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伊東良孝 ·自由民主党・無所属の会 ·内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・消費者及び食品安全・地方創生・アイヌ施策)

参議院本会議(2025-05-09)での発言

第217回国会 ·第第17号号 ·1,967字
○国務大臣(伊東良孝君) 礒崎哲史議員にお答えいたします。  一点目は、運送委託の追加の理由についてお尋ねがありました。  平成十五年の改正では、発荷主による運送委託につきましては、優越的地位の濫用行為が行われやすいと言える再委託などの構造にある取引ではなく、発荷主が自ら用いる役務の委託であるとして、この法律の対象とはせず、独占禁止法に基づく物流特殊指定を策定し、問題行為に対応していくことといたしました。  他方で、公正取引委員会がその遵守状況を継続的に調査してきた結果、近年、問題につながるおそれがあるとして注意喚起の対象となった発荷主は毎年六百名前後で高止まりしており、依然として問題が多く生じている状況にあると考えております。  こうした状況を踏まえて、今回、販売や製造などの対象となる物品の引渡しに関して、発荷主が運送を委託する取引については実質的に再委託と同等の構造にあると言えると判断し、発荷主による問題行為に対してより迅速に対処するため、このような運送委託を新たにこの法律の対象取引として追加することとしたものであります。  二点目の、運送事業者による着荷主へ役務提供についてお尋ねがありました。  独占禁止法上の優越的地位の濫用規制やその補完法でありますこの法律では、取引関係がある当事者との間で適用されるため、発荷主が運送事業者に対して着荷主の元で作業を行うことを求めていると認められる場合については、独占禁止法やこの法律上の問題となります。  他方で、取引関係がない着荷主と運送事業者との問題につきましても適切に対応して対処していくことが重要であることから、事業所管省庁との更なる連携が必要と考えております。  そのため、運送事業者に役務提供の費用負担の問題については、事業所管省庁において、発荷主や運送事業者などの取引関係にある当事者間で適正な契約が結ばれるよう事業者へ働きかけが行われるようにするとともに、取引当事者間の契約が不公正なものであるときには、公正取引委員会において独占禁止法やこの法律の問題としていくなど、今後、関係省庁と連携して対応していくこととしています。  三点目の、下請法逃れの具体例についてのお尋ねがありました。  現行法の資本金基準に関しては、例えば、事業規模は大きいものの資本金が少額である事業者が存在するほか、近年、資本金制度の柔軟化や減資手続の緩和などにより、自ら資本金を減資する事業者が増加しているという状況が見られます。また、取引先から下請法の対象となる事業者とは取引をしないと言われ、下請法の対象とならないように増資を求められたという受注者からの声も寄せられております。  今回の法改正で、資本金基準に加えて従業員基準を導入することによって、このような法の適用逃れと考えられるような事例に対してもこの法律を適用できるようになると考えております。  四点目は、その従業員基準についてでありますが、現行法では、独占禁止法の優越的地位の濫用規制を補完して簡易迅速に立場の弱い受注者の利益保障、保護を図るために、中小企業基本法の中小企業者の定義などを参考に、資本金区分によって外形的に規制の対象を定めております。  改正法案では、従来の資本金基準に加え、新たに従業員基準を導入することとしておりますが、資本金基準と同様に、中小企業基本法の中小企業者の範囲などを参考とするとともに、過去の違反行為事例における従業員数の状況を踏まえ、製造委託などの場合には三百人、役務提供委託などの場合には百人という基準を採用することとしております。  五点目に、従業員基準以外の案を採用しなかった理由についてのお尋ねがありました。  公正取引委員会と中小企業庁が開催した企業取引研究会では、資本金基準を補完する基準として、改正法案に盛り込んだ従業員基準を導入する案のほか、資本金基準に新たな資本金区分を追加する案や取引依存度を基準とする案などについても議論されたところであります。  研究会では、これらの案については、それぞれ、新たな資本金区分を追加してもその基準を逃れようとする行為が生じイタチごっこになる、また、取引依存度については導入すると発注者の発注抑制につながるといった意見がありました。  その一方で、従業員基準については、恣意的な変更が難しい基準であり、この法律の適用逃れの防止に有効であるとされ、従業員基準を軸に検討すべきとの提言が取りまとめられました。  この提言を踏まえて改正法案を検討した結果、今回、資本金基準に加えて従業員基準を導入することとしたものであります。  以上でございます。(拍手)    〔国務大臣武藤容治君登壇、拍手〕

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