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紙智子 ·日本共産党

参議院本会議(2025-05-30)での発言

第217回国会 ·第第23号号 ·2,967字
○紙智子君 日本共産党の紙智子です。  会派を代表して、食品等の流通の合理化及び取引の適正化に関する法律等改正案について質問いたします。  農政の焦点になっている米価の高騰についてお聞きします。  昨年の春先から、米不足が発生していると町のお米屋さんから訴えられました。私は昨年の六月に農水省に備蓄米の放出を求めましたが、米はあると言って応じませんでした。七月から深刻化しても、新米が出てくれば落ち着くと言い続けました。米価高騰に苦しむ国民の世論に押されて、備蓄米の放出を決めたのは今年に入って一月です。それでもスーパーや米穀店に出たのは三月末で、放出量の僅か一%、米価の高止まりは続いたままです。  政府に余りにも危機感がなかったと言わざるを得ません。小泉農林水産大臣の認識をお聞きします。  新たな政府備蓄米の売渡し方式についてお聞きします。  農林水産大臣は、米価を五キロ二千円に下げると宣言し、競争入札から随意契約に変えて、六月初旬には店頭に並べると発言しました。暮らしが悪化する下で、店頭価格の引下げは国民の願いに応えることであると思います。しかし、米穀店や業者から話を聞くと、疑問や不安が出されました。  一つは、公平感が保たれるかということです。既に入札で政府備蓄米を買った卸や小売店は自分たちでトラックを確保して配送していますが、随意契約の場合、輸送料は国が負担する、物流を無料にするといいます。不公平をどう克服するのでしょうか。  二つ目は、備蓄米をいかに消費者にスムーズに届けるのかという問題です。通常の物流に新たに備蓄米を流すための物流が必要になりますので、トラックと運転手を確保する必要があります。米のカビ検査や、玄米を精米するための精米機の確保、新たなパッケージ作りが必要となります。こうした新たな負担が生まれます。競争入札で購入した場合も含めて、これ支援するべきではありませんか。  三つ目は、随意契約米を二千円で出すことで全体の米価の高騰を抑えることができるのですか。農林水産大臣にお答えいただきたいと思います。  同時に、今必要なのは、米価の高騰に苦しむ経済的困窮者、子供食堂やフードバンク、さらには病院、高齢者施設、保育園など、社会福祉施設や学校給食に米を確実に届ける支援を求めます。文科大臣、農林水産大臣、お答えください。  次に、農政の根本問題で農林水産大臣に質問します。  なぜ米価が高止まりしたのでしょうか。昨年の夏以来、米の業者は、米不足の不安に駆られ、直接農家の庭先に高値で買い付けに行き、集荷競争が起こりました。米価が安定しないのは、流通を自由化した上、米価は市場で決まる、政府は価格に介入しないという考え方に固執したからです。  農業で生活できない状態に追い込んだことも問題です。生産者の年間所得は一万円、時給十円が続きました。農業で生活できないので、二〇一〇年から二〇二〇年に農家戸数は四十六万戸も減少しました。農地もこの十年間で二十六万ヘクタール減少、米の生産量は十年間で百三十五万トンも減少しました。生産者には減反を押し付けて、供給量の不足を招いたことが米価の高騰につながったのではありませんか。  政府の需給見通しにも問題があります。生産者には主食用の米が余らないようにぎりぎりの生産を求め、備蓄もぎりぎりの水準です。今の需給計画では、異常気象、温暖化や経済状況などの影響による僅かな需給の変動で米不足や価格高騰が起こる、そのことが今回明らかになりました。  米をめぐる危機的な状況を打開するには、ぎりぎりの需給計画から、ゆとりある需給計画に変えるべきです。そのためには、米の増産に踏み切るべきです。明言いただきたいと思います。今の備蓄量は一・八か月分、百万トンです。公的備蓄こそ増やすべきではありませんか。  生産者と消費者が安心できる政策が必要です。生産者をめぐる状況は厳しいままです。資材費が高騰し、米価が上がっても長年の赤字を埋める水準には至っていません。二千円が独り歩きしないか不安の声が上がっています。生産者にとって再生産可能な米価が保障され、消費者にとっても負担が重くならないようにするべきです。安定供給と価格の安定は国の役割だと考えます。そのためにも、農家が安心して増産に励めるように価格保障、所得補償を抜本的に充実すべきです。農業所得に占める補助金の割合は欧米並みに拡充すべきです。農林水産大臣、答弁を求めます。  トランプ関税について聞きます。  アメリカは、ミニマムアクセス米の輸入枠の拡大、大豆、トウモロコシなど、輸入拡大を求めていると報道されています。米通商代表部、USTRは、日本に農産物の更なる市場開放を迫っています。日本の農業を犠牲にしてはなりません。江藤拓前農水大臣は、日米貿易協定の交渉が乾いた雑巾を絞るようなものだった、これ以上の輸入自由化はできないと述べました。小泉大臣も同じ認識なのか、お聞きします。  日本政府は、これまで牛肉・オレンジの輸入自由化や米輸入などの圧力に屈して自由化を進めてきました。安心、安全な食料は日本の大地から。圧力に屈せず食料主権を守ることを求めます。  法案について、以下、農林水産大臣に質問します。  生産者は、農作物の価格を自分でコントロールできません。高騰する飼料、資材などの生産コストを販売価格に転嫁することを願っています。しかし、本法案は、農家経営の持続性ではなく、食品等の持続的な供給になりました。これで農家経営の持続性は保たれるのでしょうか。  政府が参考にしたというフランスの法律には明記されている農民の労働報酬の保護の文言が、本法案にはありません。昨年、岸田文雄首相は、人件費等のコストに配慮をした価格形成の仕組みの法制化をすると答弁をしました。ならば、そう明記すべきではありませんか。  農作物の買いたたきを防ぐことが必要です。法文の文言は、適正な費用ではなく、合理的な費用となっています。これで買いたたきは防げるのでしょうか。  生産コストは、品目や時期、地域によって変動します。生産コストはきめ細かく把握することが必要です。その役割を担う人員、特に減らされ続けた公的統計の人員を増やして体制を強化すべきではありませんか。  一方、加工、流通、販売に係るコストは企業秘密もあって明らかになりません。流通、販売業者は生産側より相対的に力が強いのが実態です。適正な価格形成を目指すには、法案で設置が明記されたコスト指標作成団体の役割が重要です。高い専門性や独立性を持たせる必要があるのではありませんか。コスト指標作成団体の実効性を確保するためには、変動する生産コストを自動的に販売価格に反映させる仕組みが必要ではありませんか。  以上、お答えください。  日本共産党は、生産者に自己責任を迫る新自由主義的農政ではなく、人と環境に優しい農政の転換が必要だと考えます。農業を日本の基幹的産業と位置付け、食料自給率を高め、軍事費の拡大ではなく農業予算を増やすように求めて、質問といたします。(拍手)    〔国務大臣小泉進次郎君登壇、拍手〕

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