○衆議院議員(井上貴博君) ただいま議題となりました両案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。
まず、貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案について御説明を申し上げます。
物流は、国民生活及び経済活動の基盤であり、トラック運送は、国内物流の基幹的役割を果たしています。
物流の二〇二四年問題については、昨年、必要な法改正を行うなど対策を講じてまいりましたが、トラック運送が将来にわたってそのような役割を果たし続けるためには、輸送需要に対応した適正な輸送力を確保していくことが重要であります。
そして、そのためには、トラックドライバーの社会的、経済的地位の向上や処遇改善、トラック事業に係る取引の適正化の実現を通じて、トラック運送業界そのものの健全な発展に向けた構造改革を図っていく必要があります。
本案は、このような趣旨から、トラックドライバーの適切な賃金の確保及びトラック運送業界の質の向上等を図るために必要な措置を講じようとするものであります。その主な内容は次のとおりであります。
第一に、トラック事業の許可について、五年ごとの更新制を導入するとともに、国土交通大臣は、独立行政法人に、許可の更新事務の一部を行わせることができることとしております。
第二に、国土交通大臣は、トラック事業に係る運賃及び料金について、燃料費、全産業の労働者一人当たりの賃金の額の平均額を踏まえた人件費、減価償却費、輸送の安全確保のために必要な経費、委託手数料、事業を継続して遂行するために必要不可欠な投資の原資、公租公課等の事業の適正な運営の確保のために通常必要と認められる費用を的確に反映した積算を行うことにより、トラック事業の適正な運営を図るための原価である適正原価を定めることができることとしております。
また、トラック事業者及び貨物利用運送事業者は、自らが引き受ける貨物を運送するとき又は自らが引き受ける貨物の運送について他のトラック事業者等の行う運送を利用するときは、その運賃等が適正原価を下回らないようにしなければならないこととしております。
なお、これに伴い、国土交通大臣が定めることができることとしている標準的な運賃を廃止することとしております。
第三に、現行法において貨物利用運送事業者が真荷主として扱われる場合について、貨物利用運送事業者が元請事業者として扱われるよう真荷主の範囲を適正化するとともに、トラック事業者等は、真荷主から引き受けた貨物の運送について他のトラック事業者等の行う運送を利用するときは、当該貨物の運送について当該他のトラック事業者等からの二以上の段階にわたる委託を制限するために必要な措置を講ずるよう努めなければならないこととしております。
第四に、何人も、無許可等でトラック事業を経営する者に貨物の運送を委託してはならないこととするとともに、これに違反した者は百万円以下の罰金に処することとしております。また、国土交通大臣は、当分の間、無許可等での経営の原因となるおそれのある行為をしている疑いのある荷主等に対し、当該行為をしないよう要請できるとともに、荷主等への疑いに相当の理由がある場合は、公表を前提とした勧告を行うことができることとしております。
次に、貨物自動車運送事業の適正化のための体制の整備等の推進に関する法律案について御説明申し上げます。
本案は、トラック事業の許可に係る更新制等の実現に向けて必要な体制の整備等を推進するため、その基本となる事項を定めようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
第一に、基本方針として、独立行政法人に、トラック事業の許可の更新事務の一部及びトラック運送に係る安全性の向上等のトラック事業の適正化等に資する取組への支援に関する業務を行わせるとともに、これらの業務がその独立行政法人により適切かつ効率的に実施されるよう、必要な体制の整備を行う旨を定めることとしております。
そして、これらの業務の費用に係る財源の確保に関する基本方針として、許可の更新事務に必要な費用は、国庫が負担することとし、許可の更新に係る手数料による収入等を活用して確保すること、また、トラック事業の適正化等に資する取組への支援に関する業務に必要な費用を確保できるよう、トラック事業の適正化とこれを通じた持続可能な物流の確保を広く社会で支える観点から幅広く検討を行うこととしております。
第二に、政府は、基本方針に基づくトラック事業の適正化のための体制の整備等の推進に関する施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置等について、この法律の施行後三年以内を目途として講じなければならないこととしております。
第三に、政府は、物流に関する施策の総合的かつ集中的な推進を図るため、国土交通大臣、経済産業大臣、農林水産大臣、厚生労働大臣その他の関係大臣及び公正取引委員会委員長をもって構成する物流政策推進会議を設けるとともに、同会議の下に、連絡調整を行うための物流政策推進関係者会議を設けることとしております。
以上が、両案の趣旨であります。
何とぞ速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
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