○三上えり君 よろしくお願いします。
会派立憲民主・社民の三上えりです。
ただいま報告がありました令和五年度政策評価等の実施状況及びこれらの結果の政策への反映状況に関する報告について、会派を代表して質問いたします。
参議院の行政監視サイクルのスタートとなるこの本会議も五回目を迎えました。行政監視機能の強化と政策評価の進展に本院の積極的な取組が積み重ねられてきた重みを感じます。我々は、決してこの行政監視サイクルを形骸化させることなく、不断の取組を続けていかなければなりません。
一方で、政権与党が国民の政治不信を増大させる状況に怒りを禁じ得ません。
五年前、私の地元広島における大規模買収事件は、政治への国民の信頼を著しく失墜させ、いまだ全容が解明されていません。さらに、今般の自民党裏金事件。これもまた実態が明らかにされぬまま、抜け穴だらけの政治資金規正法が十七年ぶりに改正されました。この法改正で国民の信頼を取り戻せると思っているのであれば、与党の皆さんの危機感のなさにあきれるばかりです。
国民からの信頼がなくなってしまった中で、冒頭、官房機密費の使い方について伺います。
本来、官房機密費は、国の業務又は事業を円滑かつ効果的に遂行するためと定められていますが、政府は具体的な使い道を明らかにしていません。
しかし、最近、この機密費が目的外に使用され続けているのではないかとマスコミが問題提起しています。というのも、元官房長官がマスコミに対して、自民党候補へ選挙資金や陣中見舞いに使用したと発言しました。機密費が本来の目的から逸脱し、党利党略に使用されることが横行しているようであれば、国会として看過することのできない問題です。
政権与党のお金に係る態度が信頼できない以上、国会で厳しく監視する必要があります。官房機密費の使途について行政監視委員会での評価の対象に加えるべきだと考えますが、林官房長官のお考えを伺います。
また、選挙の際、特定政党の候補者に機密費から陣中見舞い等を出すことは目的外使用に当たるのではないかと考えますが、林官房長官に伺います。
まずは自らが襟を正し、真摯な姿勢でより良い立法と行政を実現していくことこそが我々の真の責務であることを改めて強く申し上げます。
では、政策評価そのものの目的について伺います。
政策評価は、政府が政策の効果等を測定又は分析し客観的な判断を行うことにより、その後の政策の企画立案や実施を的確に行うこととしています。加えて、国民への説明責任を果たすことが求められます。実際、各省庁における政策評価が適切に実施されているのか、総務省は制度の主管としてきちんと把握されているのでしょうか。総務大臣にお伺いします。
総務省は令和五年九月に、自身の施策の一つ、政策評価の推進を自ら評価し、政策評価書を公表しています。しかし、国民へ説明責任の達成を測る指標が見当たりません。総務省は、国民への説明責任を果たすという目的を軽視してはいないでしょうか。総務大臣に伺います。
次に、租税特別措置等に関する政策評価についてです。
各省庁は、法人税等の課税義務の軽減などを行う租税特別措置等の実施や期限の延長を決定する前に政策評価を厳格に行うこととされています。そして、総務省がその点検を行っています。しかしながら、点検の結果、評価が不十分と指摘されたにもかかわらず、措置が延長された事例すらあります。何のための点検でしょうか。完全に形骸化していると言わざるを得ません。松本総務大臣の認識を伺います。
また、総務省は、ほかの省庁が実施した政策の効果を分析し、課題を明らかにする調査を行っています。この行政運営改善調査として、一向に綿密な検証が行われない新型コロナ対応についても検証すべきです。アベノマスクなど個々の取組の検証はもちろんですが、国と地方の対等な関係性を踏まえた十分な事後検証が必要です。松本総務大臣のお考えを伺います。
点検だけでは各省庁の取組が改善しないのであれば、総務省は各省庁に対し、より強い姿勢で臨むべきです。
総務省は、各省庁の政策運営上の問題点の指摘に重きを置くというせっかくの方針を令和六年度の行政評価等プログラムで変更しました。結果、総務大臣が勧告を行うことにとらわれないとしています。そうではなく、必要であれば各大臣に対して総務大臣が毅然とした姿勢でしっかりと勧告を行っていくべきではないでしょうか。総務大臣の見解を伺います。
次に、ジェンダー平等に関して伺います。
先般、我が国のジェンダーギャップ指数が世界で百十八位と公表されました。相変わらず世界の下位に位置し、恥ずかしい限りです。この我が国の状況について加藤国務大臣に伺います。
政府は、社会全体における男女の地位の平等感について、平等と答えた人の割合を来年までに五〇%にする目標を掲げています。しかし、内閣府によりますと、令和元年には二一・二%だった平等感が令和四年には一四・七%にまで低下していて、目標は縮まるどころか遠ざかるばかりです。政府のこれまでの政策が国民の意識に波及していない現れではないでしょうか。なぜ目標数値から大きく乖離しているのか。今後の取組も併せて加藤国務大臣に伺います。
私は、この要因の一つに、選択的夫婦別姓制度が導入されていないことがあると考えています。現実として、およそ九五%の夫婦が夫の姓を選択していて、実質的な男女不平等を招いています。
制度への賛成率は八三・九%にも上っているとの調査もあります。結婚したくない理由として、名字が変わるのが嫌、面倒と回答した独身女性の割合が二十代から三十代で二五・六%という結果もあり、結婚への障害の一つとなっていることは明らかです。
