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竹詰仁 ·国民民主党・新緑風会

参議院本会議(2025-06-11)での発言

第217回国会 ·第第26号号 ·3,467字
○竹詰仁君 国民民主党・新緑風会の竹詰仁です。  会派を代表して、ただいま議題となりました令和五年度決算案外二件に反対、内閣への警告決議に賛成の立場で討論をいたします。  まず、我が会派は、令和五年度政府予算案に対し、長期にわたり停滞する経済、止まらない少子化傾向という深刻な問題に直面しているにもかかわらず、給料が上がる経済に資する予算、人づくりに資する子ども・子育て政策関連の予算編成がなされていないことなどを指摘し、反対いたしました。  実際、令和五年度には何が生じたのか、また決算から見て何が問題だったのかを指摘し、反対の討論をいたします。  初めに、自民党のいわゆる裏金問題が大きく報道され、大問題となっていったのが令和五年十一月です。その後、国会においても数え切れない議論が行われましたが、今でも裏金問題の全容が明らかになっておりません。  今国会では衆参両院において政治倫理審査会での審査が行われましたが、審査を受けた自民党議員からの弁明は人により食い違っており、理解、納得ができるものではありませんでした。国民から政治不信を招いた与党・自民党の責任は極めて重いことを指摘しておきます。  次に、賃金について、令和五年度の実質賃金は前年度比マイナス二・二%と、二〇一四年度のマイナス二・九%以来、九年ぶりにマイナス二%を超える実質賃金の低下幅となりました。また、翌令和六年度の実質賃金もマイナス〇・五%となり、実質賃金の低下を招いた令和五年度決算には到底賛成することはできません。  こども家庭庁が発足したのが令和五年四月一日です。岸田総理は、令和五年度予算において、異次元の少子化対策という表現を用いて、従来の少子化対策とは異なる規模や内容の施策を進めるとしました。しかし、出生数、合計特殊出生率とも低下をし続け、いまだに少子化の歯止めができておらず、異次元の少子化対策は成果が表れておりません。  インボイス制度は令和五年十月一日に始まりました。国民民主党のみならず野党会派は反対し、中小規模事業者や個人事業主、フリーランス事業者からも多くの反対があったにもかかわらず、インボイス制度を導入いたしました。インボイス制度は負担が大きく、今でもその廃止を求められており、制度の廃止を求めます。  コロナにおける燃料油価格激変緩和対策事業として、ガソリン、軽油、灯油、重油価格の補助が始まったのは令和四年一月でした。令和五年度においてもこの補助金は継続されました。国民民主党は、補助金よりも減税の方が無駄が少なく、賃上げの後押しにつながるため、トリガー条項凍結解除を申し入れましたが、政府は受け入れませんでした。  令和五年度補正予算案に国民民主党は賛成いたしました。これは、岸田総理がトリガー条項凍結解除の検討を行うことを明言したからです。党内では補正予算案に賛成についてけんけんがくがくの議論がありましたが、トリガーに期待して賛成しました。しかし、その期待は裏切られました。そうした決算を承認できるはずがありません。先月から燃料油価格定額引下げ措置が開始されましたが、国民民主党はガソリン暫定税率の廃止を強く求めるものであります。  電気代、ガス代の補助金制度は令和五年一月から開始されました。令和五年度中も補助が続きました。この際、国民民主党は、電気代の負担軽減は、負担が増え続けてきた再エネ賦課金の一時徴収停止を求め、議員立法も提出いたしました。今年度の再エネ賦課金の単価は一キロワットアワーにつき三・九八円です。標準的な電気の使用家庭で、再エネ賦課金だけで年間二万円の負担です。今の仕組みではますます再エネ賦課金は上昇します。電気代補助ではなく、再エネ賦課金を一旦徴収停止し、制度の見直しを強く求めます。  新型コロナウイルス感染症は令和五年五月八日に二類から五類感染症へ移行しました。これにより季節性インフルエンザと同じ扱いとなりました。新型コロナ発症のときの初期対応やその後の感染対応、保健所・医療体制、国及び自治体による支援、そして財政的な措置及びその使用など網羅的に総括してこそ、新たなウイルス、感染症対策が講じられます。