○国務大臣(坂本哲志君) 舟山康江議員の御質問にお答えいたします。
農業者や農地などの基本事項に対する答申での分析、評価についてのお尋ねがありました。
食料・農業・農村基本法が制定されて以降、約四半世紀において、人口減少に伴い国内市場は縮小し、基幹的農業従事者が半減する中にあっても、農業総産出額は九兆円前後を保っています。
また、担い手への集積率が六割であることや、販売額五千万円以上の経営体や法人経営体の増加など、望ましい農業構造の実現に向けて進展をしています。
一方、農村の人口減少は、以前は都市への人口流出が主要因だったものの、近年は出生減、死亡増に伴う自然減が主要因となっており、集落機能の低下を課題としています。
次に、これまでの政策の反省、見直しの方向性についてのお尋ねがありました。
国内人口減少、国内人口の減少に伴い農業者の減少が不可避となる中で、将来にわたって国民に食料を安定的に供給するためには、担い手の育成、確保を図りつつ、少ない人数でも食料供給可能な体制を整えることが必須だと考えています。そのためには、生産性の向上と付加価値の向上により、収益性の高い農業を実現することが重要であると考えています。
このため、需要に応じた生産を推進しつつ、農業法人等の経営管理能力の向上、農産物のブランド化による付加価値向上や輸出による販路拡大を通じた収入の増加、地域計画の策定を通じた農地の集積、集約化や、スマート技術の開発、実用化の加速化等による生産性向上等の施策を推進してまいります。
次に、最終答申への意見反映についてのお尋ねがありました。
全国十一ブロックで開催された地方意見交換会やホームページを通じた意見、要望の募集では、種子の安定供給、適正な価格形成、食育等を通じた国民の理解醸成、食品アクセスの改善、人口減少下における農地や農業インフラの維持などに関する意見が主なものとしてございました。
これらの意見については、その内容のほとんどが既に中間取りまとめの段階で網羅的に整理されていましたが、産地から集出荷場、そして貨物駅などへの輸送という、いわゆるファーストマイルに関するアクセスの課題などについては中間取りまとめに明記されていなかったことから、最終答申において追記されました。
国民民主党の提言書については、政府に対して多岐にわたる項目について提言をいただきました。その内容については、政府と見解の分かれる食料安全保障基礎支払の導入を除けば、食料安全保障の強化、環境と調和の取れた食料システムの確立、人口減少下における生産水準の維持と発展と農村の地域社会の維持など、その趣旨は基本法改正案に反映されていると考えており、具体的な施策は法案の成立後に具体化を進めてまいります。
次に、食料自給率についてのお尋ねがありました。
基本法制定以降、自給率は微減傾向にあります。これは、国内で自給可能な米の消費が減少していることなど消費面での変化が主な要因となっています。目標を達成できていない要因については、米の消費の減少等による自給率の低下分が想定より大きく、海外依存の高い小麦、大豆の国内生産拡大等による上昇分を上回ってきたことと考えています。
食料自給率の変化につきましては様々な要因が関係していますが、食料安全保障の確保の観点から最も大切なことは、国内生産を一層増大することにより輸入に過度に依存している状態を改善することだと考えています。
このため、麦、大豆、飼料作物や加工原料用野菜等の輸入依存度の高い品目の国産転換の推進や、米粉の特徴を生かした新商品開発等による利用拡大や、米の輸出促進等による米の消費拡大や販売促進を図ってまいります。
次に、合理的な価格形成と所得確保についてのお尋ねがありました。
近年の資材価格等の高騰は、生産から消費に至る各段階に幅広く影響が及んでおり、食料の持続的な供給を行っていくためには食料システムの各段階で合理的な費用が考慮されるようにしなければならないと考えています。
このため、農林水産省では、令和五年八月から、食料システムの関係者が一堂に集まる協議会を開催し、合理的な費用の考慮が行われる仕組みの構築に向けて協議を進めているところであり、この仕組みが機能するものとなるよう、丁寧に合意形成を図りながら、法制化も視野に検討を行ってまいります。
また、農業者の所得については、こうした価格形成の仕組みづくりに加えて、生産性の向上や付加価値の向上に取り組む農業者への支援を通じて収益性の向上を促すとともに、様々な経営環境の変化に備えて、収入保険等の経営安定対策や急激な価格高騰に対する影響緩和対策等を講じ、農業者の所得向上を図ってまいります。(拍手)
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