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阿部弘樹 ·日本維新の会

衆議院本会議(2025-04-15)での発言

第217回国会 ·第第20号号 ·3,995字
○阿部弘樹君 日本維新の会の阿部弘樹でございます。  会派を代表して、公益通報者保護法の一部を改正する法律案について、全て伊東良孝内閣府特命大臣に質問いたします。(拍手)  本法案は、令和二年の改正法の施行から一定の期間を経過したことから、公益通報者保護制度検討会の検証を経て、公益通報者保護制度の実効性を向上させるための改正とされています。今回の改正の前に、前回の令和二年六月の法改正の総括についてお伺いします。  公益通報者保護制度検討会は、令和二年改正による効果として、実態調査の結果を平成二十八年度の調査結果と比較して、民間事業者における内部通報制度の導入率が上昇したと報告しています。しかし、その後も、勇気を奮って通報した人が結果的に望まぬ境遇に陥ってしまう事例は後を絶ちません。令和二年改正の効果や課題について、率直な評価をお聞かせください。  昨今、大きく社会問題となった事例を参考に、憂慮すべき点をお聞きします。  中古自動車販売大手のビッグモーター社による自動車保険不正請求などの不祥事が相次いで発覚した際には、当該企業の内部通報体制の不十分さが露呈しました。ビッグモーター事件では、ワンマン経営者が会社幹部や社員を服従させ、少しでも意に沿わないと懲罰的な扱いをするなど、恐怖支配があったとされています。  このような、いわゆるブラック企業においては、法律で内部通報窓口の設置を義務づけたとしても、会社に何をされるか分からないという恐怖から、行われるべき通報が滞る可能性があります。公益通報窓口の設置の義務化は、こうした通報者の不安を解消できるのでしょうか。具体的な対策をお示しください。  フジテレビの事案を取り上げます。株式会社フジテレビジョンが出した文書「フジテレビの再生・改革に向けて」には、相談窓口に相談しても情報が外に漏れてしまうのではないかという懸念から、相談窓口の信頼性を確保し、相談者が安心して利用できる体制を整備する必要性について記載があります。  しかし、今回の事案では、被害者は上司を信頼して事件を通報しており、相談の窓口は確保されていました。それにもかかわらず、相談を受けた上司や会社の上層部が、加害者である人気タレントを守るために、社内のコンプライアンス委員会に報告せず、事件のもみ消しを図り、その結果、被害者は自主退社の選択を余儀なくされました。  どのような企業でも、大事な顧客や重要な取引先との力関係では弱い立場に置かれることがあります。取引上の力関係が上位にある社外の者が通報すべき不正を行った場合、社内の通報窓口の確保だけでは体制は不十分だと考えますが、どういった対応をすべきか、見解を求めます。  兵庫県知事によるパワハラ疑惑をめぐっては、県側が内部告発した元県幹部を特定し、停職三か月の懲戒処分をしたため、告発者の不利益な取扱いを禁じた公益通報者保護法に違反するとの指摘があります。法令遵守の徹底が当然に求められる行政において発生した事案ですので、多くの人がこの問題を注視しています。  公益通報者保護制度では、自治体に対して、地方分権の関係で消費者庁が介入することはできないとされており、本改正においても、解雇以外の不利益な取扱いを無効とする規定は公務員には適用しないものとしております。しかし、現実的には、自治体を始め官公庁における不正も後を絶ちません。民間には罰則があるが官公庁にはないというのでは、不公平と考える国民は多いのではないでしょうか。官公庁の不正事案について、政府見解を求めます。  次に、事業者に対する変更点についてお聞きします。  今回、従事者指定義務に違反する事業者に対し、現行法の指導、助言、勧告を行う権限に加え、勧告に従わない場合の命令権及び命令違反時の刑事罰が新設されました。一定の効果があると思われますが、事業者規模が常時使用する労働者の数が三百人超の事業者に限られている点について、検討が必要です。  従事者指定義務がかかる常時使用する従業者数が三百人超の事業者というのは、全事業者の一%以下です。大企業の定義は、常時使用する従業員数が、卸売業、サービス業は百人超、小売業は五十人超であることを踏まえれば、百人若しくは五十人を超える事業者に拡大することも一案と考えられますが、見解をお伺いします。  また、中小企業にとっては体制整備の対応が困難であり、小さな企業ほど通報者の保護が難しい状況です。中小企業への対応方針や、政府の支援策についてお示しください。  法案では、現行の報告の徴収、助言、指導、勧告権限に加え、立入検査権、勧告に従わない場合の命令権を新設し、さらに、命令違反に対する刑事罰、及び報告を怠った場合、虚偽の報告をした場合、検査を拒否した場合に対する刑事罰を科すこととされています。  