国の強大化と米国の国力の相対的な低下があります。言い換えれば、我が国が国際秩序の維持において、米国を頼る存在から頼られる存在に変化し始めているということでもあります。
総理、今こそ日本は対等な同盟国として、米軍優位の日米地位協定の見直しなど、主張すべきははっきりと主張すべきであることを強く訴えます。総理の御認識をお聞かせください。
今回の首脳会談の成果の一つが、日米両政府が防衛装備品の共同開発や生産に向けた協議体新設の合意です。五月末にも日米2プラス2を開催し、防衛産業分野でも連携を強化するとのことですが、軍事的影響力を強化する中国に対抗するためには、スピード感と更なる内容の充実が重要です。具体的に、どの種の装備品が共同開発、生産の対象となり、どのようなスケジュールで協議を推進するのか、総理の説明を求めます。
防衛装備品の協議には、防衛省のみならず、外務省や経済産業省の協力が不可欠です。協議体には、各省の事務レベルのみに偏らず、各幕や民間企業の意見を積極的に取り入れるべきと考えますが、総理の見解を求めます。
岸田内閣が防衛基盤の強化に尽力されていることは評価します。しかし、それを支える防衛装備庁の体制が全く不十分です。日米合意に基づく施策の着実な実施と同志国との関係強化のためには、防衛装備庁の定員、実員を大幅に増やす体制の強化が急務だと思いますが、総理の認識をお伺いします。
次に、日本製鉄によるUSスチール買収についてお伺いします。
USスチールの臨時株主総会で日本製鉄による買収案が承認されたにもかかわらず、百二十万人以上の組合員を抱える全米鉄鋼労働組合は反対姿勢を崩さず、政治問題化しています。労組票を意識したバイデン大統領も、外国企業による買収を審査する対米外国投資委員会の判断に先んじて事実上の反対姿勢を示すなど、日本側にとって極めて不利益な状況となっています。同盟国である日本企業の米国進出が安全保障上の問題になるわけがなく、このような恣意的な政治介入は、再び世界に打って出ようとする日本企業の出ばなをくじくものであり、我が国の成長戦略をも左右する重大な問題です。
日米首脳会談後の共同記者会見で、バイデン大統領は、私は米国の労働者に対する約束は守る、そして我々の同盟関係への約束も守るなどと禅問答のような発言をされました。
岸田総理は、日本企業と日本経済の利益を守るために米国に対してどのような主張をされたのか、お伺いします。
ウクライナ情勢に関する支援策についてお伺いします。
本年二月、日・ウクライナ経済復興推進会議が都内で開かれ、総理は、日本の戦後・災害復興の知見、民間の先進的技術を活用し、官民一体となってオールジャパンで取り組むと表明されましたが、総理、その具体的メニューは何ですか、御説明を願います。
ウクライナのインフラ復旧や経済再建の支援は、日本企業にとって大きな貢献の場となり得るはずです。ウクライナの復興と地域の安定のためにも、今回の日米首脳会談において、ウクライナ紛争の出口戦略についてどのような議論がなされたのか、総理にお伺いします。
次に、日米比の連携強化についてお伺いします。
フィリピンのマルコス大統領を交えての史上初の日米比首脳会談の成功を評価します。特に日米比の三か国においては中国、ロシア、北朝鮮からのサイバー攻撃が多発しており、新たな戦場と言われるサイバー空間において、三か国でサイバー攻撃に備える防衛網の創設に至ったことは極めて有用です。他方、我が国では一昨年三月に自衛隊サイバー防衛隊が新編されたにもかかわらず、肝腎な能動的サイバー防御の実現への取組が遅々として進んでいません。
総理、サイバー防御に関する体制の整備は焦眉の急です。一刻も早いサイバー防御の強化が必要です。能動的サイバー防御導入への進捗状況を総理にお伺いします。
日米比の懸案事項の一つが海洋権益の確保です。言うまでもなく、日本にとって南シナ海は、原油や天然ガスが通過する重要なシーレーンです。海上保安分野では、昨年六月に海上保安庁と米比の沿岸警備隊が初めて南シナ海で合同訓練を行い、海上自衛隊も同年八月にオーストラリアを含めた四か国で共同訓練を実施しました。
野方図な海洋進出を進める中国を念頭に、南シナ海等での合同パトロールなどの実施についてどのような協議がなされたのか、総理にお伺いします。
フィリピンの内政においては、マルコス大統領とドゥテルテ前大統領の長女、サラ副大統領との亀裂が表面化しています。マルコス政権の折り返し点となる来年の中間選挙と二〇二八年の大統領選挙を見据えて、対米関係を再構築するマルコス大統領と中国への融和姿勢を取るドゥテルテ家のさや当てが始まっています。
日米比の関係強化を揺るぎないものに深化させることは、安全保障上のみならず、半導体やデジタル、次世代原子力などの様々な分野での連携にも極めて重要です。フィリピンの大統領選挙の結果に左右されない日米比の連携強化のメカニズムを構築するべきと考えますが、総理の認識をお伺いします。
昨年、自衛隊とフィリピン軍の相互往来をスムーズにする円滑化協定の交渉が開始され、また、政府安全保障能力強化支援の一環として、沿岸監視レーダーシステムを供与することでも合意していますが、その進捗状況についても総理にお伺いします。
政局は水際まで。米ソ冷戦時代、トルーマン大統領が分断するアメリカ国民に訴えた言葉です。我々国民民主党は、岸田内閣の政治と金の問題など、不正を許さず、徹底的に全容解明を求めます。
他方、国家の存亡を懸けた外交・安全保障問題に関しては、国益を考えた議論を積極的に行い、また、憲法を始めとした日本のあるべき姿についても、対決よりも解決の姿勢で、スピード感を持って建設的な議論を積み上げていくことを申し上げて、私の代表質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
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API / MCP 利用
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REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=榛葉賀津也
MCP: search_diet_speeches(speaker="榛葉賀津也")