○山本太郎君 れいわ新選組、山本太郎です。
まず指摘しておくべきは、現在の国民投票法には広告宣伝活動に対する明確な規制がほとんどなく、極めて不備が多いということ。そのような欠陥法を求め、推進してきた勢力が経団連です。
経団連は、二〇〇五年以降、憲法改正と集団的自衛権、それらを具体的に実現可能なものとして議論する前提として、国民投票法の早期成立を繰り返し求めてきた。
なぜ経済団体が憲法改正と改憲しやすい国民投票法を求めたのか。防衛産業強化の名の下に自らの利益を拡大するため。武器輸出を可能にし、武器の製造、販売、使用というサイクルで自らがもうけるため。
要請に基づくよう二〇〇七年に成立した国民投票法。法制定時から、CMが大量に流されれば国民の健全な憲法改正に関する意見がゆがめられてしまうのではないかという懸念は指摘されていました。
しかし、設けられたものは、投票二週間前から呼びかけCMの禁止のみ。意見表明CMは規制なし。人気タレントなどが、私はこう思いますと表現するコマーシャルなら規制されない。実質、規制に関しては、日本民間放送連盟、民放連の運用上の自主規制に委ねることに。実際に自民党の議員が、民放連による自主規制を条件に国民投票法を立案したとも言っている。
それなのに、二〇一八年、民放連は法制定時の約束を撤回、量的自主規制を行わない方針の決定に至った。憲法改正の国民投票運動で、テレビコマーシャルに多額の金がつぎ込まれることは分かり切っている。メディアにとってはまさに特需。民放連が表現の自由を持ち出し、放送に求められる公平性の確保を拒否しているのは、自分たちのもうけを優先させただけの話であろう。
経団連や民放連の要求をのんだ結果、現行法は広告宣伝に関して制限がほぼ何もない状態に。資金規制もないので、資金力が豊富な陣営は無制限にテレビコマーシャル、インターネット広告を垂れ流すことが可能。
海外では国民投票に関して厳格な広告規制が存在する。イギリス、スイス、フランス、アイルランドでは、テレビスポットコマーシャルは原則禁止。さらに、EUでは、二〇二四年、政治広告透明化規則を制定。広告サービス事業者が受領した金額を表示すること、また広告のスポンサーを表示することを義務付けた。
日本には、海外のような厳格な広告宣伝活動への規制がない。それが何をもたらすか。
例えば、大阪都構想の是非を問う住民投票。当時、大阪市長だった橋下氏が大阪の住民投票の形式は国民投票とほぼ同じだと述べていたとおり、都構想の住民投票は憲法改正国民投票の予行演習ともなった。
二〇一五年と二〇二〇年、大阪都構想についての住民投票が二度にわたり実施。いずれも、広告への量的規制は存在せず、資金力に依存したキャンペーンが繰り広げられた。大阪都構想を推進した地域政党大阪維新の会は、国政政党である日本維新の会の政党交付金を住民投票運動に投下。維新側は、第一回の住民投票では約四億円、第二回では約五億円を広報活動につぎ込んだ。
当時の報道では、維新側がテレビコマーシャルに掛けた費用は反対派の約五倍。結果として、大阪都構想は否決されましたが、住民投票の進め方は公平とは程遠いものとなってしまった。広告規制が必要なことは明らかだが、問題は野方図なCM放映だけではない。
例えば、大阪市は、大阪都構想を賛美する内容の動画やパンフレットを作成。パンフレットは、二〇一五年で約百六十一万部、二〇二〇年は約百七十万部を配布。二〇一九年四月の大阪市長選では、候補者が配れるチラシが三万五千枚、大阪市議選では四千枚がそれぞれ上限。それに比べ、住民投票や国民投票では、資金さえあれば桁違いの大量の広報物を投入できる。
資金力のある勢力による大量の広報物投入は海外でも起こっている。二〇一六年、イギリスでEU離脱の是非を問う国民投票が行われたが、この際、政府はEU残留の理由を記載したリーフレットを全英約二千七百万世帯に郵送。その費用は約九百万ポンド、日本円で十三億円以上。イギリスでは国民投票に際しての広告規制が厳格で、投票運動の経費に支出制限が設けられていたが、政府はその制限を超えた費用をリーフレット配布に支出した。結果としてはEU離脱となったが、この投票の進め方の不公正さが国民の分断を深めた。
このままでは、金のある陣営が無制限に行える無規制の国民投票となる。こんな状態で国民投票を強行すれば、結果にかかわらず、国民の間の分断は深まるだろう。厳格な広告規制が必要であることは言うまでもない。
他方、改憲五会派は、議事録の残らない衆議院憲法審査会幹事会で改憲骨子案を提出。なぜこれほど急ぐのか。穴だらけの国民投票法のままの方が改憲派に都合がいいからでしょう。経団連などをバックに、資金力のある改憲派に有利な仕組みである国民投票法のままの方が改憲案を通しやすい。どこまで行っても邪悪。
周辺諸国との外交もまともに行わず、宗主国様の戦争ビジネスに加担し、国を守るために必要とあおり、軍事を拡大。その振る舞いから地域の緊張を高める。
研究開発でも国から資金を受け取り、武器を製造すれば、国に買ってもらえて、輸出でももうける。造った武器を消費させるためにも緊張までつくり出す。基幹産業が軍事であるアメリカの流儀を実践しようとする姿、その猿まね、余りにも痛々しい。
自らが憲法違反的存在である自覚もなく、愛国者を装う売国しぐさには付ける薬もない。そのような者はここ参議院にはいないと私は思っておりますけれども、この衆議院のような事例を見ると、こういった間抜けが交ざり込むことが防げない国会において、無期限に議員任期延長できる仕組みなどあってよいはずもない。賢明な国民に選挙で御判断いただくほかない。
以上です。
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