○熊谷裕人君 立憲民主・社民・無所属の熊谷裕人です。
国民投票法に関する意見を述べさせていただきます。
最初に、私も、さきの六月十二日の衆議院憲法審査会幹事会で四党一会派による任期延長改憲の骨子案が提出され、その後の審査会で四党一会派から臨時国会での条文化審議と条文起草委員会の設置等が意見されていることについて、少々言及させていただきます。
この骨子案について、私も拝見させていただきましたが、そもそも衆議院会派の中でオーソライズされた案なのかが明確になっていない点が一つ、そして、他の党、会派の状況に関して口を出す立場ではないことは重々承知しておりますが、提出された会派において衆議院と参議院の間でしっかりとした議論が積み重ねられ、党、会派として合意が取れた上で提出されているものかという二つの点について、私自身疑問を感じているところであります。
先ほど自民党の若林議員の方から御発言を聞かせていただきました。疑問は完全には解けませんでしたが、多少理解が進んだと思っております。
衆議院憲法審査会で自民党筆頭幹事は、これは改憲の次のステップに向けた大きな前進と言及されていますが、任期延長改憲の立法事実はあるのか、そして、任期延長改憲論がそもそもの論拠としている、参議院の緊急集会が平時の制度であり、七十日間の限定であり、二院制の例外の制度であるという説に関しては、参議院においては我が会派を始め自民党と公明党の与党もこれらの説には否定的であったと私は認識しています。
今回の衆議院憲法審査会における四党一会派の骨子案提出は、参議院憲法審査会での真摯な議論の積み重ねを根底から否定し、参議院の存在についても否定することにつながりかねない暴挙と言わざるを得ないと考えます。
以上、一言申し述べさせていただいて、国民投票法に関する会派意見に入らせていただきます。
私からは、国民投票における放送広告とインターネット規制について意見を述べたいと思います。
現行法において、表現の自由を尊重する立場から、放送広告規制は、勧誘広告は主体を問わず投票前二週間にわたり禁止されていますが、意見広告は規制されておらず、民放連による自主規制があることは承知しています。そして、インターネットに関しては規制がされておりません。
昨今のインターネット環境の激変やAI技術の急速な進展と普及状況を鑑みた上で、放送広告において、CMの影響力を考えれば、もはや自主規制では不十分であり、規制の見直しが必要であると考えます。さらに、インターネット利用状況の激変を考えれば、ネット広告の規制も新たな課題であると認識しています。
そこで、勧誘広告に関しては主体を問わず全運動期間にわたり禁止し、意見広告に関しては政党等に限り全運動期間にわたり禁止、また、放送事業者による公平、平等の取扱いの努力義務が必要ではないかと考えております。
また、インターネット関係では、有料のインターネット広告の規制やネットの適正利用への対処が必要であり、有料ネット広告では、政党等による有料ネット広告の禁止やネット広告事業者等による掲載基準策定の努力義務が必要だと考えております。そして、ネットの適正利用では、ネットによる勧誘、意見発信の際の表示義務や適正利用の努力義務が必要であるとも考えております。
さらに、どちらにも共通するものですが、収支報告書の提出と公表の義務や支出額の上限規制、外国勢力からの資金援助の禁止などの資金規制が必要と考えております。
次に、広報協議会の役割として、インターネット等他者が行う意見表明に関して何らかの形で関与する事務を追加するべきと考えます。
先週の参考人の方々からも意見陳述がありました。フェイク情報への対処として、広報協議会と民間団体が協力してファクトチェックを行うことや、ネット広告事業者等から影響の大きい投稿について広報協議会へ通報し、広報協議会が付随的情報を提供すること、例えば、事業者にファクトチェック対象や偽情報認定されたことを示すものを義務付けるということも必要ではないかと思っております。広報協議会として信頼性のある情報を正確に広報するなど、広報協議会の新たな機能の追加を提案するものであります。
ほかにも、過激な行動や発言でネットの視聴者を惑わし、視聴回数を稼いで収益を上げるアテンションエコノミーの問題で公正な選挙実施に大きな影響が出ていることや、AI技術の急速な進展が本物と偽物の見分けが付かないことを生じさせているディープフェイクの問題で様々な場面で大きな混乱を生じさせていること、収集された個人データに基づいて、個人の関心や趣味、嗜好に合わせて最適化された情報などがピンポイントで配信されるマイクロターゲティングの問題でフィルターバブルに陥ったり、エコーチェンバーが増幅されるリスクを生じさせることなど、国民投票法を制定した当時の状況とインターネット関連の状況は大きく様変わりしており、憲法改正を議論する前に、その手続法の一つである国民投票法の改正に真摯に取り組むべきであることを申し上げ、私の意見表明といたします。
御清聴ありがとうございました。
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