○小泉(進)委員 台湾のやっていることをそのまま日本がやればいいということではないとは思っています。ただ一方で、可能な範囲で、この取組が進んでいることをどう見せるかという、こういった発想は大事なことではないかなと思います。
今、多くの国がアメリカとのディールに乗り出していて、アメリカ側からも、発表としては、六、七十か国が今アメリカと話をしたいと言っていると。
その中で、例えば、ベトナムは、対米関税をゼロにするというふうに表明をした上で、詳細を見ると、戦闘機買いますとか、中には、トランプ大統領の個人的な会社のゴルフ場も造ります、こういったところまで言っているんですよ、公の発表ですけれども。相当様々なことを言いながら、しかし、現実はまだどの国もディールが成立していないということであります。しかも、そのディールをする側の発言はころころ変わります。だから、私は、こういう状況の中で安易にカードを切るべきではないというふうに思っているんです。
ただ一方で、このアラスカについては、ベッセント財務長官も、トランプ大統領も、何度も言及していることは事実でありますし、もしも日本にとってもプラスなことがあるのであれば、私は考える材料になるんだろうと思います。日本にとってアラスカがどういう州なのかというのは、ふだん余り我々は考えることはありませんが、アメリカにとってはアラスカは軍事戦略上の要衝であることはよく分かります。
実は、去年十二月に、ハドソン研究所、アメリカのシンクタンクですが、そこでアラスカの戦略的な重要性ということに対するイベントが開催されて、ダン・サリバン、そしてケン・ワインスタイン、これは元駐日大使でもありますけれども、が出席をされました。そこで指摘されているのは三点です。一つは、アメリカにとってアラスカはミサイル防衛の要で、アメリカを保護する主要なレーダーシステムはアラスカにあるということ。二つ目は、インド太平洋地域と北極圏の航空戦力のハブであること。三つ目、北半球のどこでも六時間から七時間以内に行ける地理的重要性を有すること。
このアラスカのアメリカにとっての戦略的な意義を正しく理解できていないと、単純に、経済合理性とかこういったエネルギー政策というだけで、またディールというカードの一つだけで捉えるのは、私は誤ると思います。
ですので、日本から見ても、アラスカのLNGは、地理的な近接性もありますし、地政学的なリスクに対応できる可能性のある一つの場所だと。仮に、南シナ海で、今軍事拠点化を中国がやっていますけれども、そこで何かあったときにも、別のルートを持っておく、これは日本のエネルギー安全保障上の悲願の一つでもあると思いますし、将来の北極海航路も、これが開けてくるというような未来も含めて、このアラスカに日本の足跡を残す、また持っている、こういったことの意義というのは私はやはりあると思います。
今、台湾やタイそして韓国は、アメリカとのディールのためにアラスカLNGを購入することを考えているんだろうと、様々な情報から思います。別の視点に立てば、多くの国が中国との貿易量を増やしつつある中で、他方で、トランプ政権下においては、アメリカがこのインド太平洋地域から引いていくのではないかという懸念があるときに、トランプ大統領はビジネスが頭の中にあるかもしれませんが、日本はむしろ逆手に取って、アメリカのLNGを通じたインド太平洋地域の経済的依存の関係を構築をしていく、そして、我が国の安全保障の観点からもプラスの関係をつくっていく、こういった発想から、アラスカLNGを単なるガス案件というふうに考えないで、アメリカにとっての意義、日本にとっての意義、そしてインド太平洋地域にとっての意義という観点から総合的に考えてみる必要があると思います。
事務方の立場はいろいろあると思いますが、こういった大きな案件は最後は政治だと思います。武藤大臣、これは武藤大臣の思いとリーダーシップが非常に重要だと思いますので、この案件について一言いただければと思います。
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