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芦谷茂 ·一般社団法人中国経済連合会会長

衆議院予算委員会(2025-02-14)での発言

第217回国会 ·第第10号号 ·3,782字
○芦谷茂君 ただいま御紹介いただきました中国経済連合会会長の芦谷でございます。  本日は、このような意見陳述の機会をいただきまして、御礼を申し上げたいと思います。  我々の中国経済連合会は、中国地域全体の経済活性化を目的に地域課題の解決に取り組んでおり、本日はそのような立場で意見を発言させていただきたいと思います。  まずは予算案の全般に対する意見を述べさせていただいた上で、当経連がこれまで行ってきた国への政策提言を踏まえた重要課題に関して意見を述べさせていただきます。  それでは最初に、予算案全般に対する意見を述べさせていただきます。  現在、我が国では、官民一体となった取組により成長と分配の好循環が回り始め、令和七年度の予算作成においても、大幅な税収増という形でその効果の一端が表れているのではないかと思っております。  しかしながら、残念ながら、基礎的財政収支黒字化の今年度の実現は難しくなったようでございますが、肝腎なのは成長型経済の定着化に向けたモメンタムを持続していくことであり、様々な施策を織り込む中で、総じてバランスの取れた予算案が策定されているものと受け止めております。  とりわけ、地方創生二・〇として、地方再生を経済成長のエンジンとしていくことが示され、財政的な支援の拡充がなされたことは、地方の経済界として大変心強く感じております。  ただ、当経連の最新の経済調査によると、当地域の経済活動は、足下ではやや足踏み感が見られる状況にあることに加え、流動的な国際情勢も懸念材料になっていると考えております。  国におかれては、こうした中でも成長型経済への移行の流れが腰折れしないよう、機動的な財政出動も含め、的確な政策のかじ取りをお願いしたいと思っております。  続きまして、当経連が重視している個別課題六項目について申し述べます。  お手元に、当経連が今年度政府に行った政策要望に関する資料の抜粋をお配りしております。適宜御参照いただければと思います。  まず一点目は、イノベーションの創出についてであります。  地域の成長と雇用の源泉である産業振興に向けては、地域企業の競争力の強化や新たな産業創出に向けた変革を進める必要があり、当経連でも、これに向けたDXの促進などに鋭意取り組んでいるところでございます。また、地域を牽引する新たな産業創出に向け、ディープテック分野のスタートアップの創出、育成を加速していかなければならないと考えており、大学等研究機関のシーズを発掘し、事業化に導く支援活動を推進しております。  昨年当経連が実施した海外視察において、英国等では、産官学が連携してこの分野のオープンイノベーションを強力に推進する環境整備がなされており、大変感銘を受けました。  今回の予算でディープテックスタートアップの事業開発支援及びグローバル化強化を盛り込んでいただいていることは大変ありがたいことと受け止めており、こうした海外の国々に打ちかち、グローバルに活躍するスタートアップを創出するためにも、更なる国の御支援をお願いしたいと考えております。  二点目は、カーボンニュートラルへの対応についてでございます。  当地域は、コンビナートを中心に、鉄鋼や化学などエネルギー多消費型産業が集積しており、カーボンニュートラルへの対応は極めて大きな課題であります。  現在、我が国では、二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現に向け、GX移行債による先行投資を進めることが基本的枠組みとなっており、先行して投資する、いわゆるファーストムーバーを中心に財政支援を講じることとなっております。  当地域では、産業の需要地点が東西に点在しており、また企業規模も中小企業が多いことから、セカンドムーバー以降への切れ目のない支援が不可欠だと考えております。  こうした地域の実情やカーボンニュートラル燃料の供給量、さらには国際政治の動向などを踏まえた上で、国益と地域経済に配慮した戦略的な御対応をお願いしたいと思っております。  また、脱炭素社会の実現に向けては、国、企業、国民が一体となって取り組んでいかなければならないと思っております。国には、コスト負担等の国民への理解醸成に率先して取り組んでいただくことを強く希望しておりますので、よろしくお願いをいたします。  三点目は、交通基盤整備の関係につきまして申し述べます。  