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小池晃 ·日本共産党

参議院本会議(2024-12-04)での発言

第216回国会 ·第第4号号 ·5,830字
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。  会派を代表して、石破総理に質問します。  能登半島地震からもうすぐ一年、地震と九月の豪雨という二重災害によって、被災者は物理的にも精神的にも大きなダメージを受けています。しかも、災害関連死は、地震などによる直接死を上回る二百四十七人に上ります。  こうした痛ましい事態に至った原因を政府はどう捉えていますか。災害関連死を防ぐためには何が必要ですか。  災害公営住宅の建設、医療・介護基盤の再建、農地の復旧など、住まいとなりわいの再建が急務です。能登で生きていく希望が持てるように、国の支援を抜本的に強めるべきです。お答えください。  総選挙で与党を過半数割れに追い込んだのは、裏金問題への国民の怒りでした。  総理は、派閥ぐるみの裏金作りを組織的な犯罪行為だと認識していますか。なぜ、裏金問題で非公認とした候補者が代表を務める党支部に公認候補者と同額の二千万円もの政党交付金を支給したのですか。非公認としながら多額の資金を配るなど、国民を欺く行為ではありませんか。  いつ誰が裏金作りを始めたのか、一体何に使ったのか、全容解明が必要です。  具体的にお聞きします。  この間の裁判で有罪が確定した安倍派の会計責任者は、パーティー収入の還流は幹部の協議で再開を決めたと証言しています。しかし、西村康稔議員、世耕弘成議員らは、協議に参加しながら真相を明らかにしていません。偽証罪が問われる証人喚問が必要です。自民党総裁として党に指示すべきです。明確にお答えください。  参議院政治倫理審査会に二十七人の自民党議員が今になって出席を希望しているようです。しかし、政倫審は駆け込み寺ではありません。真相が明らかにされる場にしなければなりません。総理は自民党総裁として、政倫審に出席しようとする議員に対して、知っている事実を包み隠さず語ること、審査は全面公開とすることを強く求めるべきではありませんか。  総理は、個人献金も企業・団体献金も違いはないと企業・団体献金禁止に背を向けています。しかし、企業には個人とは比べ物にならない資金力があります。国民が自分の支持する政党に寄附をするのは政治に参加する当然の権利ですが、参政権を持たない企業が多額の資金で政策をゆがめるのは国民の参政権を侵害するものであります。総理はそれでも、個人も企業・団体献金も違いはないと言うのですか。  そもそも今回の裏金問題に至るまで、数多くの金権腐敗の原因となったのは企業・団体献金です。この根を絶たずに、再発防止と信頼回復ができると総理はお考えなのでしょうか。お答えください。  日本共産党は、企業・団体献金、政党助成金を一切受け取らず、党員、国民からの個人献金や事業収入で党を運営してきました。主権者国民一人一人に依拠することこそ国民主権の政治のあるべき方向だと強く申し上げておきます。  アベノミクスは日本経済に深刻なゆがみをもたらしました。  第一に、異次元の金融緩和による異常円安は、輸出大企業に過去最高の利益をもたらす一方、物価高騰を招いて国民の実質所得を低下させ、原材料費の値上げで中小下請企業の倒産を急増させました。多額の国債買入れが続けられてきた結果、日銀の国債保有額は発行残高の半分を占めるに至り、日銀の財務を不健全にするとともに、国の借金を野方図に膨らませました。  総理、異次元の金融緩和の誤りを認めるべきではありませんか。家計や中小企業への影響に十分配慮しつつ、金融を正常化するためにも、暮らしを支える経済政策に転換すべきであります。  第二に、実質賃金の低下が続く一方で、内部留保が積み上がり、経済に還流していません。自社株買いも膨らんでいます。大企業の内部留保を賃上げや下請企業支援に還元させる施策が必要ではありませんか。  競争力の弱い中小企業が賃上げに踏み出すためには、とりわけ労務費の価格転嫁とともに、直接支援が不可欠です。徳島県では、知事が主導して、国の目安を大きく上回る最低賃金の引上げとともに、中小・小規模事業者を対象に一時金を支給する直接支援を始めました。国としても、社会保険料負担の軽減などの直接支援に踏み切るべきではありませんか。  総理は、雇用の正規化を進めると述べました。そこで、お聞きします。  地方自治体では、会計年度任用職員など非正規職員が七十万人を超えています。