衆議院本会議(2025-04-08)での発言
第217回国会
·第第17号号
·2,879字
○国務大臣(城内実君) 伊東信久議員から、まず、AI戦略本部における人材登用についてお尋ねがございました。
AI戦略本部は、本部長を内閣総理大臣、副本部長を内閣官房長官及び人工知能戦略担当大臣、本部員をこのほか全ての国務大臣が務める会議となります。
AI戦略本部がその所掌事務を遂行する際には、AI関連技術の研究開発及び活用の推進において、高い専門性や広範な知見が要求されると考えております。このため、様々な分野の有識者からの意見を聴取できるよう、民間有識者によって構成される会議体を設けることを検討してまいります。
次に、AI基本計画の策定と改定の期限についてお尋ねがありました。
御指摘のとおり、AIは技術の進展が速い分野であります。このため、AI基本計画を速やかに策定し、また、計画に盛り込む内容については、状況に応じて臨機応変に更新していく必要があると考えております。
次に、政府における人工知能に関する人材導入についてお尋ねがございました。
AI政策の司令塔機能を発揮するために、AI戦略本部の事務局を担う内閣府の体制を強化していくことは重要と考えております。
そうした中で、特定の技術に関する優れた見識を持つ人材を行政官として破格の待遇で採用することは容易でないことから、国立研究開発法人や大学等に所属する専門家の意見を聴取するなどによって対応しております。
加えて、専門的知識を有する行政官を確保するため、民間企業等の人材を非常勤の公務員として採用するなどの工夫も進めているところであります。
次に、人材の継続的育成についてお尋ねがございました。
AI人材の育成については、大学や高等専門学校における数理、データサイエンス、AIに関する体系的な教育プログラムを認定する制度や、次世代のAI分野に貢献する研究開発を行う若手研究者や博士後期課程学生への支援などを実施しているところであります。
本法案では、人材の確保等に必要な施策を講ずる旨を規定しており、関係省庁と連携して、AI人材の育成にしっかりと取り組んでまいります。
次に、国による調査の濫用防止の仕組みについてお尋ねがありました。
本法案では、国は、AI関連技術の研究開発及び活用の動向に関する情報収集等の調査及び研究を行うことを規定しております。
御指摘のとおり、国による調査の濫用は防ぐ必要があると考えております。このため、AI基本計画において、調査の基本的考え方を示すとともに、詳細な実施方法等については、有識者の意見を聞きつつ、関係省庁と連携して定めてまいります。
次に、日本法人を置かない海外の悪質な事業者への対応についてお尋ねがございました。
現在、国内で利用される生成AIの多くは海外事業者によって提供されており、国内事業者と同様、海外事業者においても適切な対応がなされるよう、本法案では、海外事業者を含む研究開発機関及び活用事業者等に対し、国が実施する施策に協力する責務を定めております。
御指摘の日本法人を置かない海外事業者による悪質な事案への対応については、米国、欧州等の諸外国の政策当局及び事業者等と連携を図り、情報収集等に取り組んでまいります。
加えて、本法案により新たに設置する司令塔たるAI戦略本部の下で、全府省庁が一丸となり、調査や情報収集、国民への情報提供等に取り組んでいく考えとしております。
次に、不正の取締りにおける国際協力についてお尋ねがございました。
AIはボーダーレスかつグローバルに利用される技術であり、御指摘のとおり、AIのリスクに対応していくための世界各国との緊密な協力が必要であると考えております。例えば、警察では、AIに関わる事案も含めたサイバー事案の捜査に当たっては、外国捜査機関との連携が不可欠であることから、国際共同捜査の推進に向けた情報交換や信頼関係の構築に取り組んでいるものと承知しております。
今後、本法案により新たに設置するAI戦略本部の下、関係府省庁が一層緊密に連携することで、我が国が国際的な場や枠組みにおいて主導的な役割を果たせるよう、積極的に取り組んでまいります。御指摘の不正利用を始めとするリスクへの対応についても、本法の着実な運用を図る中で、適切に対処してまいりたいと考えております。
次に、国際的なルール作りに関わる必要性についてお尋ねがございました。
AIは、御指摘のあった安全保障分野も含め、様々な分野に応用可能な技術であり、我が国として、AIの研究開発力を保持するとともに、国際的なルール作りにも関与し、その国際競争力を向上していくことが重要であると考えております。
我が国は、これまで、G7、OECD、国連などの国際的な場や枠組みにおいて、AIに係る国際的なルール作りの議論に積極的に参加してまいりました。今後、関係各国と連携し、安全、安心で信頼できるAIの実現に向けて、関連する議論に貢献してまいります。
次に、AIセーフティ・インスティテュートによる情報提供についてお尋ねがありました。
昨年二月、我が国では、AIの安全性に関する評価手法等の検討及び推進を行うAIセーフティ・インスティテュートを設置いたしました。
AIセーフティ・インスティテュートでは、国内外の関係機関とのネットワークを構築し、AIの研究開発及び活用の安全性向上のための検討を進めており、これまでに、AIの安全性に関する評価観点ガイドやレッドチーミング手法ガイドを公開してまいりました。
引き続き、関係省庁や関係機関と連携して、分かりやすいコンテンツをホームページ上で公開するなど、AIセーフティ・インスティテュートの取組を推進してまいります。
最後に、国際社会への働きかけについてお尋ねがございました。
御指摘のとおり、近年、世界各国においてAI法制度に関する対応が進んでおり、各国においては、各々の法体系や社会的、歴史的背景に応じて異なる形で制度の検討や整備が進められているものと承知しております。
AIは、技術の変化が速く、将来発生するリスクの全てを予測することは難しいと考えております。このため、我が国としては、イノベーションを促進するために過剰な規制は避け、また、国際整合性を保ちながらリスクへの対応を図るため、諸外国の制度についての情報もしっかりと収集した上で、今般の法律案の内容としたところであります。
本法案は、イノベーションの促進とリスク対応を両立し、AIの研究開発や実装を加速することのできるバランスのある法制度として、世界各国のモデルになり得るものと考えております。
今後とも、国際社会に対して、広島AIプロセスを始めとする国際的枠組みなどの機会を捉えつつ、我が国の考え方について積極的に発信していきたいと考えております。(拍手)
〔国務大臣村上誠一郎君登壇〕