○長友よしひろ君 立憲民主党の長友よしひろです。
会派を代表しまして、議題となりました、マンションに関する五つの改正案を束ねた、老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律案について質問します。(拍手)
一九八一年以前に建てられた旧耐震基準のマンションや、老朽化が危惧される築四十年以上のマンションは百三十七万戸あります。そのようなマンションへの対策が喫緊の課題と認識し、政府はこれまでも、マンション管理適正化法やマンション建替え円滑化法などにより、マンション対策を講じてきました。
我々立憲民主党も、かねてより、築年数が経過したマンションの建て替えを促進する政策を更に拡充させることを公約とし、提案をしてきました。そして、今回の改正案は、我々の提案も踏まえ、これまでの不足部分が一部補われ、一定の前進が図られたものと評価をします。
しかしながら、この改正案でもいまだに足りていない点、明確でない点、実効性に疑念が残る点があります。中でも、その基本的な事項への対応について、生活実態に見合った、国民目線に立った、真摯で前向きな答弁を期待し、質問をします。
最初に、先月四日に報道されましたマンションの大規模修繕工事をめぐる談合事件について伺います。
報道によりますと、関東地方のマンション老朽化などに伴う大規模修繕工事をめぐり、施工会社およそ二十社が、受注する会社や価格を事前に話合いで決める違法な調整を繰り返していた疑いがあるとして、公正取引委員会が一斉に立入検査を実施しました。
このような不当な取引制限と言える受注調整は、長年にわたり業界内で行われ、工事費が不当に高額になっているとの指摘があります。事実であれば、独占禁止法違反です。談合による修繕工事費増で損害を被るのはマンション住民であり、許し難い話です。我々立憲民主党は、談合事件に対し、厳しい態度で臨み、徹底した真相解明を求めます。
この事件は極めて重大です。そもそも、原因はどこにあったのでしょうか。既存法制で不十分だったのはどこなのでしょうか。所管官庁である国土交通省に瑕疵はなかったのか、見解を伺います。
あわせて、居住者の不利益となるこの談合事件について、調査の徹底と結果の速やかな公表が必要です。また、再発防止のための具体的な取組を早急に示す必要があると思いますが、見解を伺います。
次に、この事件を踏まえて、本改正案での今後の修繕工事等の発注に関する課題について伺います。
管理業者が関連会社に修繕工事等を発注することは、全てがそうとは言いませんが、管理組合の利益に反する可能性がないとは言い切れません。本改正案では、管理者を兼ねる管理業者が自ら修繕工事等の受発注者になる場合に限って、区分所有者への事前説明の義務化が盛り込まれていますが、それだけで問題は解決するのでしょうか。管理業者が管理者を兼ねていない通常のケースも含めて、事前説明や相見積りの一律義務化などは必要ないのでしょうか。また、管理業者に対して、関連会社などとの取引の更なる透明化の具体策を講じるべきではないでしょうか。見解をお示しください。
次に、マンションその他の区分所有建物の管理及び再生の円滑化等を図るための議決の緩和等の課題の認識について伺います。
本改正案では、耐震改修や省エネ改修など、マンション性能の向上などに資する改修工事などで、共有部分の修繕など区分所有権の処分を伴わない事項については、現行の区分所有者全員による多数決から、集会に出席した区分所有者の多数決で決められるようになります。あわせて、裁判所が認定をした所在が分からない区分所有者を決議の母数から除外する制度を創設することとしています。また、建物、敷地の一括売却、一棟リノベーションなどのマンション再生に関しても、多数決決議が可能となります。これらの措置により、決議の円滑化が図られることが期待され、前進と言えます。
一方で、一括売却、リノベーションなど、マンション再生に関する決議要件の緩和は、区分所有者の財産権に大きく影響するものであると考えますが、重要な内容の周知を、施行まで一年に満たない期間で徹底できるのでしょうか。周知方法を含め、法務大臣に見解を伺います。
次に、本改正案の目標、効果として示されているKPIについて伺います。
マンション管理の適正化や市場における適切な評価が期待され、令和四年度から始まった管理計画認定の取得割合が、いまだ全体の約三%しかありません。このことは、単に、任意の制度であることのみが要因ではなく、認定取得の基準が厳しいことや、利点の内容に課題があるのではないでしょうか。約三%を施行後五年間で二〇%とする今回の指標は、実現可能なのでしょうか。基準の緩和、利点の拡充が必要なのではないでしょうか。認定取得の割合が低い原因についてどのように認識しているのか。その解決に向けた手法と支援策をどのように考えるのか。国交大臣に伺います。
