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阿久津幸彦 ·立憲民主党・無所属

衆議院本会議(2025-02-14)での発言

第217回国会 ·第第5号号 ·3,827字
○阿久津幸彦君 立憲民主党の阿久津幸彦です。  私は、立憲民主党・無所属を代表して、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案について質問させていただきます。(拍手)  冒頭、政府の高額療養費制度の自己負担上限額引上げについて、福岡厚生労働大臣はがん患者団体などと面会されましたが、がん患者団体などは一時凍結を強く要望し、微修正を検討している福岡大臣とは隔たりが大きく、患者団体などの怒りや不満はますます高まっています。我が党は、野党にも呼びかけて、早ければ来週中にも、高額療養費自己負担引上げ凍結法案を国会に提出予定です。総理、上限額引上げは一旦凍結すべきではないですか。  あわせて、様々な政策を実現するため、本日、我が党の野田代表が令和七年度予算修正案を発表しました。今後、与党にも説明させていただくとともに、国会に提出して、政府案との並行審議を求めます。総理、私たちの修正提案に耳を傾けていただき、熟議の国会が機能し始めてきたのだと国民に希望を持っていただくことから共に始めようではありませんか。  米の価格やエネルギー価格の高騰など、国民は物価高の影響で疲弊しています。少しでも安いものを求めてスーパーを回ったり、生活費を切り詰めたりして、何とか日々をしのいでいるのが現状です。総理は、この国民生活の現実を認識しておられるのでしょうか。  農林水産省は、本日、備蓄米の放出を発表されました。これで米不足が解決するのか、米価は適正な水準に落ち着くのか。総理、お答えください。  それでは、本題に移らせていただきます。  まず、ガソリンの暫定税率廃止についてです。  昨年十二月に自民党、公明党、国民民主党の三党の幹事長間で交わされた合意では、いわゆるガソリンの暫定税率は廃止すると明記されていますが、その時期については示されていません。石破総理は、三党で協議中であることを理由に、実施時期について一切の発言を控えておられます。しかし、物価高にあえぐ国民からすれば、一刻も早く減税を実現してほしいに決まっています。石破総理は自民党総裁でもあります。自らリーダーシップを発揮して、令和七年度から直ちにガソリンの暫定税率廃止を実現するお考えはないのか、御見解を伺います。  確かに、ガソリンの暫定税率を廃止した場合、国、地方合わせて一・五兆円規模の減収が生じますから、財源を確保する必要はあります。しかし、政府がこれまでに実施しているガソリン等補助金の予算額の累計で八・二兆円にも上ります。これは暫定税率を廃止した場合の五年半分の減収額に相当しますが、こちらについては、特段、財源確保策を講じていません。したがって、国民生活の窮状に鑑み、財源について、まずは我々が省庁別審査等で指摘した財源をもって対応することも可能と考えますが、御認識を伺います。  また、いずれの場合でも、地域の住民サービスの質が低下することのないように、ガソリンの暫定税率廃止を実施する際は、地方自治体の財政に悪影響が生じないようにすることをお約束いただきたいと思います。総理の明快な御答弁を求めます。  次に、防衛増税について伺います。  今回の法案では、防衛特別法人税とたばこ税見直し、引上げの実施は明記されていますが、東日本大震災の復興財源を流用する形での防衛特別所得税の導入、つまり、所得税の増税については先送りされました。しかし、政府は、防衛増税について、令和九年度に向けて実施すると令和五年度税制改正大綱に明記しています。  国民に具体的な負担を求める法律の施行に当たっては、少なくとも一年程度の周知期間が必要です。今回結論を先送りしたとはいえ、必然的に、令和八年、つまり来年の通常国会に所得税の防衛増税法案を提出して、令和九年度から増税を実施する以外に政府には選択肢はないと思われますが、令和九年度から増税を実施するのですか。増税隠しはやめて、誠実に御答弁いただきたいと思います。  そもそも、防衛増税については、与党内では反対の声が根強いのではないでしょうか。我々野党は一致して撤回を求めてきました。現状、衆議院では防衛増税反対が過半数の意思となっているものと思います。石破総理には、この状況を真摯に受け止め、この際、法人税、たばこ税を含め、防衛増税の撤回を決断していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  今回、政府は、物価上昇局面における税負担の調整として、いわゆる百三万円の壁の引上げを行うこととしています。