○青島健太君 日本維新の会、青島健太です。
会派を代表し、ただいま議題となりました日本維新の会のほか野党提出の政治資金規正法の一部を改正する法律案、自民党提出の政治資金規正法等の一部を改正する法律案及び政治資金監視委員会等の設置その他の政治資金の透明性を確保するための措置等に関する法律案に賛成の立場から討論を行います。
この一年間にわたり、自民党派閥による政治資金パーティーの収入不記載問題、いわゆる裏金問題は、自民党だけではなく、政治全体の信頼を大きく揺さぶってきました。その中で、我々野党は、真実の追及をするとともに、政治の信頼を取り戻すべく、解決に向けた立法措置にも取り組みました。今般の政治改革議論ではその取組が一定程度結実したと考えており、以下、賛成する理由を申し述べます。
今回の政治改革の議論では、政策活動費が一つの焦点になりました。政治倫理審査会の弁明の場では、不記載があった自民党議員から、いわゆる裏金を作り出した派閥からのキックバックを政策活動費だと認識していたので不正な資金とは思わなかったとの証言が語られてきました。また、一部の自民党議員が大量の政策活動費を受け取りながらも、その使途が全く分からないことから、この仕組み自体がブラックボックスなのではないかという世論が巻き上がりました、沸き上がりました。
不正な政治資金の流れを絶つことで国民の疑念を払拭し、政治の信頼を回復するためには、最終的な使途が明らかにされない渡し切りの経費をなくし、全ての支出の使途を公開することを義務付けなければなりません。そのため、今国会で日本維新の会がほかの野党六党と共同で提出した法案では、政策活動費を抜け道なく廃止し、議員に対する渡し切りの支出は例外なく禁止することとしました。
一方で、自民党が衆議院に提出していた政治資金規正法の改正法案は、政策活動費に関して、以下、二つの理由から賛成できないものでした。
一つは、当初の自民党案では、政策活動費の廃止の対象に、政党のお財布とも言える政治資金団体が含まれていない点です。そのため、政治資金団体が政党に代わって政策活動費を支出することになるとの疑念が拭えませんでした。
もう一つは、政策活動費を廃止するとしながらも、公開方法工夫支出という使途非公開の新たな仕組みを設けることでブラックボックスが温存されてしまう可能性がある点です。
最終的には、自民党や公明党にも、日本維新の会を含めた野党六党提出の法案趣旨に賛同をいただき、例外規定や抜け穴を防ぐことができました。
また、自民党案の政策活動費以外の部分については、収支報告書のデータベースを活用した公開、外国人による政治資金パーティー券購入の禁止、政党交付金の交付停止など、政治資金の透明性向上等の観点から評価できると考え、賛同いたします。
とはいえ、これらの打ち手を打ったとしても、政治にはまだまだ解決すべき問題があふれており、その多くが来年の通常国会に持ち越しになっています。その中でも特に重要なのが企業・団体献金の問題です。
確かに、献金を受けた者も、意図的に国益を損なってまでも献金者の利益を目指すことはないでしょう。しかし、企業が営利を目的とした組織である以上、利益にならない献金はできないこと、また、お金を受け取った側も相手方を忖度しないことは困難なこと、これらを考慮すると、企業・団体献金が政策に影響していることが強く疑われるケースがあるのも確かです。その観点から、我が党も、両院で審議を通じて様々な事例を指摘してきました。
このような作用は、世界に先駆けて縮小社会に入り、緻密なかじ取りが求められる我が国の行く先にも大いに関わります。例えば、社会保障制度の大枠は人口が増え続ける前提で構築されていますが、人口減少社会に突入した結果、我が国の社会保険料は上がり続け、国民の手取りが減り、一方で、この国の社会保障に掛かる費用は増え続け、未来への投資も難しくなってしまいました。この制度を全国民の利益となるよう抜本的に組み替えるには、献金の額によって特定の意見が強く反映されるような政策決定のやり方は避けなければなりません。
また、あらゆる公共サービスの基盤となる情報インフラについても、ソフトウェアエンジニアの生産性には人によって十倍の差があると言われています。政府は、今まで以上にサービスを厳密に目利きする力が求められます。そのような中、企業・団体献金は、政府が品定めをする目を曇らせることになりはしないでしょうか。
企業・団体献金の禁止に関しては、野党の多くが賛同しています。日本維新の会として、より幅広く賛同を得られる法案の策定を進め、他党にも連携を呼びかけるとともに、自民党にも企業・団体献金の禁止についての賛同を引き続き求めてまいります。
もちろん、政治改革のテーマはこれにとどまりません。世襲、政党法や政治資金管理への複式簿記、発生主義の導入など、まだまだ議論を深めなければならない課題が残されています。我々は、次の通常国会でも徹底的な政治改革議論に取り組むとともに、国民の利益につながる政策実現に向けて全力を尽くしてまいります。
最後に、この法改正で全ての政治と金の問題が解決するのではないと申し上げます。渡し切りの禁止や第三者機関、データベース等によって疑義の持たれる金を作らせないことは確かに重要です。しかし、ルールを作ってもモラルがなければ、まさに仏作って魂入れずです。そもそも政治家のモラルが隅々まで行き渡っていれば、不祥事など起こるはずもありません。
思い出す人がいます。昭和三十年代から四十年代に国鉄の総裁を務めた石田禮助。彼は、自らの報酬を拒否してその任に当たります。国会に初登庁した際には、自らを評してこう言いました。粗にして野だが卑ではない。粗雑であっても、野蛮であっても、ひきょうではない。粗にして野だが卑ではない。これはそのまま、作家城山三郎が描く「石田禮助の生涯」、そのタイトルにもなっています。今、この政治と金をめぐる問題で私たち国会議員に求められているのは、この石田禮助の姿勢ではないでしょうか。
私が長く関わってきたスポーツの世界では、スポーツで身に付けるべき素養としてインテグリティーを挙げています。高潔であること、公正であること、品格があること。大谷翔平選手はまさにそのロールモデルです。
インテグリティーは、元々経済界から発せられた資質です。経営者、企業者にはインテグリティーが求められる。戦前、商社マンとして海外を飛び回っていた石田禮助も、若き日にこの言葉に出会っているかもしれません。
私も俗な人間です。偉そうなことは何も言えません。それでも、卑ではないことだけは死守しなければならないと自分に言い聞かせています。私たちがいただいている議員バッジは、インテグリティーの象徴でなければなりません。青臭いことを言っているのは承知です。しかし、濁るよりはましです。
私たち日本維新の会は、濁り切った今の政治状況を抜け出し、政治に対する信頼を回復するために、今回の法整備にとどまらず、企業・団体献金の全面禁止、教育の無償化、次世代のための改革を進めることをお約束して、賛成討論といたします。
ありがとうございました。(拍手)
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