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藤間則和 ·一般社団法人全国農業協同組合中央会常務理事

衆議院農林水産委員会(2025-05-08)での発言

第217回国会 ·第第12号号 ·3,340字
○藤間参考人 皆様、おはようございます。JA全中常務理事の藤間と申します。  本日は、大変貴重な機会をいただき、誠にありがとうございます。  時間も限られておりますので、早速ではありますが、本日お配りしております「農畜産物の適正な価格形成の実現と国民理解の醸成・行動変容について」と題した資料に基づき、私から意見を述べさせていただきます。  まずは、資料の一ページ目を御覧ください。JAグループとしての課題認識の一つ目であります。  このグラフは、主な生産資材価格、農畜産物価格の推移を示したものであります。  点線でお示ししておりますのが、主な生産資材価格の推移であります。御案内のように、新型コロナウイルス、ロシア・ウクライナ情勢等により、令和三年頃より生産資材価格が高騰いたしました。令和二年を一〇〇といたしまして、複合肥料は最大一七〇、配合飼料、重油は一五〇弱まで高騰し、現在も高止まりしている状況です。  他方、実線で示しておりますのが農畜産物価格、赤い線が全ての農畜産物の価格、青い線が米の価格の指数でございます。農畜産物全体では、直近を除けば一一〇までの上昇にとどまり、特に米につきましては、令和六年の夏までは、令和二年を下回る価格で推移しております。  直近に限れば、米の価格高騰により、農畜産物価格も上昇傾向にありますが、令和三年以降、生産資材価格が高騰しているにもかかわらず、農畜産物価格には反映されなかった期間が長らく続いていたと言えます。  農畜産物の取引におきましては、川下側ほど価格交渉力が強い中で、これまで、生産コストが増加しても、それを農畜産物の価格に転嫁するような仕組みがなく、農業者がコストの増大分を負担していたと認識しております。このような状況が続けば、農畜産物の再生産が確保できず、食料の持続的な供給に影響があるものと考えております。  続いて、二ページ目を御覧ください。JAグループの課題認識の二つ目でございます。  農畜産物の再生産可能な価格形成に向けては、消費者の理解と行動変容が不可欠であると認識しております。  他方、日本政策金融公庫が実施した調査によりますと、割高でも国産品を選ぶ消費者の割合は、直近ではやや上昇しておりますが、五六%程度にとどまっております。  自国で食料を生産していくことの意義、農業の価値を消費者に正しく御理解いただき、多少割高であっても国産品を選んでいただけるよう、そうした環境をつくっていくことが、食料安全保障の確保の観点でも重要だと考えております。  三ページ目を御覧ください。今申し上げましたような課題認識の下、JAグループとして、再生産に配慮された適正な価格形成の実現に向けた仕組みの構築、具体化をこれまで提案してまいりました。  そして、先生方の御尽力によりまして、昨年、二十五年ぶりに改正されました食料・農業・農村基本法におきましては、食料安全保障の確保に向け、価格形成に対しては、「持続的な供給に要する合理的な費用が考慮されるようにしなければならない。」等の文言を入れていただきました。この場をおかりしまして、厚く御礼申し上げます。  また、改正基本法を踏まえ、合理的なコストを考慮する仕組みを新たに法制化することが目指され、現在、その法案を御審議いただいているところであります。この法案への生産現場の期待は大変大きいものでありまして、先生方の引き続きの熱心な御議論を何とぞよろしくお願い申し上げます。  続きまして、四ページ目を御覧ください。来週の我々の理事会におきまして、令和七年度のJAグループの政策提案を決定する予定であります。価格形成等につきましては、三点、盛り込む予定です。  一点目は、現在御議論いただいている法案に関しまして、実効性の確保と不適正な商習慣の把握や是正に向け、国が関与する仕組みを早期に構築いただきたいということであります。  二点目は、法制化の対象品目等についてであります。今回の法案は、事業者の努力義務や努力義務に対応した判断基準を明確にし、これに照らし合わせて取組が不十分な場合は規制的措置を導入するとのことで、合理的な費用を考慮した価格形成の実現を目指していくものと認識しております。  まずは全ての農畜産物につきまして、こうした措置の効果が及ぶよう対応いただきたいと思いますし、指定品目につきましては、コスト指標の幅広い検討などを進めていただきたいと考えております。  三点目は、国民理解の関係であります。国民、消費者が国産農畜産物を選択する行動変容などにつながるよう、関連する施策の拡充をお願いしたいと考えております。  また、食農教育につきましては、小学生から大学生まで様々な階層で継続して学べるようにするとともに、大人の食育も含め、全世代型の食農教育の取組を充実させていく必要があると考えております。  国民理解の関係につきましては、JA自らも取り組んでおりまして、後段で簡単に述べさせていただきます。  五ページ目を御覧ください。こちらは、農林水産省が作成した規制的措置の全体像の図を載せてございます。  特に判断基準につきましては、省令で明確化することが予定されておりまして、合理的な費用を考慮した価格形成が実現されるよう、実効性のある判断基準を策定いただきたいと考えております。  続いて、六ページ目を御覧ください。こちらは、先日の米ワーキンググループで示された、米のコスト指標のイメージ図であります。  生産段階のコスト指標につきましては、生産費統計をベースに、農業物価統計などの公的データを用いて、コストの変動を反映して指標を作成していく方向性が示されました。この方向性は、JAグループの考え方ともおおむね一致するものであります。売手、買手双方にとって分かりやすいコスト指標の作成に向け、JAグループとしても、どのような協力、関与ができるかをしっかり検討してまいりたいと考えております。  七ページ目を御覧ください。こちらも、先日の米ワーキンググループで示されたコスト指標の活用のイメージ図です。作成したコスト指標を、売手と買手の価格交渉のトリガーなどとして活用していくイメージが示されております。  生産コストそのものは、地帯別、規模別、あるいは品目銘柄別に厳密には異なりますが、代表的なコストに肥料等のコスト変動率を鑑みながら、まずは活用していくことが重要だと考えております。  続いては、八ページ目以降で、国民理解の醸成と行動変容に向けた私たちJAグループの取組を紹介しております。  国消国産とは、私たちの国で消費する食べ物はできるだけこの国で生産するというJAグループ独自のキーメッセージでございます。  子育て層や若年層をターゲットにして、学習資材の作成、配布を行っております。毎年の出来秋を国消国産月間とし、十月十六日を国消国産の全国一斉行動日に設定して、JA直売所でのキャンペーンなどを通じて、消費者への農業、国産農畜産物の理解醸成に向けた取組を展開しております。また、農林水産省が展開するニッポンフードシフトと連携した情報発信も行っております。  最後に、九ページ目を御覧ください。全世代型食農教育について触れております。  これまでの食農教育につきましては、小学生までの子供を対象とした取組が中心でありましたが、中学生から大学生、あるいは社会人も含め、食と農に関する理解を深めていただくことが重要であると認識しております。  このため、JAグループでは、昨年開催したJA全国大会の決議におきまして、全世代型食農教育の取組を提起いたしました。子供、学生には農業体験や職業体験を通じた食の大切さを、定年後の方には料理教室等を通じた健康の大切さを幅広く切れ目なく体系的に学べるよう、各ライフステージに応じた取組を展開していきたいと考えております。  以上、簡単となりますが、私からの意見陳述とさせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)

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