○福重隆浩君 公明党の福重隆浩です。
私は、会派を代表して、下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案について質問をいたします。(拍手)
まず、下請法改正の質問に先立ちまして、米国トランプ大統領が日本を含む貿易相手国に対して表明した相互関税措置に対する日本政府の対応について、私からも重ねて質問をさせていただきます。
四日に石破総理は与野党党首会談を開き、米国の相互関税発表を受け、関係閣僚による会議体を設置する方針を示されました。我が党の斉藤代表は、米国の関税措置により、米国内で景気後退とインフレが同時に起きるスタグフレーションが起きるリスクを指摘し、日本、諸外国も大きなインパクトを受ける、金融市場の動向に目配りし、経済後退を招かないよう最大の努力をと訴え、大胆な内需拡大を求めました。
九日にトランプ大統領は、相互関税について報復措置を取らない国などに対して、九十日間、この措置を停止すると発表しました。これを受け、十日、林官房長官は、この停止措置について、様々なルートで見直しを申し入れてきたので、今回の措置は非常に前向きに受け止めていると記者団に語りました。
しかし、トランプ大統領の思惑でいかなる事態になるか、予測が難しいと思いますが、刻一刻と変化する状況に緊張感を持って対応していかなければなりません。
いずれにしても、今回の関税措置から、我が国の産業、特に中小・小規模事業者を守り抜き、雇用の確保を断じて継続していくことが重要であります。経済の好循環に向けて緒につきつつある現在、腰を折るようなことは絶対に回避しなければならず、政府はあらゆる施策を総動員していくべきであります。
政府の強い決意と万全の対策について、武藤経済産業大臣にお伺いをいたします。
次に、下請法改正について、順次質問をさせていただきます。
今回の下請法改正は、約二十年ぶりの抜本改正であり、昨今の労務費、原材料費、エネルギーコストの急激な上昇に対応し、発注者、受注者間の対等な関係に基づく構造的な価格転嫁の実現を図っていくことを目的としています。改正の主なポイントは、協議を適切に行わない代金決定の禁止や交渉の義務化ですが、最も重要なのは、雇用の約七割を支えておられる中小・小規模事業者の賃上げにつなげていくことだと思っております。
中小・小規模事業者の中には、従業員の確保、生活の維持のために、防衛的な賃上げを余儀なくされている事業者も少なくありません。
公明党は、かねてより、中小・小規模事業者が賃上げしやすい環境に一貫して取り組み、長年変わらない商慣習などに苦しむ事業者の皆様の声に徹して耳を傾け、全国約三千名の地方議員と国会議員のネットワークを駆使し、その切実な声を国政に届けてまいりました。今回の改正案には、これまで私たちが現場の声を踏まえ強く主張してきた内容が数多く盛り込まれており、引き続き、政府と緊密に連携し、中小・小規模事業者の賃上げに向けた取組と支援を一層強力に推進してまいる決意であります。
物価高に負けない賃上げが求められる中、改めて、今回の下請法改正案の提出に至った意義、目的、そしてその効果について、伊東担当大臣の答弁を求めます。
次に、サプライチェーンについてお伺いをいたします。
私の地元、群馬県は、大手の自動車製造工場を始め部品メーカーなど、多くの中小企業が地元経済を支え、雇用を創出してくれております。
中小企業庁の資料によりますと、四次請以上の階層において、全額価格転嫁できた企業の割合は僅か一割程度であり、全く価格転嫁ができなかった又は減額された企業は四割近くに上っております。下請構造の末端に位置する事業者ほど、価格転嫁の割合が低い実態が浮かび上がっております。
全国中小企業団体中央会の佐藤哲哉専務理事は、消費者向けの産業や多重委託構造のサプライチェーンでは取引上の価格転嫁がなかなか進まず、特に中小企業間で滞っていると話されております。
今回の法改正を機会に、サプライチェーンの隅々まで価格転嫁が浸透できるよう、様々な施策を講じていくべきだと思いますが、武藤経済産業大臣の答弁を求めます。
次に、トラック業界における価格転嫁についてお伺いをいたします。
中小企業庁の資料では、昨年十一月に公表された価格交渉促進月間フォローアップ調査結果において、主要三十業種全体の価格転嫁率は四九・七%でありますが、最も低い業種はトラック運送業で二九・五%、その差は二〇%を超えております。トラック業界は多重下請の構造がありますが、一般的に、一次、二次と取引階層が深くなるほど価格転嫁が進んでいないと指摘されており、サプライチェーン全体の価格転嫁を強力に進めていかなければなりません。
これまで、人件費や燃料油の上昇分を取引価格に反映することを荷主が拒む例や、荷待ち時間の料金の支払いに応じない例が問題となってきました。今回の下請法改正法案では、荷主から運送事業者への委託契約に対しても、新たに下請法の対象に加えることが提案され、取引適正化の面では一歩前進だと思いますが、こうした運送業をめぐる厳しい現状への認識をお尋ねするとともに、トラック業界において実効性のある政策をどのように講じていくのか、中野国土交通大臣に答弁を求めます。
次に、パートナーシップ構築宣言についてお伺いをいたします。
第六回未来を拓くパートナーシップ構築推進会議で示された資料で、多くの取引先を抱える大企業の宣言は、過去五年間で増加しているものの、その比率は大企業全体の二二%にとどまっているとのことであります。また、発注者へ宣言に基づく交渉を求めたが取引相手が知らなかったや、そろそろ昔の条件に戻したいとまで言われたなどの事例が報告されております。一部ではありますが、パートナーシップ構築宣言に対して、経営層は認識しているものの、現場の購買担当者まで宣言が周知されていない状況もあり、絵に描いた餅のように形骸化しているのではないかとの疑念がございます。
さきに述べました、宣言が大企業全体の二二%程度にとどまっている、この数値に対する政府の認識と、更なる宣言の拡大及び現場までの周知、実効性向上に対する取組について、武藤経済産業大臣に答弁を求めます。
今回の下請法改正は、サプライチェーン全体の適切な価格転嫁を定着させる重要な意味がありますが、あくまで手段の一つであり、中小・小規模事業者の賃上げが大きな目的であります。
公明党は、政府とともに、中小・小規模事業者の生産性向上、国民の皆様の賃上げ、所得の向上に全力で取り組んでいくことを改めてお誓い申し上げ、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣武藤容治君登壇〕
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