専門性、継続性が求められ、住民生活に寄り添う大切な仕事でありながら、低賃金と年度末での雇い止めなど不安定な働き方を強いられていることを放置できません。雇い止めを禁止し、正規職員への転換を促進するなど、会計年度任用職員制度を抜本的に見直すべきではありませんか。  医療、介護は政治の責任で賃上げができるし、切実に求められています。ところが、先週、日本医労連は、医療・介護職場での年末一時金について、昨年よりも平均で約十万円の減少という深刻な実態を告発しました。介護でも、関係九団体の調査では、平均の賃上げ率は二・五%と、全体の春闘相場より低くなっています。訪問介護は、国の報酬引下げによって事業所の倒産、撤退が相次ぐ事態となっています。  全世代型社会保障だといって社会保障の予算を抑制してきたことが賃上げに逆行する事態を生み、人手不足に拍車を掛け、介護崩壊が進んでいます。  総理、この深刻な実態をどう捉えますか。訪問介護の基本報酬を元に戻すことを始め、国の責任で医療・介護労働者の賃上げを緊急に促進すべきではありませんか。  第三に、大企業や富裕層を優遇してきた税制全体のゆがみを正すことです。  この二十九年間、所得税の課税最低限が据え置かれた一方で、消費税は三回も引き上げられました。生計費非課税というならば、課税最低限以下の低所得者からも容赦なく取り立てる消費税の減税とインボイスの撤廃が必要ではありませんか。  所得税、住民税の最高税率も法人税率も連続して引き下げられてきました。さらに、研究開発減税や連結納税制度などの大企業優遇税制も拡大の一途をたどりました。政府税制調査会は、法人税率が連続して引き下げられたにもかかわらず、国内の設備投資や賃金は増えていないと指摘しています。結局、内部留保としてため込まれただけではありませんか。  国民の前に立ち塞がる壁は百三万だけではありません。富裕層を優遇してきた一億円の壁を始め、税制全体のゆがみを正すために、生計費非課税、応能負担の原則に立った税制の抜本的な改革が必要ではありませんか。以上、答弁を求めます。  社会保障制度に関わって、二つの緊急課題について聞きます。  健康保険証の新規発行が一昨日停止しました。しかし、マイナ保険証の利用はいまだ一五%にとどまり、医療機関でのトラブルも止まりません。  総理は九月に、期限が来ても納得しない人がいっぱいいれば併用も選択肢として当然だと語っていましたが、保険証の廃止に納得していない人はいっぱいおられます。中医協の小塩隆士会長も、新しい制度に移って何か混乱が起こり、メリットを受けられない人たちがいれば直ちに制度を改めることも必要だと述べました。  総理の以前の言明どおり、従来の保険証も併用できるようにすべきです。現行の保険証が使用できるうちに制度を見直すべきではありませんか。答弁を求めます。  いま一つは生活保護の問題です。  物価高騰は低所得世帯や生活保護世帯に深刻な打撃を与えているのに、財務省は生活保護基準の引下げを要求しています。経済や生活の実態を無視した、血も涙もないものではありませんか。  そもそも賃上げと可処分所得の引上げが政治の大きな課題となっているとき、なぜ生活保護世帯の手取り収入を削減するのですか。保護基準の引下げなど言語道断であり、抜本的な引上げこそ必要ではありませんか。お答えください。  総理は総裁選で、原発をゼロに近づける努力を最大限していくと述べたにもかかわらず、最大限の利活用、手のひらを返しました。原発依存度の低減という方針を完全に投げ捨てるつもりですか。  気候危機の進行は人類の生存さえ脅かしています。ところが、日本はG7で唯一石炭火力の撤退期限を示していません。パリ協定に基づく二〇三五年の温室効果ガス削減についても、政府の一三年度比で六〇%削減するという案は全く不十分です。英国は九〇年比で八一%削減という高い目標を設定し、宣言し、九月には全ての石炭火力発電所が停止いたしました。日本も石炭火力から早急に脱却し、温室効果ガスを三五年までに一三年度比で七五から八〇%削減する目標を掲げるべきではありませんか。答弁を求めます。  十月には東京高裁が、同性同士の結婚を認めないことは差別的であり憲法に違反すると断じました。昨年三月の札幌高裁に続いて二度目の高裁での違憲判決です。  性的指向は、本人の意思で選択、変更できるものではありません。性的指向が同性だからと、パートナーと家族になれず、相続権や配偶者控除なども認められない、そういう例も後を絶ちません。コロナ禍の病院で家族と認められず、愛する人の最期にさえ立ち会えなかった同性パートナーもいます。こんな不合理とこんな悲しみが同性カップルに重くのしかかっているのは、個人の尊厳、婚姻の自由の侵害であり、法の下の平等に反するのではありませんか。  