○山本太郎君 結論から言います。能登半島、特に奥能登、高齢者が利用するデイサービスセンターを仮設で造っていただきたいんです。現在、政府の応急仮設団地での取組とはまた別の話なんですね。仮設が難しいならば、代替できる施設などの賃料をどうか払っていただけないですかというお願いです。奥能登の介護事業者がこのようなお願いを石川県に対してしたときに、恒久的な施設であればいいけど、それ以外はお金がないので無理、仮設は考えていないと言われたそうです。
高齢者が利用するデイサービス、皆さん御存じのとおり、自宅で暮らす高齢者が日帰りで施設に通い、機能訓練、入浴支援などのサービスを受けるもの、心身機能の維持、家族の介護の負担軽減などを目的として実施されていると。
災害で被災した施設を修繕するのにお金が掛かるだけでなく、工事関係業者が余りにも忙し過ぎる、見積りさえ取れない状態だといいます。再開の見通しも立たない、そういった声、幾つも聞きました。問題を五つに分けます。
一。現在、在宅で避難している高齢者にも必要なサービスの提供ができていない。例えば入浴。災害前は毎日サービスを提供できていたが、現在はNGO、NPOの助けで、巡回で週一回の提供がやっとである。現在も何とか使える建物でサービス提供する者もいるが、お茶を飲んだり健康相談に乗ったりはするけれども、本来の活動が行えていないと、限界があると。
二。現在、奥能登では、二次避難などでサービス利用者が減り、収入を大きく減らした介護事業者は職員の雇用を維持することが難しい状態である。事業者の資金が枯渇するまでに猶予が余りない。国による底上げがなければ事業の継続が難しい。
三。このままでは、現在二次避難をしているが、この先、奥能登に戻って余生を過ごそうと考えていた高齢者が受けられるサービスを提供できる事業者、介護者、これ確保ができない状況になってしまう。つまりは受皿がなくなる。
四。受皿がない又は普通のサービスを受けられない土地に高齢者を帰せないとなれば、奥能登に人が戻らなくなる。
五。今のままでは奥能登の介護体制は崩壊、コミュニティーを守るどころの話ではなくなる。
これが現場の悲鳴です。
職員の中には、金沢などに避難したり、家族の都合で退職する者もいますが、何とか踏ん張って残っている人たちもいます。予測の付かない近い将来のために事業者は何とか雇用を維持して職員を抱えようとする。その場合、給料を払わなければなりません。介護の受皿がない、何とか受皿はあっても、機能していない、キャパが縮小されているなどの状態があれば、家族としても、父母、祖父母を地元に帰すわけにはいきません。
現在、社協を含む介護事業者を政府が支えなければ、コミュニティーは崩壊、奥能登はゴーストタウン化するおそれもあります。まずは、仮設でデイサービスを提供できるようにしていただけないですか。大きな被災を免れた施設、そういったものを代替として、使えそうな物件を使うという手もあります。しかし、その支払、年間で三百万、四百万、五百万になってしまう。この先どれぐらいの利用者が戻るか分からない中で事業者が自前で踏み出してしまった場合、予想よりも利用者が帰ってこなければ資金がショートしてしまい、遅かれ早かれ、事業、畳まざるを得なくなります。
総理がおっしゃるコミュニティーを守る、そのために絶対的に必要なインフラ、介護、福祉、保健、医療、デイサービスを提供できる仮設、早急に造っていただきたいんです。仮設が難しいなら、物件借りてサービス提供する場合、その賃料であったり、係る設備、国で持っていただけないでしょうか。
職員の雇用にも問題はあります。どれだけの人が戻ってくるかは分からない。今、元々職員として働かれていた方々は継続して雇用している事業者が多いようです。地域、利用者のことをよく理解して、故郷を何とか守ろうと使命感に燃えている人たちが多いそうです。この災害で従業員をつなぎ止めるために雇用調整助成金が出ます。休業期間、雇用主は賃金の六割以上を労働者に支払い、その八割を国がカバーする。でも、全産業平均百万円近く安い所得の介護従事者を更に少ないお金でつなぎ止めようとするのはさすがに厳しいのではないでしょうか。
ある介護者の方、地震前は三つあった施設が今は二つ被災して使えなくなった、小さな場所で地元に残った少人数の高齢者にサービスを提供している。二次避難から帰ってくる人、これ増えたとしたら対応できそうですか、私がそう聞いたら、今の場所では無理ですね、違う場所が必要になると思います、あと、そのときに職員がどれくらい残っているか、これが非常に重要なことだと思いますと教えてくれました。
ほかに、事業者にも話を聞くと、この仕事を商売として考えたことはないけれど、商売ベースとして話すとむちゃくちゃ薄利多売なんですよと。介護保険事業でちゃんと利用者が入ってこないとお金回らない、絶対事故を起こさないためにも職員の配置も厳格にやるし、利用者が一人減っただけでも収入には大きなダメージがあると。災害前で百人と少しぐらいの登録者がいましたけどね、みんなが毎日施設に来るわけじゃないですよ、それぞれが週三回利用する感じです、イメージだと毎日二十人ぐらいの利用者かな。これだと何とか赤字出さずにいけるんですけど、今、少人数だから経済的には回せません、厳しい、心折れそうですね。
そうコメントくださった方、この介護事業所では基金を使って何とか持ちこたえているそうです。その基金とやらでいつまでいけそうですかということを聞くと、このままだと夏を越える前に資金は枯渇する。ほかの事業所の方は、このままだと次年度前半、六月にはショートする。ほかの事業所で聞いた話では、数か月後にはお手上げです、そういう方もいらっしゃいました。雇用される側にとっても不安でしようがない状態なはずです。
お話を伺った介護従事者のお一人は共働き。最悪この先資金繰りが厳しくなってここが潰れたとしても、旦那の稼ぎでぜいたくしなきゃやっていける、今は地域の恩返しのつもりでやっているんですよとおっしゃっていました。ほかにも、正直、次の仕事が見付けないと、次の仕事を何にしようかということを考えながらここで働いていると。でも、やっぱり残った利用者さんのことを考えたらなかなか踏ん切りが付かないんです、そういう言葉を下さった方もいらっしゃる。
雇用する側もされる側も、不安でしようがない中、必死で地域のために、利用者のために踏ん張ってくださっている状態です。
残念ながら、国が本気で支援しなければこういう状態も長く続かないと思うんですよ。資金がショートするという物理的リミットが目の前に迫っているからですね。このままでは、コミュニティーを守る、それどころじゃないんです。
冒頭の話に戻ると、高齢者が利用できるサービスを提供する施設は、コミュニティーを守るために絶対に必要なインフラの一つ。高齢者が安心して暮らせるためのサービスがなければ、見守りがなければ、家族は奥能登に親を帰せません。家族も一緒に戻る、そういうこともできません。奥能登のコミュニティーを崩壊させないというなら、絶対に必要なインフラである高齢者施設を、今から施設や雇用を守って維持しておかなければなりません。
何度も繰り返しますが、石川県は、恒常的な施設以外は造れない、仮設に出せるお金はないそうです。総理、デイサービスを提供できる仮設、既に取り組んでいる部分ではございません、その仮設を新しく建設する、ニーズに合ったものを造っていくということを宣言いただけないでしょうか。
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