その総括ができておりません。政府には、網羅的かつ明瞭な総括をし、国民にもしっかり伝えることを求めます。  政府は、令和四年十二月に策定した防衛力整備計画において、令和五年から九年度の五年間における防衛力整備の水準額を四十三兆円程度といたしました。財源確保については、五年間の歳出追加需要十四・六兆円に対し、一、歳出改革により三兆円強、二、決算剰余金の活用により三・五兆円程度、三、防衛財源確保法に基づく防衛力強化資金により四・六から五兆円強、四、残りを防衛特別法人税やたばこ税の見直しにより確保するとしておりました。  しかし、防衛財源に充当する決算剰余金は、令和四年度の一・三兆円に対し、令和五年度は〇・四兆円と大幅に減少し、果たして防衛力整備の財源確保策は妥当であるのか疑問が生じるとともに、防衛力整備計画自体にも影響が生じかねないことを指摘しておきます。  人づくりこそ国づくり、その指標の一つが科学技術予算です。科学技術の発展は、天然資源に乏しい我が国の成長の重要な要素です。一例として、我が国の大学の研究開発費については、二〇〇〇年と比べると増えるどころか若干減少しています。一方、OECD購買力平均換算で、米国は二〇〇〇年と直近と比較して約二倍、中国では約十二倍です。こうした差が我が国の経済が低迷してきた一因でもあります。科学技術への予算増とともに、研究者の増加は喫緊かつ重要な課題として政府に対応を求めます。  官民ファンドは非常に問題です。令和五年度末時点で官民ファンドは十四ファンドあり、政府出資は二兆一千百三十七億円に上るのに対し、純粋な民間出資は六百六十億円です。九七%が政府出資、僅か三%が民間出資です。しかも、政府出資比率が高いファンドの累積赤字が巨額であり、今後の損失解消の見通しも不明で、損失に対する責任も不明確です。こうした決算は、国民の納得が得られるものではありません。  本年一月、埼玉県八潮市において下水道管の破損に起因すると考えられる陥没が起き、トラック一台が巻き込まれるとともに、約百二十万人に下水道の使用自粛が求められるなど、大きな影響が生じました。この箇所は、埼玉県が令和三年に独自に行っていた検査では、直ちに工事は必要ないと判断されていました。一方で、令和四年度には、全国で下水道管の老朽化等に起因する道路陥没事故は二千六百七件発生していたにもかかわらず、令和五年度以降においても適切な対応は行われなかったと言わざるを得ません。  地方公共団体における下水道施設の老朽化対策や維持更新の計画的な実施について、政府主導での対策を切に求めます。  就職氷河期世代への支援については、政府の施策が十分な効果を発揮できていないことを指摘せざるを得ません。政府の対策が雇用対策に偏り過ぎていた上に、当事者のニーズを的確に捉えていないのではないでしょうか。  我が党から、本決算審査に当たり、会計検査院に対し、就職氷河期世代支援について検査要請を行いました。検査が実施されることを評価するとともに、より有効な施策につなげていくことを求めます。  最後に、会計検査院の令和五年度決算検査報告では、指摘事項が三百三十八件、指摘金額は六百四十八億円超ありました。前年から五件増え、指摘金額も約六十八億円増えました。指摘件数多数、指摘金額は巨額であり、こうした決算は納税者からの理解、納得を得られるものではありません。  以上、令和五年度決算に対する反対の理由を述べましたが、決算の参議院、出口の参議院と言われるように、我々は、決算を厳正にチェックし、次なる予算、政策にしっかりとつなげていく重要な役割があります。政府・与党にはいま一度、何が問題かということを真摯に、謙虚にしっかりと受け止めていただきたいと思います。  国民民主党は、給料を上げる経済の実現、自分の国は自分で守る、人づくりこそ国づくり、正直な政治を貫く、四本柱の政策をつくり、訴え、そして、国民の手取りを増やすことを実現するため全力を尽くすことをお約束し、令和五年度決算の反対討論といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手)

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