日本共産党は、選択的夫婦別姓の実現や同性婚の法制化を始め、日本社会をジェンダー平等につくり変えようとしている全ての人々と力を合わせる決意を表明するものであります。  総理は二〇一三年十一月、自民党幹事長として、沖縄県選出の党国会議員五人を党本部に呼び付け、辺野古容認へと屈服させました。記者会見を行う総理の脇でうなだれる五人の姿に、平成の琉球処分だと県民は怒りの声を上げました。  先日、総理は、当時を振り返って、十分に沖縄の皆様の理解を得て決めたかというと必ずしもそうではなかった、わびました。ところが、所信表明演説では辺野古新基地建設を推進する考えを重ねて示しました。総理のあのおわびは言葉だけだったんでしょうか。  辺野古の新基地建設計画は、政治的にも技術的にも完全に破綻しています。政府は、代執行後の今年一月を起点に十二年で新基地は完成するとしていますが、水深が浅く地盤改良が必要ない辺野古の側でも当初の計画の十倍の期間を要しています。超軟弱地盤により難工事が予想される大浦湾側で計画どおりに進む保証が一体どこにあるのですか。辺野古への固執が普天間基地を固定化させているのではありませんか。お答えください。  日本に配備された米軍のオスプレイは、既に三機が墜落し、民間空港への緊急着陸も日常茶飯事です。昨年十一月の屋久島沖への墜落も、根本的な事故原因が特定できないまま政府は飛行を容認しました。  陸上自衛隊のオスプレイも与那国島で、エンジンの出力を上げるスイッチを押し忘れて地面と接触する事故を起こしました。ところが、ボーイング社や米海兵隊はこのスイッチの使用を推奨しないとのことです。スイッチを押しても押さなくても事故を起こす、まさに欠陥機と言うほかないではありませんか。  オスプレイを全面撤去し、辺野古新基地建設を中止、撤回すべきではありませんか。国際法に違反をして県民の土地を奪って構築した普天間基地は、直ちに無条件で撤去すべきです。総理の明確な答弁を求めます。  沖縄を始め全国各地での基地の強化や長射程ミサイル配備などのための五年間で四十三兆円もの大軍拡は、アジアに新たな緊張をもたらし、国民の暮らしも財政も押し潰します。大軍拡も、そのための軍拡増税も撤回すべきではありませんか。  日米同盟絶対、アメリカ言いなりの政治を根本から転換し、ASEANと力を合わせて米中を含む全ての関係諸国を包摂し、憲法九条を生かした平和の枠組みを発展させることに力を尽くすべきであります。  以上、答弁を求めます。  一九四二年二月三日に山口県宇部市の旧長生炭鉱で起きた水没事故では、百八十三名が犠牲となりました。そのうち百三十六名が朝鮮半島から強制動員された人々でした。  二〇〇四年の日韓首脳会談では、戦時中の民間徴用者の遺骨返還について、当時の小泉純一郎首相は、何ができるか真剣に検討すると答えています。しかし、これまで政府は、長生炭鉱の遺骨の埋没位置は不明のため、発掘は困難だと答弁してきました。  しかし、市民団体が募金を集め、炭鉱の入口を掘り出し、十月にはダイバーが坑道内の潜水調査を行い、遺骨は収集できると手応えを語っています。国として発掘調査を始めるべきであります。八十二年もの間、冷たい海底に眠る御遺骨を可能な限り速やかに御遺族の元にお届けし、尊厳の回復を図るべきであります。真摯な答弁を求めます。  最後に、パレスチナのガザの問題を取り上げます。  パレスチナのガザでの即時停戦は待ったなしです。ハマスによるイスラエルへの襲撃は許されませんが、イスラエルによるガザでのジェノサイドは全く正当化できません。  国際刑事裁判所、ICCは、イスラエルのネタニヤフ首相に対し、戦争犯罪、人道への罪の容疑で逮捕状を出しました。日本は国際刑事裁判所に加盟をしています。所長は日本人です。日本も逮捕義務を果たすと宣言すべきではありませんか。  九月の国連総会決議は、各国に対し、市民や企業、団体にイスラエルの無法を支援させない措置、武器や関連機器の提供、移転の禁止などを求めました。  日本はこの決議に賛成しています。賛成したのですから、決議が求める措置を具体化すべきであります。防衛省は、イスラエル製ドローンの導入検討を中止すべきではありませんか。イスラエルに軍事支援を続ける米国に対し、ジェノサイドへの加担をやめるよう迫るべきではありませんか。  以上、答弁を求めます。  日本共産党は暮らしと平和を守り抜く、その決意をここで強く表明して、質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕

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