マンション再生等の件数は、この四十年間で四百七十二件であるのに対し、施行後五年で千件と設定されています。果たして、本改正案の内容で実現可能なのでしょうか。そもそも、マンション再生がなかなか進まない原因は、議決権の問題だけなのでしょうか。今後、大量にマンション再生が必要な時代を迎える中で、ボトルネックとなっている原因はどこにあるのか。更なる制度改正や支援策の強化が必要ではないでしょうか。見解を伺います。
次に、地方公共団体への支援の在り方について伺います。
地方公共団体がマンション管理の適正化や再生に関与することは、管理不全の防止や居住環境の維持に重要なことと考えますが、多くの地方公共団体では専門人材が不足しています。結果、十分な支援が行き届いていないのが現状ではないでしょうか。
そもそも、実態把握や指導、勧告等には、多くの労力や予算が伴います。地方公共団体の業務増加に見合った体制強化、つまり、人材の確保や育成、財政措置などの支援体制を具体的にどのように強化していくのか。地方公共団体と民間団体との連携強化で、マンションの管理、再生がどのように進むのか。国交大臣と総務大臣、それぞれに見解を伺います。
最後に、マンション管理、再生において最大の課題の一つと言える損害賠償請求権に関して伺います。
マンション新築時の施工不良による共有部分の水漏れや耐震強度不足など、マンション分譲事業者による共有部分に生じた瑕疵担保責任等に基づく損害賠償請求権は、言うまでもなく、実際にその住戸を保有、使用する現区分所有者が最も影響を受ける立場です。
これまで、新築時購入者から一部でも区分所有権の売却があった場合は、管理組合の管理者が共有部分に関する損害賠償請求を一括して行えませんでした。この部分を改正し、旧区分所有者も含めて管理者が一括請求することが可能になったことは、前進と受け止めています。
しかしながら、損害賠償請求権は、売却される前の新築時購入者、イコール旧区分所有者に帰属し続けている前提のままです。よって、旧区分所有者が別段の意思表示を行った場合は、管理者の代理対象から除外されることになってしまいます。つまり、マンションが売却され、かつ損害賠償請求権が譲渡されていない場合で、旧区分所有者が同意しなければ、賠償金は旧区分所有者が得られることとなり、修繕費など、支障を来す可能性が極めて高いことが容易に想定できます。
実際、現に欠陥マンションを購入し被害を被っている方々、法曹界や関係者の切実な実情を私たち立憲民主党は何度となく伺ってきました。被害者の方々などからは、総じて、解決に至らないとの見解です。
分譲マンションの管理運営に関するルールや指針を、国土交通省がマンション標準管理規約として規範を示しています。事前の法案説明では、この標準管理規約を改めて、損害賠償により得たものは修補に充てる条文を盛り込む、つまり、あくまでも欠陥部分等のための修繕にしか使えないとの変更で対応を考えていると聞きました。
しかしながら、あくまで規約です。規約の拘束力は、法的にどのようになるのでしょうか。ましてや、今後の新築マンションでは当てはめられたとしても、既存のマンションでは規約改定が必要となります。そのとき、旧区分所有者への周知、承諾の取扱いはどのようになるのでしょうか。遡及できるのでしょうか。法務大臣に伺います。
また、被害者団体や法曹関係者からは、区分所有権の譲渡に伴い、共有部分の欠陥に係る損害賠償請求権が譲受人に当然承継される制度の新設が現実的との意見が多数寄せられていますが、法務大臣の見解を伺います。
そして、現にこの問題により住環境の保持の危機に迫られている方々への対応をどのように考えているのでしょうか。憲法で保障されている、国民の生存権である住環境を守る立場の国土交通大臣に見解を伺います。
繰り返しになりますが、我々は、本改正案について、現在生じている課題解決に向けて一定の前進が図られるものと期待し、評価をしています。しかしながら、今申し上げた点などについて、本改正案のままで、実務的な対応も不十分で、実効性が担保されないと判断した場合は、修正提案等も検討していることを申し上げ、質問といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣中野洋昌君登壇〕
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REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=長友よしひろ
MCP: search_diet_speeches(speaker="長友よしひろ")