これらの検査等に関する様々な権限を消費者庁に付与するとしていますが、現状の組織体制や予算では権限を十分に行使することが困難ではないかという意見もございます。消費者庁は、今の体制をどうやって運用していくのか、答弁を求めます。  通報者保護の範囲についてお聞きします。  今回、保護される公益通報者の範囲に、フリーランスや、業務委託関係が終了して一年以内のフリーランスが追加されました。しかし、EU公益通報者保護指令では、これらに加え、求職者やボランティアも公益通報者に含めています。G20ハイレベル原則では、保護対象となる通報の範囲は広範に定義されていますが、求職者やボランティアによる公益通報についても見解を伺います。  また、EU公益通報者保護指令では、同僚や家族など、報告者の支援者や取引先に対しても保護が及ぶことになっています。実際に被害を受けた本人だけでなく、これらの周囲の方々にも配慮がないと、同調圧力が強い日本社会においては特に、調査の公平性さえ担保できない可能性があります。被害者の周辺に対してどのような配慮をしていくのか、政府の見解をお聞きします。  公益通報者を阻害する要因についてお聞きします。  まず、通報者探索の禁止についてです。  事業者が正当な理由なく公益通報者を特定する行為を禁止していますが、罰則の対象にはなっていません。罰則の有無で通報者が公益通報を行うことをためらうなどの影響が考えられます。通報者の探索に罰則を設け、抑止に努めることも考えられますが、罰則を設けない理由を御説明ください。  一方、通報者の保護が行き過ぎることによって、自己の利益を図る目的で、悪意を持って誰かをおとしめようと、虚偽通報を発生するリスクも考えられます。通報者は、報告した事項が真実であることを信じるに足る合理的な根拠を有していなければなりません。EUの公益通報者保護指令では、通報者が故意に虚偽の通報を行った場合の罰則規定もありますが、政府として、虚偽通報に対して具体的にどのような対策を取るのか、その考えをお聞かせください。  続いて、通報妨害の禁止についてです。  事業者が労働者に対して、正当な理由なく、公益通報をしないなどの合意を求めたりすることなどによって公益通報を妨げる行為を禁止し、この規定に違反してなされた合意等の法律行為を無効とすることになっています。この無効とならない場合の正当な理由はどのようなものを示しているか、そこは重要なポイントです。  政府は、公益通報の妨害行為とならない正当な理由について、どのような場合を想定しているのか、具体的にお示しください。また、正当な理由について、事業者と労働者の双方が十分に理解できるように説明が必要ですが、その方法についても具体的な回答を求めます。  刑事罰の対象を解雇、懲戒とすることについてお聞きします。  不正を告発した内部通報者への不利益な取扱いに対し刑事罰が導入されますが、その対象となるべき処分は解雇と懲戒処分の二つに限定されています。つまり、実際に処遇されることが多い配置転換や退職勧告、ハラスメント等は罰則の対象外です。配置転換等が刑事罰の対象にならないのであれば、罰則の有無を逆手に取って、配置転換や退職勧告、ハラスメントによる報復が増加する可能性も考えられます。  政府が把握している配置転換や退職勧告、ハラスメントを含む報復の有無について、実態報告を求めます。その上で、配置転換や退職勧告、ハラスメントを刑事罰の対象から外した理由をお示しください。  公益通報のために必要な資料の収集、持ち出し行為への免責について質問いたします。  公益通報のためには、不正行為を裏づける資料の収集や持ち出しが必要であることは容易に考えられます。しかし一方で、必要な資料を持ち出した場合には、事業者側が情報漏えいや秘密義務違反を理由に解雇や懲戒の処分を課す可能性があります。公益通報をちゅうちょさせる要因になりますし、通報内容の精度を下げる原因にもなります。  過去の司法判断では、公益通報を理由として民事免責を認められた場合がありますが、判断を全て裁判に委ねてしまっては、不正の有無の判断に相当の時間を費やすことになります。免責規定の明記や、検討の余地はあると考えますが、本改正において免責規定を組み込まなかった理由について、今後どのように取り組むかという点も踏まえて御説明ください。  最後に、日本維新の会は、国会における議論を通じて、公益通報者保護制度の実効性を向上させ、国民生活の安心と安全を確保することをお約束し、私の質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手)     〔国務大臣伊東良孝君登壇〕

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