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美延映夫 ·日本維新の会

衆議院本会議(2025-03-13)での発言

第217回国会 ·第第8号号 ·3,941字
○美延映夫君 日本維新の会の美延映夫でございます。  会派を代表して、ただいま議題に上がっております大学等における修学の支援に関する法律の一部を改正する法律案について質問をいたします。(拍手)  私たち日本維新の会は、結党より、教育の無償化を訴えており、子供が経済的な負担なく、適性に応じた、多様で質の高い教育を受ける機会が十分に確保されることを求めてきました。  来年度予算には、高校の授業料無償化のための費用が組み込まれました。しかし、無償化は手段であって、決して目的ではありません。無償化を通じて、一人一人が自ら考え自立していくような、人を育てる制度となることが重要であり、ビジョンのない無償化は効果がないと考えます。  こうした観点から、まず、本案目的の修正について伺います。  これまで、真に支援が必要な低所得者世帯に対し経済的負担軽減の支援を行い、少子化の対処に寄与するとしていたものを大きく転換し、多数の子等の教育費を負担している家庭の支援を第一に、社会全体で教育費を負担し、子育てに希望を持つことができること等が明記されます。この目的は大いに賛同いたします。  あべ文科大臣にお伺いをいたします。  これまで所得の低い方を対象に格差是正のための支援を掲げていた政府が、なぜ今回、法案目的を変更して、多子世帯に対する所得制限のない無償化の実施を決めたのでしょうか。これまでの教育無償化の議論の中で、政府からは、所得の高い方々に給付することは世間の理解が得られないという意見を繰り返し表明されています。もし、子育て世帯の教育費負担を社会全体で負担し、子育てしやすい社会を実現するという理由で所得制限を設けない方針に転換されたのであれば、今後、各種教育、子育て支援策の全般にわたって、同様に所得制限は設けないのでしょうか。制度ごとに政策理念が異なると子育て世帯に混乱をもたらすことになるので、是非、政策理念の統一をお願いいたします。  もしそのような政策理念が貫徹されるのであれば、我が党がかねてより主張をしております、教育の無償化を憲法に明文化することを御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  続いて、無償化の支援対象について伺います。  今回の制度改正が三人以上の多子世帯を対象となった理由について、国立社会保障・人口問題研究所の調査で、三人以上の子供を望んでいた夫婦が三人目を諦めた最も多かった理由が教育費用の負担懸念であり、こうした世帯の負担軽減を図ることで少子化対策に寄与することが立法趣旨であるとの説明を受けました。  この調査と支援対象者の範囲設定に関しては疑問が残ります。  例えば、なぜ今回、三人以上扶養を抱える家庭で、長子が働き始めたらその兄弟は恩恵を受けられないというような中途半端な制度になってしまったのでしょうか。例えば、三人以上の子供を育てた家庭は日本の将来に大きく貢献しているのだから、兄弟全員が対象となる方が理解が得られるのではないでしょうか。  また、調査報告のグラフでは、三人以上望んでいた夫婦と同じ規模で、二人望んでいたのに一人で諦めたという夫婦が存在します。公平性を考えるのであれば、二人以上の子供を扶養する家庭も対象にすべきですが、なぜ三人以上にこだわるのでしょうか。  そして、私立大学の授業料減免額については、なぜ授業料平均である九十三万円に届かない七十万円となったのでしょうか。理由が財源であるならば、これらの対象は、今後、財源確保の状況に応じ、拡大や縮小の検討があるのでしょうか。  日本維新の会は、大学等高等教育の無償化について、その意義を十分に理解しつつ、無償化と同時に高等教育の質の向上が両輪となって進展するよう、必要かつ多岐に及ぶ大学改革をしっかり実施した上で無償化を進めるべきであると以前から申し上げてまいりました。このような立場から、大学改革について五点お聞きします。  まず、高等教育の職業訓練機関と研究機関の二つの役割を含めた、機関別、設置者別の役割や連携の在り方について質問いたします。  限られた予算の中で職業訓練と学術研究の二つの役割を効果的に実現するため、一つ、高校進学が九九%となった社会構造の変化と職業訓練の適切なタイミングの再考、二つ、半導体技術者等、今後の経済成長に必要な人材の育成、三つ、介護職員や保育士といった社会的に不足するエッセンシャルワーカーの育成支援の観点から、専門高校や各省所管の職種別大学校も含めた、それぞれの教育機関の役割の再定義が必要なのではないでしょうか。  二点目には、高等教育の質の確保や質の向上の評価制度です。  