○船田委員 自由民主党の船田元です。
本日のテーマに入る前に、前回の審査会に関しまして一言申し上げたいと思います。
立憲民主党の藤原規眞委員から、衆議院法制局それから憲法審査会事務局に対しまして、学説の捏造であり、改憲派の先生方をミスリードしているというような発言がございました。これは、与野党を問わず、全会派に対して常に公平中立で客観的な立場から補佐をしてくれている橘局長を始め法制局、そして憲法審査会事務局に対する礼を失する発言でありまして、許容し難いものと受け止めていることを明確に表明したいと思っております。
その上で、本日のテーマである国民投票法の放送CM、ネットCMの問題について意見を述べます。
まず、放送CMの問題につきましては、近年、民放連が量的自主規制は行わない旨を表明したことなどを受けまして、当審査会で改めて議論がなされてきました。その中で、民放連の方にはこれまでに二回、参考人としてお越しをいただきましたが、その際にも、民放連は確かに、CM量に特化した自主規制は行わない旨を明言しているところでありますけれども、その一方で、日頃のCM考査に加えて、憲法改正国民投票に特化した考査ガイドラインを作成し対応することを明らかにされています。
この考査ガイドラインでは、広告主としての適否を放送事業者が総合的に判断をする、また、国民投票運動CMの場合はその旨をCM内に明示したものでなければ取り扱わない、さらに、放送事業者の意見と混同されないようにするために、CMの放送時間帯はニュースの中、直前、直後を避けるなどの自主的な取組を定めております。さらに、特定の広告主のCMが一部の時間帯に集中して放送されることがないよう特に留意する必要がある、そういった量的自主規制にもつながる項目も入っているということです。
国民投票運動は自由であるという国民投票法制定当時の趣旨や、以上に述べました放送事業者の自主的取組を踏まえますと、公平公正な放送CMの姿に近づけるためには、一つとして、放送事業者の自主的取組について、広報協議会に対する定期的な報告とそのチェックが行われるようにすること、また二つ目には、広告の出し手である我々政党間の申合せを組み合わせることによってその公平公正を保ち、また、量的な問題についても一定の解決が考えられると思っております。
他方、ネットCMにつきましては、次回のテーマであるネットの適正利用と同様に、ネット特有のシステムの問題、すなわち、プロファイリングによりますターゲット広告、フィルターバブル、アテンションエコノミー、エコーチェンバーなどの問題がございます。閲覧者の感情に訴える扇情的な内容や特定の考え方を繰り返し送りつけて植え付けることなどにより、国民の冷静な判断が阻害されるおそれがあると思われます。
にもかかわらず、放送CMは投票日二週間前から勧誘CMが禁止されているのに対し、ネットCMにはそうした制限がございません。これでは言論空間のバランスを著しく崩してしまうのではないかと思っております。その結果、公平公正な報道が意味を成さなくなるのではないかとも危惧をしております。
ネットCM自体をコントロールすることは極めて難しいわけですが、幾つかの重層的な措置によりまして公平性、公正性を保つことは決して不可能ではないと思っています。具体的には、次の六つの方策が考えられるのではないかと提言をしたいと思います。
まず、プラットフォーマーなどの事業者に対し憲法改正国民投票に関するCMであることの表示を義務づける、それから、事業者団体に憲法改正国民投票に関するCMの取扱いについてガイドラインを策定してもらう、こういうことが考えられます。
第二に、広報協議会におきましてもネットCMの在り方についてガイドラインを策定した上で、ネットCMの出し手である各政党間でも申合せを行うということであります。
第三に、プラットフォーマーから定期的に広報協議会にネット広告の回数や内容を報告させることが考えられます。
第四に、これはちょっと難しいことかもしれませんが、広報協議会がガイドラインに照らして不適切と判断をしたネットCMあるいは意見表明記事については、表現の自由の観点からは難しい点がございますが、その削除を命じることができるようにすることもアイデアとしては検討してしかるべきであると思っております。
第五に、ネット広告や意見表明について、できる限りデジタルアーカイブ化を行い、事後的に検証する手段を確保することも有益ではないかと思っております。
最後に、政党、政治団体によるネットCMについては、放送CM同様、投票期日前二週間は行わないことにするということも考えられます。
以上述べてきましたとおり、これらの施策を講じる上で、広報協議会に期待をされる役割や機能が当初の予定以上に膨らみ、その責任も極めて重要になってくると思います。このため、国会議員で構成される広報協議会の下にしっかりとした事務局を設置することがこれまで以上に必要になってきていると考えています。
国民投票法の問題について各党各会派の共通認識を形成していけるよう、更に議論を進めていきたいと思っております。
発言を終わります。
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