夫婦いずれかの氏を選択しなければならない制度を採用している国は、何度も何度も言っていますが、世界で日本だけです。国連の女子差別撤廃委員会からも女性差別だと繰り返し指摘されています。日本は世界から取り残されているんです。
先日、経団連からも提言され、ビジネス上のリスクや間接差別にもつながる問題としています。平成八年に法制審議会が導入を提言してから間もなく三十年。いいかげん議論の先送りをやめ、実現に向けた施策を進めようではありませんか。
岸田総理は様々な意見が分かれていると言い続けていますが、自民党を支持する経団連さえもが導入を訴えています。もう反対する人はいないのではないでしょうか。加藤大臣、どのように思われますか。
続いて、次から次に問題が発覚するマイナンバー制度に関してです。
政府は、これまでおよそ二千百億円も費やし、地方自治体が各種個人情報を取得するマイナンバー情報照会のシステムを整備しました。本年五月、会計検査院は、地方自治体でマイナンバー情報照会の活用実態が極めて低調であることを指摘しました。驚くことに、千二百五十八の事務手続のおよそ九割について、一割未満の地方自治体でしか情報照会がされていませんでした。整備自体が目的化してしまって、ユーザー目線に立ってシステムを有効活用するという意識が欠けているのではないでしょうか。河野デジタル大臣に伺います。
また、ユーザー目線の欠如の最たるものがマイナ保険証です。
本年四月のマイナ保険証の利用率は僅か六・五六%。驚くことに、三月の国家公務員全体では更に低い五・七三%、厚生労働省ですら一三%です。この状況で国民が納得するとお思いですか。
政府は利用率を上げようと躍起になって、マイナポイントや支援金など、その場しのぎの短絡的な対応ばかりしていますが、数字は正直であり、これが現実です。
にもかかわらず、政府は本年十二月、現行の健康保険証の発行を終了することを強行しようとしています。医療現場では、マイナ保険証でないと薬がもらえないといった誤った情報や、処方の順番が後回しにされるなど、混乱も生じています。また、能登半島地震のとき、マイナ保険証は災害時に通信インフラに影響が出て役に立たないことが露呈しました。
政府は、携帯電話を契約する際に必要な本人確認の手続にマイナンバーカードなどに搭載されているICチップの読み取りなどを義務付けることを決めました。そもそもマイナンバーカードの取得は任意だと言ったのは政府ではありませんか。これでは、まるで義務化と同じではないですか。保険証廃止の延期を表明すべきではないでしょうか。河野デジタル大臣に伺います。
続いて、子供の自殺についてです。
我が国では毎年二万人以上が自ら命を絶っていて、十代から三十代までの若い世代では死因の一位が自殺という耐え難い状況です。G7各国と比較しても日本は自殺死亡率が最も高く、若者の死因も自殺が突出しています。更に増加しているのは日本の児童生徒の自殺です。昨年は五百十三人と、過去最多の水準でした。
出生率が減少の一途をたどる中、生まれた子供たちが自ら命を絶ってしまうことは我が国最大の問題です。
政府が自殺総合対策大綱で子供の自殺対策を重点施策として既に七年が経過しました。この間、児童生徒の自殺は減るどころか一・四倍に増加しています。果たして、これまでの政府の自殺に対する取組にどれだけの効果があったのか。取組の方向が間違っていたのではないでしょうか。加藤国務大臣、具体的にお答えください。
子供が自ら命を絶つことのない社会の実現に向けて、加藤大臣、決意を伺います。
最後に、広島に残る被爆遺構の活用について伺います。
被爆遺構である旧広島陸軍被服支廠が、今年、国の重要文化財に指定されました。私は、広島市に生まれ、この建物が見えるすぐ近くで二十年以上勤務しておりました。原爆が投下された当時の姿を残すこの建物やほかの被爆遺構を見てきたことが、核兵器のない世界の実現に向けた強い思いを抱く一つの大きなきっかけです。原爆ドームを前に立ち尽くされた方もこの中に多いのではないでしょうか。
世界の情勢に目を向ければ、ウクライナやガザ地区などで今も大勢の方々が日々命を落としています。いつまた核兵器が使用される危機が来るか分かりません。
唯一の戦争被爆国である日本は、世界の先頭に立って核兵器廃絶や平和に向けた国際理解を強く求める責任があります。戦争や被爆の悲惨さを考えてもらうために、被爆遺構は大いに役立つと考えています。
政府は、観光を成長戦略の柱に据え、令和十二年の訪日外国人旅行者数の目標として六千万人をうたっています。国内外の方々に被爆遺構を目で見て、肌で感じてもらうことがとっても大切なんです。SNSによる世界への広がりも期待できます。そのためには、国と地方自治体が協調し、被爆遺構を観光資源として積極的に活用する必要があると考えます。斉藤国土交通大臣に見解をお尋ねします。
世界に一万二千発以上の核兵器があると言われる中、世界の人々に、今こそ軍拡ではなく、次世代を担う子供たちのためにも、物言わぬ証人、被爆遺構を通じて党派を超えて平和を訴えてまいりたいと思います。
以上、御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣松本剛明君登壇、拍手〕
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