○国務大臣(あべ俊子君) 伊藤委員にお答えいたします。
まず、所得制限の見直しについてお尋ねがありました。
今回の制度改正は、所得に関係なく理想の子供の数を持てるよう、少なくとも高等教育費を理由として子供を諦めることがないようにすることを目的としたものであり、この趣旨に照らして所得制限を設けないこととしています。一方、各種の制度における所得制限については、それぞれの制度の目的や支援方法等を踏まえて設定しているものと考えます。
次に、多子世帯支援の所得制限撤廃に係る検討経緯についてお尋ねがありました。
令和五年六月のこども未来戦略方針においては、執行状況や財源などを踏まえつつ、多子世帯の学生等に対する授業料等減免の更なる支援拡充について、対象年収の拡大等を検討し、必要な措置を講ずることとされました。
同方針に基づき、その詳細を政府部内で検討した結果、子育てや教育費により理想の子供の数を持てない状況は三人以上を理想とする夫婦で特に顕著であることに加え、子供三人以上の世帯の八割以上で進学後にアルバイトを不可欠又は必要と考えていることや、子供三人以上の世帯の奨学金への応募割合が子供二人以下の世帯を上回っていることなどを踏まえ、同年十二月のこども未来戦略会議において、先ほど述べた趣旨に照らし、所得制限なく支援を行うことについて、こども未来戦略として示したものです。
次に、教育費の負担軽減策における国と地方の役割分担及び国内の大学進学者数に占める外国の高校卒業者等の急激な増加についてお尋ねがありました。
教育を含め、子ども・子育て施策においては、一般に国と地方が車の両輪となって取り組んでいくものであると考えており、基盤となるべき施策や全国一律で行うべき施策については国の関与が、国の施策に上乗せする部分や地方の実情に応じて行うべき施策について自治体の創意工夫が、それぞれ重要であるというふうに認識しております。令和五年十二月に閣議決定したこども大綱においても国と地方との連携をうたっており、全国どの地域でも必要な施策の強化が図られることが重要であると考えております。
また、大学への進学者に占める外国の高校等を卒業した者等の割合が増えているという御指摘につきましては、例えば海外の高校を卒業した日本人の国内大学進学が増加している場合等、各大学により様々な状況が考えられると承知しています。
次に、生活保護世帯の進学率における地域間格差の要因分析と改善についてお尋ねがありました。
住んでいる地域によらず、経済的理由により進学を諦めることがないようにすることは重要であるというふうに考えております。高等教育機関への進学率に係るこの地域間の差については様々な要因があると考えておりますが、本制度を知らないために進学を断念してしまうことがないように、特にその周知を丁寧に行うことが重要であると考えております。
また、本年二月の中央教育審議会の答申においては、意欲のある者の教育機会を確保し、誰もが進学を諦めない社会を実現するためには、質の高い高等教育へのアクセスについて、地理的観点と社会経済的観点の両面から対策を講じる必要があるとされております。
文部科学省としては、引き続き本制度の周知に努めるとともに、この答申も踏まえつつ、生活保護世帯の子供も含め、経済的状況により進学を断念することがないよう、教育費負担の軽減も含め、質の高い高等教育へのアクセスの確保に取り組んでまいります。
次に、教育投資の持つ性格についてお尋ねがありました。
教育投資がもたらす効果には、例えば所得の向上、国際競争力の向上のほか、税収の増加、社会保障費の支出抑制など、経済的な効果が考えられます。加えまして、こうした経済的な効果にとどまらず、新たな価値の創造や共生社会の実現など、社会の持続発展に寄与する効果もあると考えられます。
文部科学省としては、引き続き、必要な教育予算を着実に確保し、未来への投資である教育施策の推進に取り組んでまいります。
次に、高校授業料無償化の財源についてお尋ねがありました。
高等学校等就学支援金制度は、高等学校等における教育に係る経済的負担の軽減を図り、もって教育の機会均等に寄与することを目的としており、これまでに所得制限を設けることで捻出した財源を有効活用して支援を充実してまいりました。
今般の自民党、公明党、日本維新の会の三党間の合意においては、いわゆる高校無償化について、令和八年度予算編成過程において成案を得て実現する、政府全体で徹底した行財政改革を行うことなどにより安定財源を確保するとされており、引き続き三党の枠組みの中で合意内容の実現に取り組まれているものと承知しております。
文部科学省としては、その状況を踏まえつつ、高等教育全体にとって意義のあるものとなるよう、今後検討を進めてまいります。
次に、低所得者世帯の進学率の目標についてお尋ねがありました。
高等教育の修学支援新制度は、経済状況が困難な家庭の子供ほど大学等への進学率が低い状況にあることなどを踏まえ、低所得者世帯の進学率が全世帯の進学率に達することを目指し、これまで低所得者世帯の学生等に対し支援を行ってきたところです。また、本制度の導入前である平成三十年度の住民税非課税世帯の進学率は約四〇%にとどまっておりましたが、本制度導入後の令和五年には約六九%まで大きく向上しているところであり、全世帯の進学率である約八割には達していないものの、本制度は低所得者世帯の高等教育機関への進学に寄与しているものと考えております。
二〇二五年度予算案では既定予算の見直しを行いましたが、低所得者世帯の進学率が全世帯の進学率に達することを目標としていることに変わりはなく、低所得者世帯への支援も含め、必要な予算を確保しているところでございます。
以上です。(拍手)
〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
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API / MCP 利用
国立国会図書館 国会会議録 API を構造化
REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=あべ俊子
MCP: search_diet_speeches(speaker="あべ俊子")