一方で、約四十年間見直しをされていないのが、食事手当の非課税限度額です。同じく企業が支給する通勤手当の非課税限度額については、過去、複数回引き上げられてきました。食事手当の充実は、労働者の福利厚生、ひいては生産性の向上にもつながります。この間の食費の上昇や昼食代の相場等も踏まえて、食事手当の非課税限度額も引き上げるべきと考えますが、総理の御認識を伺います。  近年、大規模な災害が相次いでいます。現状、災害による損失は、盗難による被害を受けた場合と同様に、雑損控除で勘案されます。この雑損控除は、基礎控除など災害を受けていない人にも適用される所得控除に先立って控除するものです。被災者は、長期間にわたって災害の影響を受けます。その間、ほかの人と比べて担税力が失われることになります。よって、災害による損失は、ほかの人にも適用される控除を適用した上で勘案する方が公平なはずです。  我々が度々求めているように、独立した災害損失控除を創設し、現行の繰越控除期間を更に延長するとともに、この控除については、ほかの人にも適用される人的控除を適用した後に適用すること、加えて、災害が生じた年分の純損失額の繰戻しによる還付を可能とする恒久的な繰戻し還付制度の創設を求めたいと思いますが、総理の御見解を伺います。  今、自民党による政治と金、裏金疑惑もあり、税制に対する国民の信頼が揺らいでいます。この信頼を取り戻すため、立憲民主党として、二つの御提案を申し上げたいと思います。  石破総理は、企業・団体献金で自民党が政治をゆがめたとは思っていないと述べ、政治資金の透明性を高めることが重要と説いています。実は、税制には全くその透明性が担保されていないのです。主に企業向けの減税を行うための租税特別措置、いわゆる租特の問題です。  現在、民主党政権で成立した租特透明化法に基づき、租特の適用状況については毎年国会に報告され、適用された企業の数や減税額は明らかにされています。しかし、肝腎の企業名は公表されていません。これでは、本当に政治がゆがめられていないかどうか客観的に確認することができません。  総理は、企業・団体献金については、禁止より公開とおっしゃっています。本当に政治がゆがめられていないというなら、租特の適用対象となっている企業の実名を公表すべきではないですか。御見解を伺います。  また、公表できないというのであれば、補助金の場合は交付先の企業名を明らかにできるのに、租特に限って公表できない理由を合理的に御説明ください。  税制に対する国民の信頼を取り戻すためには、もう一つ、納税者の権利利益の保護を法律上明確化する必要があります。具体的には、納税者権利憲章を制定することです。  現在、この納税者権利憲章は、OECD加盟国の大半の国で制定されており、我が国においても、二〇一一年、民主党政権のとき、税法の改正案に盛り込むところまで行きましたが、当時の野党自民党の反対により断念したという経緯があります。当時、石破総理は自民党の政調会長をお務めでした。納税者権利憲章を今こそ制定すべきではないでしょうか。総理の御見解を伺います。  立憲民主党は、政権を担い得る責任政党として、財源に対しても責任を持ちたいと考えています。  例えば、先ほど取り上げた租特に当たる賃上げ促進税制ですが、この租特による減収額は二〇二三年度で七千億円強に上っています。しかし、我が国雇用の約七割を占め、賃上げの鍵を握る中小企業は、その多くが赤字法人であるため、そもそもこの恩恵を受けることができません。一方で、実際に減税の恩恵を受けている大企業は、別に租特がなくとも賃上げを行うはずです。  立憲民主党は、中小企業が正規雇用を増やした場合に新たに発生する社会保険料の事業者負担の半分を十年間国が補填する法案を作りました。これなら赤字企業でも恩恵があります。中小企業は、社会保険料負担軽減によって正社員を増やし、生産性を高め、賃金を上げられるようにするという考え方です。総理の御見解を伺います。  最後に、我々立憲民主党は、ただいまの質疑で申し上げたような問題意識を基に、本法案に対する修正案を準備しています。石破総理には、予算の修正だけでなく、この税法の修正にも応じていただきたいと思いますが、その御意思はおありになるのか、明快に御答弁をお願いいたします。  国民の負託に応えるため、政府の問題点をただしながら、よりよい税制の実現に全力を注いでいくことをお誓い申し上げ、私、阿久津幸彦の質問とさせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)     〔内閣総理大臣石破茂君登壇〕

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