これまで、高等教育を評価するために、三十を超える認証評価機関がつくられました。しかし、それらの評価機関が実際に大学に対して厳しい評価を与え、劇的に改善が行われたという報道は耳にしません。十二月の中教審の会議においては、認証評価制度の見直しが必要といった意見も上がったようであります。  文科省は、高等教育の質を保証するとされる自己点検評価や内部質保証システム、そして外部評価機関について、どのように点検されているのでしょうか。また、新たな評価制度は、これまでの評価制度が一新されるような基本的な改革が行われると考えてよろしいのでしょうか。  三点目には、大学の入試改革の必要性を伺います。  よく、日本の大学は、入学で一番勉強し、入学したら勉強しなくなると批判されます。また、高校は、大学受験のための予備校になっているという批判があります。残念ながら、実態はおおよそそのとおりであり、高等教育の無償化において教育の質の向上を図るためには、高校での主体的な、総合的な探求学習が大学入学時に適切に評価されているような大学入試の改革の議論が大変重要です。  現在、筆記型入試から高校での学業を総合的に判断する選抜方法へと移行しつつありますが、偏差値重視の大学入試から、アドミッションポリシーに合致し専門性を追求する学習意欲のある高校生を選抜する入試へ、学業の中身から大学を選択する社会への変容が重要です。  文科省は、高大連携の在り方を念頭に、今後どのような大学入試改革が必要とお考えなのでしょうか。  四点目には、教育の質と無償化の範囲についてお聞きいたします。  現状の制度では、無償化の対象となるため、留年をしないことといった成績の指標がありますが、対象の学生の勤勉さを担保するには不十分ではないでしょうか。学習意欲が見られない学生を無償化することは国民の理解を得られることがないと考えますが、学生の学習効果を担保する指標は検討されているのでしょうか。  例えばアメリカでは、大学ごとに無償化の対象となるか否か判断されます。当該大学に進学することで学生の生涯賃金が明確に向上する根拠がある大学のみ、支援の対象となります。日本でも、今後、無償化の範囲拡大を検討する場合、対象となる大学を、例えば国際卓越研究大学のように、日本の国際競争力に資する研究大学として既に認められた大学に限定するといったお考えは検討されているのでしょうか。  五点目には、少子化に伴う大学数の適正化と教育機会の確保です。  十二月の中教審では、高等教育全体の規模の適正化も課題に上がっておりました。高校卒業者数はバブル期が最大であったのに、その半分以下となったはずの現在においても、大学の数がなぜか最大値を更新しております。私立大学の半数が定数割れを起こしている現在、無償化を進めると同時に、大学数の適正化、社会的に適切かつ必要な教育機会の量的検討は避けて通れない問題です。同時に、多様で質の高い高等教育の機会が全国で確保され、大学生の都市部への一極集中を避ける配慮も必要です。  中教審の答申では、撤退、規模縮小の支援も議論されていると存じますが、工程やその考えをお教えください。また、少子化が進む地方でも多様で特色のある質の高い教育機会の確保をするための方策について、考えを聞かせてください。  次に、教育無償化の優先順位について、証拠に基づく政策立案の考えを進めるという観点から、こども家庭庁の三原こども政策担当大臣にお伺いいたします。  利用者は四割であるという理由で無償化が進まないゼロ歳から二歳児の保育料に比べ、八割以上の若者が進学するとはいえ、自らの意思で進学を決める高等教育に二千六百億円という予算を使うことは、少子化という課題解決の優先順位において正しいと言えるのでしょうか。ゼロ歳から二歳児の保育料は、六千億円程度で、今保育園に通う全ての園児の無償化が実現できるという試算もあります。二千六百億円全額を保育に充てれば、半分近くの子育て世帯、しかも、出産を検討する世帯の支援ができ、少子化に直接的に関わる数値改善が期待できるという見方もできますが、なぜ今回、高等教育無償化を優先するのか、お教えください。  最後に、改めて、大切なことを申し上げます。  人を育てることは国家経営の肝腎要であり、子供の成長は国家にとって宝であります。子供たちの無限の可能性を伸ばすことが、日本の国際的な競争力を高め、持続可能な成長の実現にもつながります。無償化が、単なるばらまきと言われず、皆様に応援される実りのある制度になるよう、日本維新の会はしっかり議論していくことをお誓いし、私の質問とさせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手)     〔国務大臣あべ俊子君登壇〕

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