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金子道仁 ·日本維新の会

参議院本会議(2025-06-11)での発言

第217回国会 ·第第26号号 ·2,934字
○金子道仁君 よろしくお願いいたします。  日本維新の会、金子道仁です。  会派を代表し、ただいま議題となっております公立義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法等の一部を改正する法律案について、賛成の立場から討論を行います。  ちょうど一週間前、厚生労働省が発表した人口動態統計では、年間出生者数が六十八万六千人となり、統計のある一八九九年、明治三十二年以来、初めて七十万人を割りました。急速な人口減少社会の到来が間近に迫っている中で、我が国の教育環境をどのように整えていくのか、そのビジョンを明確に示す必要性がますます高まってきています。  まず、どのような子供たちを育てていくのかというビジョンです。  増大する高齢者を減少する現役世代が支える構造的なアンバランスが拡大する社会保障制度の維持、改革、労働人口の減少に対応するための労働生産性の向上、縮小する国内市場に依存せず、海外市場を獲得するための国際競争力のある産業の育成など、山積する社会課題の中で生きていかなければならない次世代をどのように育成していくのか、教育の果たすべき役割はますます重要になってきています。  次に、公立義務教育諸学校においてどのような職場環境をつくるのかというビジョンです。  今回のいわゆる給特法の改正は、教育の質を高めるため、公教育を支える公立学校の教師が時間的にも精神的にもゆとりを持って児童生徒と向き合うことができる、そのような働き方を実現するための改正であり、教員の働き方改革の推進と処遇の改善を両輪として進めることを目指しています。  委員会の中では様々な懸念事項が指摘されました。政府にはこうした指摘をしっかりと対応していただきたい、そのことを求めるとともに、今後はいかにしてこの法案が目指す働き方改革の実効性を高めるのか、言い換えれば、この法案にどのようにして魂を入れていくのか、これが大切だと考えます。  そのためには、まず、この改正案が成立した後の作業が重要です。具体的には、法案で新たに設けられた業務量管理・健康確保措置実施計画を全国の教育委員会が策定する際の指針、ガイドラインの作成、そしてこの実施計画に関連する人事評価制度の改革等のガイドラインをしっかりと作成することです。  次に、実施計画の実施状況の公表を行う中で、しっかりとPDCAサイクルを回していくことです。形式的に実施計画を作成し、おざなりな運用に終始して教員の働き方改革が実際に進まないという事態を回避するためには、働き方改革に関わる全ての関係者が主体的にこの問題に関わり、自らの意見を適切に表明し、それが改善につながっていく仕組みづくりが重要です。  日本維新の会は、他の会派の皆様と協力の下、今回の改正案に附則の修正を提案しました。修正附則第五条は、学校全体の教育職員の仕事と生活の調和を実現するため、業務管理の実効性の向上のための措置について検討を行い、必要な措置を講ずるとしています。  これは、分かりやすく説明すれば、先生方のワーク・ライフ・バランスの実現のために、人事評価制度の中にワーク・ライフ・バランスの要素をしっかり盛り込むこと、具体的には、各教育委員会が策定する人事評価表の中にワーク・ライフ・バランス欄を設けることを提案するものです。  これまでの教員の人事評価表は、学習指導や生活指導の目標や進捗、成果など、非常に定性的な内容が多く、管理職の方々はここからボーナスや昇給を客観的に判断することに大変苦慮しておられます。定性的な項目の大切さは維持しつつも、そこにワーク・ライフ・バランス欄を設け、休んだ先生の代わりに入った授業の回数や休日出勤に対する代休の取得率、持ち帰り残業の時間、年次休暇や育休の取得率等、定量的な項目を追加することで、教員の多様な業務状況を詳細に把握するとともに、働き方に応じた処遇の改善、言い換えれば、頑張った先生の業績が適正に評価され、ボーナスや昇給に適切に反映されることが可能になります。  人事評価表は、その組織がどのような人材育成を目指しているのかを示すメルクマールです。ですから、もう一度申し上げますが、教員の人事評価表は、国としてどのような教師像を理想としているのかというビジョンを示すものであるべきです。そして、人事評価表にどのような項目を追加するか、これは今回の法改正で具体的にどのような働き方改革を国として目指しているのかを教師の方々にしっかり示すメッセージです。同時に、教師の方々が自分の目指す働き方の目標を自ら表明し、主体的に働き方改革に関わっていく手段となります。  制度の魂は細部に宿る。本改正で現場の先生方が働き方改革の進展を実感できるように、教師が実際に手にして自ら記載する人事評価表が具体的に改正され、先生方の業務の詳細がしっかりと把握されるとともに、頑張った先生方はその働き方に応じたボーナスが支給される、このようなめり張りのある処遇の実現を目指すことが附則五条に込められた我々の思いです。  附則等に盛り込むことができなかった教師の働き方改革の具体的な提案は、委員会質疑や附帯決議にて言及しました。部活動の地域移行と並行した副業規定の見直しと教師のワークエンゲージメントの向上、教員の定数改善と空きこま保障制度の創設、保護者対応支援チームの創設とスクールロイヤーの制度の活用、多様な経験のある人材が教育に関わるための教員免許制度の柔軟化や採用試験の二期制等々です。今後も様々な改革提案を行い、教員の働き方にゆとりが増え、子供たちと向き合う時間が増加する、そのような職場環境の実現を目指して尽力してまいります。  最後に、教育が私たちの国の未来を明るくすることを申し上げたいと思います。  苗半作。これは、定年退職し、小さな畑で熱心に農作業をしている私の父がよく語る言葉です。豊かな収穫のためには、茎が太く、根のよく張った苗を育てることが大切であり、良い苗を育てることは農作業の半分程度の重要性があるという意味です。これは、教育にも当てはまる言葉です。しっかりとした自分の軸を持ち、自ら学びを選択し吸収する学習意欲のある子供たちが育てば、私たちの国の未来は明るくなります。  子供一人一人の特性や関心に応じた学びを実現し、自己選択、自己決定できる自立した子供たちを育てていく。そのために、この国の教育現場を支える教員の働き方改革の実効性を高める。教育無償化により、経済格差による教育格差を解消する。無償化の先にある多様で質の高い教育機会を実現し、子供たちが自ら学びを選択できる教育環境を実現する。少子化が進展する中でも、全国どこでも学びの場が確保されるようにグランドデザインをつくる。不登校等で教育機会を失う子供が一人もいなくなるよう、学びへのアクセス一〇〇%を実現する。  全ては次世代のために。我々日本維新の会は、子供たちの立場に立った教育改革をこれからも愚直に進めていく決意を改めて表明し、討論を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)

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