人口減少、高齢化が進展する地方において、社会基盤の整備は、地域の経済社会活動を下支えする基礎として大変重要です。また、中国地方は従来から物づくり産業の集積地として我が国の経済に大きな役割を果たしてまいりましたが、新たな企業立地を促すためにも、交通、物流拠点の充実や高速アクセス網の整備など、交通基盤の整備は不可欠であります。  現在、山陰自動車道など高規格道路の整備、広島や岡山など都市圏の機能連携に資する道路網の整備、広島港など国際物流機能強化のための港湾施設の整備などの事業が推進されております。こうした事業を今後も滞ることなく継続的に整備していただくことが、当地域の持続的な成長に向け重要と考えております。  加えて、昨年の能登半島地震により、改めて、地域道路ネットワークの強靱化、とりわけリダンダンシー確保の重要性を認識いたしました。当地域においても、交通基盤の老朽化、耐震対策や防災・減災対策などの予算を確実に確保していただき、災害に強い、誰もが安全、安心に暮らすことができる地域でありたいと考えております。  令和八年度からの国土強靱化実施中期計画は、資材価格の高騰等を勘案し、現在実施中の五か年加速化対策を上回る水準の事業規模が適切との考えで検討されていると聞いております。是非しっかりと対策を進めていただきたいと思います。  四点目は、観光振興に関して申し上げます。  おかげさまで、中国地域の観光需要はコロナ禍前の水準を超えるまで回復しておりますが、一方で、山陰両県のインバウンド回復は遅れるなど、地域差が見られる状況にあります。観光客が集中する首都圏や大阪、京都から地方へ、さらには中国地域全体への誘客を促すことが当地域の課題だと認識をしております。  二〇二五年は、大阪・関西万博や瀬戸内国際芸術祭などの国際イベントを間近に控え、地域の魅力ある資源を活用した観光需要の掘り起こしや、インバウンド需要の受入れ拡大に向けたプロモーション活動など、観光消費拡大につながる取組を一層推進してまいりたいと考えております。  観光振興は、島嶼部や中山間地域が多い当地域の資源活用という観点で、極めて重要だと考えております。是非とも持続可能な観光地域づくりやインバウンド誘客の戦略的取組への継続的な支援をお願い申し上げます。  五点目は、デジタル共通基盤の整備について申し上げます。  デジタル化は地方こそ必要な施策だと考えており、この度、省庁横断的なデジタル共通基盤の整備計画であるデジタルライフライン全国総合整備計画が策定され、予算措置がされたことは、地方創生に向けたデジタル実装の強力な後押しが始まったものと心強く受け止めております。  当経連でも、昨年、本整備計画の地域浸透、展開のイベントを全国に先駆けて開催したところであり、今後、各地で実装が進んでいくことを期待をしております。  新たなビジネスモデルの創出や、地域課題の解決につながる革新的なサービス開発の促進、頻発する自然災害への対応など、諸課題の解決に向け、データ利活用推進に向けた環境整備や情報通信インフラの戦略的な整備など、国主導で強力に牽引していただき、デジタル実装を具体的かつ着実に進めていただくようお願いをいたします。  最後に、六点目は、地域を支える高度専門人材の育成についてでございます。  地方創生を進めるに当たっては、人材の確保が最も重要な課題です。とりわけ、企業のデジタル化やイノベーションを創出する高度専門人材が地方においては決定的に不足しており、今回、これに関する各種予算が新しく手当てされたことを喜ばしく思っております。  当経連でも、大学や民間の教育機関と連携を取り、ウェブによる優良な講座の提供などの支援に取り組んでいるところでございますが、必要とする人材の質と量にははるかに及びません。首都圏で活躍する人材の地方での活躍強化施策を含めた国の更なる御支援をお願いできればと思っております。  以上、日頃、当経連の活動の中で痛感している個別課題について申し述べました。人口減少を始め地域課題への対応は待ったなしの状況にあり、今回が地方創生のラストチャンスだと考えております。  石破総理が言及されているように、地方創生は地方自らが知恵を絞り取組を強化していくことが重要という考えでおりますが、地方創生は、官民一体、国も地方も共に取り組むことが必要不可欠だと思っております。国におかれては、地方創生に向けた機運の醸成と全面的な支援を改めてお願い申し上げ、私からの意見陳述とさせていただきます。  本日はありがとうございました。(拍手)

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